ハルト、人生の振りだしに戻る その壱
※はじめに:この話は諸事情により表現が奇妙なものとなっています。
あらかじめご了承のうえお楽しみ下さい。
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・・・ここはどこだろう。
懐かしいような、始めて来たような。
新しく古びた、あってもない、なくてもある?
・・・要するに、言葉では形容できない妙な景色なのだ。
絶えず形を変えて、それでいて壊れない。
不思議なところだ。
そんな風に感じつつ、俺は歩き出した。
どこへ行くのか、自分でも解らない。
どこへ行けるのか、それさえ判らないのだから。
軽く二、三時間は歩いただろう頃だった。
見たことのない知人が、そこにいた。
「はじめまして、路木ハルト君」
「久しぶりだな、睛堂校長」
前、夢の中で会った時より白髪が増えていた。
そして相変わらず、謎めいた雰囲気を持っている。
「私も年は取るのだよ。いずれは君も」
「だろうな」
とは応えたものの、目の前の彼は、今は亡き者。
とすれば俺も、恐らくは・・・。
「君は」
睛堂の突然の呼掛けに、考えが止まる。
「なんだよ」
「君は一体どうして、ここにいると思う?」
「どうして、って・・・」
解らない。
そうとしか言いようがない。
今はまだ情報が少な過ぎる。自分の身に何があったのかさえ、ろくに分かっちゃいないのだ。
「・・・死んだから?」
「安直だな」
グサッ。
何か心理的に鋭いモノが刺さった。
「面白みがないな。もっと頭を働かせるのが上手になっているとばかり思っていたが」
ザクリ。
刺さった何かが心を抉る。
「・・・で、他にはあるかい?」
・・・。
俺はないに等しい頭を捻って捻りつぶして、考えてみる。
沈黙の時間が、そして影の背を伸ばしていく。
それでも答えは出ない。
「やはり、そうなのか」
「?」
言葉を伝えるため息を継ぐ一瞬が、やけに永い。
「君は良くも悪くも、変わってしまったね?」




