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トネリコの繋ぐ宙 - 2・続 開闢篇  作者: あーもんどツリー
10 NAMELESS TRICK'GAMES
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世界が壊れていく?

《声》が【フリズスキャルヴ】の扉を開いたことでその時、九界の各地で様々な異変が起こった。


《アスガルド》では突発的な旱魃(かんばつ)が。

《ニヴルヘイム》では死者が地上へ。

《ニタヴェリール》では鉱山資源の枯渇(こかつ)というように、あらゆる(かたち)で。


だがそれは、全ての原因を突き止めていた者は本当に少なかった。

九界全体で二十人いるかいないか位の、本当に小数である。

だが、その二十人ほどのうち半分は原因となった《それ》を捜すべく、いち早く行動した。

残りの半分は動かず、自らの最期を静かに待っていたという。


その十人ほどが《それ》を捜した一週間のことを、人々は後にこう呼んだ。


(あかつき)七日(なのか)】と。




その十人の中に、かつての和沙の姿もあった。

同じ志のはずである他の《捜索者(そうさくしゃ)》でさえも恐れる存在となり、昔の面影がほとんどない、別人のような顔つきになってしまってはいたが。


人々は彼のことを恐れて、一匹狼なところと他の《捜索者》まで討つほどの勢いを(うと)む意味も込めて《フェンリル》だなんて呼んでいたりもしたが、さすがに後になって狼として描かれたのを見たときは思わず私も怖くなった。


何だってその物語、フェンリルが怒って王子の腕を食いちぎるのだ。


そんな彼、街を襲う化物たちを追い払うエキスパートになっていた。

ハルトと共に旅をしていたあの頃はまだ怯えていることの多い少年だったのだが、それがすっかり勇ましくなった。

勇敢なだけではない。その方面で知らぬ者のいない、超が付くほどのエースにまで成長していたのだから、ビックリである。


今日も朝一で街の外に出たかと思えばすぐに帰って、

三体殺()った』

といって五メートルほどの体長を持った竜三体を引きずって来るものだから街の人々も腰を抜かしてしまった。

最早何も、彼が弱いなどと言う者はいるまい。


愛する者が(よみがえ)った、と言ったら彼はどんな反応をするだろう。


ふとハルトは、和沙を見かけた時そんな事を思っていた。

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