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トネリコの繋ぐ宙 - 2・続 開闢篇  作者: あーもんどツリー
10 NAMELESS TRICK'GAMES
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《暁の七日》二日目 色欲の日2

「レイ=ヴァン・スミルスキー・・・?」


な・・・ッ!

《ターニャ》がしゃべった、だと?!


俺が驚いているのにはちゃんとした理由があった。

俺、レイ=ヴァン・スミルスキーの故郷では、《ターニャ》は人とは接しないとされていた。

ところが、目の前にいる本物はなんと、レイ=ヴァンに・・・そう、何を隠そうこの俺に話しかけてきたのだ!他の誰でもない、この俺に!!


故郷のみんながきいたらおったまげるだろうな。

嘘だと非難されるかも知れないが、それでもいい。

こんな美人と、憧れてやまなかったあの《ターニャ》と話した。その実感さえあればそれでいい。

「レイ=ヴァン・・・、貴方は私のこと、どう思う・・・?」


「とても・・・素敵だよ」

思わず感嘆の声が漏れる。

俺には村で、俺の帰りを待っている許嫁(いいなずけ)がいるっていうのに。

ああ、チクショウ。

こんなべっぴんの誘惑、とても耐えられるはずがない。



レイ=ヴァンはその色仕掛けに、コロッという音が聞こえるほどあっさりと堕ちた。



夢見心地でウハウハしているレイ=ヴァンの眼を覚ましたのは、他でもない和沙だった。

どこからともなく出てきたかと思えば、アイツ、とんでもないこと言って来たんだ。


「おいレイ=ヴァン、お前、裏切ったの?」


俺は焦って、必死に身の潔白を(うった)えたわな。

「ッ!ち、違うんだこれにはれっきとした都合があってだな・・・」

「言い訳すんな、見苦しい」


ザクリ。ウグッ。

こっちはお前の言葉が刺さって息苦しいわ。


俺はもう《ターニャ》の眼も気にせずオイオイと泣いてしまった。

「違ェんだよぉぉ、俺は何もしてねぇんだぁぁ」


「泣き落しかよ、まったく恥知らずが」


ひどくない?今のひどくない?!

恥知らず、だと?!アイツめ、人をバカにするのも大概にしやがれってんだ。

今のはさすがに頭に来たぞ。

コノヤロウ、目にもの見せてやる。


「・・・【(まつりごと)(まつりごと)、血の燃ゆることを知らぬ狩人(かりゅうど)(いしゆみ)よ、召されたまえ、我が(ただむき)の中に】ッ!!」


バツンッ、バリバリッ。

どこからともなく、雷鳴が轟く。

俺が手を伸ばすとそこに、雷が落ちてきた。


「・・・!」

和沙もこれには、少なからず驚いたようだった。


その直後。

俺の手の中にあったのは巨大な金属製の弓。

「お前には、悔いることがないのか?」


ヤツは少し間を置いて、しかし首を横に振った。


「そうか。なら消えろぉぉぉぉおぉぉおッッ!」


スパシュッ。

弓が黄金の矢を放った。

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