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《暁の七日》七日目 怠惰の日・中編
少年・・・ハルトは意識不明のまま、和沙の肩に担がれ脱出した。
その腕には、しっかりと剣が抱かれている。
《レーヴァ・テイン》
それは《ユグドラシル》を頂から見守る番人。
時に悪を薙ぐ巨大な雄鳥に。
時に正義を助く剣に。
姿を様々に変え、世界を見守ってきた《番人》が、その中でたった一人、ハルトを選んだ。
それはいわば、《ユグドラシル》がハルトを選んだのとほぼ同義であった。
《世界樹》に選ばれた少年。それだけで既に、数ある栄光のいずれよりも素晴らしい名誉なのである。
かつて例の無い、未成年の【英雄】の誕生だった。
その頃、《ヨトゥンヘイム》。
「《霜ノ巨人》、ココニ貴殿ヲ【王】トシテ認メルコトヲ宣言スル」
《霜の巨人》、その種族は精霊の類である。
しかし、元が同じでも決定的な違いがある。
エルフのような精霊が、自然を愛し護るのに対し、彼ら巨人は《改変》を好み、破壊の限りを尽くす。
そんな彼らの【王】は、《強い》のが絶対条件。
先代の【王】は病床に伏し、【王】の座を降ろされてしまった。
そうして伝統に則った《戦》挙法によって選ばれたのがこの【王】であった。
「パ=ルビオ・ヨトゥン、万歳!!」




