《暁の七日》七日目 怠惰の日・前編
怠けた代償は、大勝とは対照の。
怠った結果は大決壊、世界の氾濫。
ほら、耳を澄ましてごらん。
この物語に、あるいは運命に。
終わりが近づいて来る。
和沙たちは俯黎に怖じ気づいていた。
「神、・・・なのか?!」
「すまない、神とは知らず失礼を致した!!
弁明させては頂けないかっ?!」
『構わないさ。無知は罪ではない』
最早その神々しいオーラに、はいと頷くことしかできない。
『さ、【ビフレスト】を渡って仲間わを助けなさい。それが今、お前たちに出来る誠意の示し方だ』
こうして測翼の騎士団は【ビフレスト】を渡り、世界の向こう側へと向かったのだった。
いや、ここはこう言っておこう。
騎士たちは、世界の深みへ向かったのだった。
橋はジェットコースターのように唸り、どんどん下降していく。
出口に辿り着いた時には、感覚的に何十分も経っていた。
そこは何もない空間だった。
ただ、巨大な雄鳥の《影》に包まれて眠る少年が一人、そこにあるだけだった。
「何だこれ・・・」
そうこうしているうちに、雄鳥は徐々に姿を変え始めた。
ウネウネと崩壊して、象がはっきりとしていく。
「剣・・・!」
少年の腕に抱かれた剣は、静かに光った。
はっとして、和沙は声を荒らげる。
「あの男子を保護しろッッ!!」
こうして《無の空間》から脱出した和沙たち測翼の騎士団は、この時の体験を記した紀行文を著したが、そこはもう《ユグドラシル》によって世界から隔離されており、『あるわけがない』と、誰も信じるものはなかった。
その後この空間がどうなったかは、誰も知らない。




