今までのあらすじ Second Stage
古都へと拠点を移した藤実京介。
少年と男爵と行動を共にし、ブラックマーケット入りを果たした水野晶子。
そして、ブラックマーケット打倒のためみゆき、悠、鏡花と藤の町で動き出すマーゴ・ジニエステ。
三つの世界は、交錯するべく動き始める。
ー藤実京介の世界ー
アルヘンティーナという暗黒舞踏を祈りのため嗜むカーバンクルという精霊の守り人、乞食の少女に出会う京介。彼は麻薬売買において利を得ようとしているという、古都の長を排除しようと動き出す。古都の優しき人々とアルヘンティーナ、その本当の幸せを守るため。
しかし、初めの障害はすぐに姿を現す。それは、京介をニューヨークの街から連れ出してくれたマーゴの姉、ローラ・ジニエステの同業者であるアルルカンという女だった。彼女は京介の体臭に香水の調合師として痛くご執心のようで執拗に京介を殺そうとした。
能力を得た京介は苦心しながらも彼女の手を逃れ、落ち着いて眠るのだがその夜見た夢に問題があった。それは自分が異世界の王となり、隣国の鏡の国をアルルカンと共に滅ぼそうと画策している夢。香水屋で見たカーバンクルの死体や、アルルカンの悲しげな目が印象に残ってしまう。
その夢を頼りに、京介はアルヘンティーナの反対を押し切りアルルカンの香水店へと足を延ばす。そこで出会ったのは純粋無垢な、謎の生命体、少女、ラケル。京介のことを兄と呼んで止まないラケルの導きによって街の大聖堂において会うことの叶ったアルルカンには、京介のことを殺そうとした、街の長直属の殺人鬼としての面影はなかった。
京介はラケルとアルルカンに、どこか懐かしい思いを覚え、今は共に暮らす。謎は深まるばかりだ。
京介自身も、自分が何をするべきなのか迷い、葛藤する。
ー水野晶子の世界ー
男爵と少年の組織に入ることが叶った水野晶子は、スパイとしての活動を始めるが二人の男の荒んだ生活習慣に憤慨し、共に生活することとなってしまう。
その中で少年の心の内、過去に触れ組織がブラックマーケットを壊すために動くつもりでいるということを知った晶子は本格的に組織に協力することを決意する。しかし、その上で知ったのはブラックマーケットを消すということが、運命の悪戯によって少年や男爵、マーゴなどの異世界より来たる者の消失をも意味するということだった。
少年は述べる、ブラックマーケットによって得る芸術の感性、すなわち能力とはこの世にとって害悪で、全ての憎しみの根源なのであると。
芸術の消滅を、芸術家でありながら夢見るという少年の苦境を感じる晶子は苦心しつつも成り行きでブラックマーケット入りを果たす。彼女は死ぬことによって自分の能力を開花させ、異世界へ入ることを許されたのだった。
そこは、かつて藤実京介の統治していた国、「シュルレアリスト達の王国」であった。少年は、そこにブラックマーケットの支配人、白狐「メフィストフェレス」を消滅させるための鍵があるのだと説く。晶子と男爵、少年はその鍵を見つけるため、「シュルレアリスト達の王国」を探検し始めることとなる。
ーマーゴ・ジニエステの世界ー
マーゴ・ジニエステは学校生活を続ける傍、ブラックマーケットをどうにか消滅させることができないかと考えていた。自分の奇妙な「裁きの銃」という能力に悩みつつも、すぐに学校において事件が発生する。それはみゆきの知り合い、いじめられっ子の胡桃という少年に対するいじめであった。しかし、それも単なるいじめではなく渋谷美希という能力者の少女によるものだったのである。
苦戦しつつも胡桃を助け、美希を退けるマーゴであったが、その戦闘によってかつてみゆきが能力者であり、能力と共にマーゴと能力者として戦闘を繰り広げたという記憶をマーゴが消したのだということが露呈する。
その事実の上に成り立つ友情にみゆきは疑問を持ち、マーゴへと敵対心を募らせていくのである。
その気持ちを隠したまま、藤の町の少女たち。みゆき、悠、マーゴと鏡花は京介と晶子の消失という問題に、教員の萩原京子の登場によって直面していくこととなる。
少女たちは葛藤の末、ブラックマーケットの破壊に向けて動き出すこととなった。
藤、古都、シュルレアリストの王国。マーゴ、京介、晶子の世界は同じところから始まっていながら、違う道を辿っていく。
しかし、やがてブラックマーケットという憎しみの存在によって、一つの場所へ導かれていくことになるのである。三人は未だ、そのことに気づいてはいなかった。
唯一、ブラックマーケット。憎しみの感情によって作られた世界に繋ぎとめられながら、三人の少年少女は新たな旅路をひた走るのであった。




