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帰らぬ人、替える人
巨人が動きだし、本格的に終焉に近づいている世界、その中で必死に生きていく。
ハルト・・・。
彼はまだ眠っている。
いや、厳密に言えば意識が戻ってこない。
桜海はハルトの無事を祈り、不安に泣いている。
璃瑠は黙って、ハルトの顔を見つめている。
玉藻前はハルトすら見ず、窓の外を眺めている。
三人ともそれぞれ、最愛の人が心配だったのだ。
一方、《ヨトゥンヘイム》。
「《霜の巨人》、貴殿を【王】トシテ認メルコトヲココニ宣言スル」
霜の巨人、彼らは持ち前の屈強さを活かし、破壊と略奪で生計を立てている一族である。
彼らの【王】となる人物には、まず強さが求められる。
第一条件にして絶対条件。
何をおいても強くなければ【王】になれない。
そんな種族ながら、次期【王】は他の巨人より体格がいいわけでもなく、筋力があるわけでもない男子が選ばれた。
「【王】パ=ルビオ・ヨトゥンを崇め奉れ」
『パ=ルビオ・ヨトゥン、万歳!!』




