表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トネリコの繋ぐ宙 - 2・続 開闢篇  作者: あーもんどツリー
10 NAMELESS TRICK'GAMES
25/69

穢れたページ

聞こえるかな諸君。

何を隠そう俺が、この一連の騒動の引き金を引いた張本人。

人々は俺のことを《声》だなんて小洒落(こじゃれ)た名前で呼んだりもするが、ここにあえて本名を記しておこう。

題名は俺のことをバカにしているな。

ここが《穢れたページ》だとさ。ホントふざけてやがる。

話しを戻すが、俺の名前。


実は、■■■■■って言うんだよ。


・・・え?読めないだぁ?

何を言って・・・、あぁ。そうかそうか。

黒塗りなら読めないよなぁ。

ゴメンゴメン、俺の悪いクセでね。

ついつい誤魔化(ごまか)しちゃうっていうか、悪戯(いたずら)しちゃうっていうか。

俺は遊び半分でやってるんだけどな。


みんな、それがいやだったみたいで俺から離れていったんだ。

寂しかったなぁ・・・、何だって孤独だぜ?

誰も話を聞いてくれない。

相手にさえしてくれない。

常にあまりっこで、相手の都合のいいときだけ利用されるように生きてきた。


誰も、俺を人としてさえ見てくれなかった。


だから俺は決心した。

全員俺が支配して、今度は俺がアイツらをモノ扱いしてやろう、って。

人として扱われない屈辱を味わせてやろうって。


そうさ、このページだってそうだ。

俺のことをどうせ、筆者が描いた空想の産物、その一部のたった少しの、例外とでも思っているんだろう?

モノが何か言えるなら答えてみろよ。





・・・だろうな。紙なんてしゃべることはない。

そこに命は宿ってなどいない。

小説なのだとしたら、そこに記されているのは字と、ライトノベルなら数枚の挿し絵だけなのだ。

ならばこの紙に、俺をバカにしていいなにものもない。

俺をバカにするくらいなら、せいぜい次生まれる時は命をもったものになるがいいさ。


まぁ、例えそうしてもモノ扱いだったろうけどな。


復讐の準備はもう、完了したも同然だ。


あとは【玉座】に座るだけなのだから。


さあ、あと数分で世界全てが俺のモノになる。

王座から見たら人は本当にゴミのようなのか、俺自身のこの眼でしっかりと確かめてやろう。


・・・まぁ、ここは天空じゃあないけどな。

ましてや城でもないけれど。


だけど、真実を知った時の全能感は、酔いしれるほどのものだ。

世界全てを手中に納めた時の全能感は、一体どれほどのものなのだろうか。

背筋が思わず、壮大なスケールに震える。


カチャリ。


鍵は扉の穴にちょうどピッタリ合った。


・・・まさか中枢部へ繋がる大事な扉が、こんな殺風景なところにあるとは誰も思うまい。


ガコン。

鍵をひねり、そして扉を開く。

・・・さぁ、【玉座】までもう少しだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ