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絶え絶えの意識の中で
とうとう《あの人》復活か?
「・・・えっ・・・?」
ハルトはふっと気が付き、いつの間にやら街の宿で寝かされていた。
天井や壁はボロボロですきま風が通り抜けているが、それさえ気にならないほど身体がズキズキと痛む。
首に力を込めて右側を向いてみる。
部屋の奥の方で、厨房だろうか、数人の割烹着がトントンと野菜やら豆腐やらを切っている。
また力を入れて、今度は左側を向く。
するとそこに、すうっと、居眠りをしている桜海の、可愛らしい、儚げな寝顔があった。
疲れているのだろう、と思い声は掛けず、ハルトはしばし思考にふけることにした。
「・・・ハルト・・・?」
と声を掛けられ、思わず全身に緊張が走る。
グニッと想像を絶する激痛が脳に響く勢いで身体中を駆け巡った。
「無理すんなよな、お前ケガしてんだから」
荒っぽいが、どこか温かく懐かしい声が聞こえる。
誰だろう、俺がとても大好きだった人の声に、よく似ているのだが・・・。
そこでまた、意識が遠のいていく。
「おい?ハルト、大丈夫かっ!?」
意識の最後に温かい感触。
その人の胸に抱かれているのだと気付くことのないまま、ハルトは気絶した。




