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異世界王女がやってくる!  作者: 橘麒麟
One Summer's Day(記憶の肖像)
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水野晶子と少年。今日

早朝、町のスーパーマーケットは賑わっていた。インスタント食品を買い漁るもの、きちんとした食材を買うもの。水野晶子と少年は町内にスーパーマーケットがないので少し遠出をして、買い出しに来ていた。


「なにかアレルギーはありますか?逆に好きな食べ物とかは…」


「ないよ。強いて言うならカップ麺、コンビニ弁当、あとはポテチとか。

悪い冗談だよ。なんだろうなあ、男爵はコロッケが好きだし、俺はパスタが好きだよ。」


お互い、食生活について買い物をしながら帳尻を合わせているようだ。少年の発言からは、男爵が家庭的なものを好んで少年が少し高級志向なのかもしれない、ということがわかった。

ところで、少年はもう晶子が軽食を許さないで、きちんとした食生活を送りたい人間ということを理解した。


「パスタですか…それにしましょう、今日は私が西洋料理を振舞います。」


少年と男爵の、食に対する予算も、意識も少なかった。金は晶子が部分的に工面することにした。


「いいのかよ?あんたもまだ学生だろ、好きなものとか買いたいんじゃないのか。」


「いいえ、どうせ貯めて募金でもしようと思っていた資金です。」


ごく当たり前の、少年の疑問をひらりとかわす。晶子はなかなかに金持ちだ、彼女の生い立ちもあるし、家族が少ないということもある。それに彼女には、一般の高校生が走るような金銭の使い方に染まっていなかった分、貯金がある。

どうせ人の笑顔を見たいなと思って保管しておいた金だ。男爵と少年のことを善人と認識するに至った晶子は、彼らによい料理を振る舞ってやることを厭わなかった。彼女はどんな人のものであれ、純粋な笑顔というものに執着する人間であった。


スーパーで簡単な食材の購入が終わると、二人は西洋の食材や調味料を揃えた店に向かった。


きちんとしたワインや、ハーブ、日本のスーパーなどでは見られないものが並んでいる。店に入ると、まるで外国の商店街に入ったようだった。


「あんた、どうして料理なんかできるんだ?」


「両親の仕事上、いない家で金持ちだったので。できるだけあり金で美味しく楽しく食事をしようと思ったまでです。軽食も、好きだった時期がありましたけどね。それに、人に何かを作ってあげるのって、好きでしたから。」


「聞いていいか?」


「なんでしょう。」


「軽食を好んだ時期って?」


「失恋の時期です。実はあなたみたいな未成年の飲酒、私には責められなかったり。」


時々、お互いの核心に迫る会話がそっと流れた。


晶子はしきりに、調味料の棚を漁っていたし、少年も突っ込んだ話くらいしていいだろうという確信があった。晶子が別に、自分の過去や悲しみの程度はどもあれ、それに甘えて寂しくあろうと努めるような人間ではなかったから。ちゃんと少年はそれを悟った。

そういう時、深い話には味が出る。味が出ない時は、苦くて醜悪だ。


若き童話作家の心は、悲しいかな、知っていることが多い。


晶子の話を聞いて、少年はあっと驚いたような顔をした。別に触れてはならない場所に触れてしまったというのではない、そんな人もいるもんだと自分の経験からも考えて、思ったばかりである。


少年はそんなことを、ワインの棚を眺めながら瓶越しの赤に目を染め、考えていた。晶子がそれに気づく。彼女はひどく優しい調子で少年に声をかけた、おもちゃを憧れる子供に声をかける母親のようだ。


「飲んでみたいんですか?ワインレッド…好きですか?」


少年はちょっと照れた。その感覚の方が脆くて、触れてはいけない部分だった。それを少年の純粋な心は隠そうとしないし、補っている。


「ああ、うん…でもいいんだ、どうせ男爵がいないと買えないし。

でも綺麗だと思うよ、焦げてて、燃えてるみたいで。でも宝石みたいなの、ほら、子供がプラスチックの宝石に憧れる感覚ってあるじゃん。あれに値段が加わって、本当に素敵になった感じ。

そういえばあんた知ってるか?いや、失礼かもな…あんたの方がきっと学歴ある。原初の海って酸で満たされてて、赤色だったんだ。そういうのに憧れて、欲しいと思う心。罪深いほどまでに、人間にはあるのかもな。永遠のベストセラー小説みたいな、ビッグヒットだよな。ワインレッド。食欲も、要因としてあるけど…」


少年はうつむきながら話した。晶子は彼の肩に手を添え、屈む。囁く。


「どうして女性がおめかしすると思いますか?」


「は?」


晶子は棚にあった赤いワインを手に取ると、調味料や食材の束を入れた籠にそっと入れ、レジへと進んだ。すんなりと、購入手続きは済んだ。


「いいですか、少年君…レジが男性の時、店長が姿を見せていない時が狙い目なんです。今時の男性に、女性に込み入った質問をする勇気があると思いますか?しかも年齢なんて。」


晶子は笑った。


「あんた、実はあざといな。ってか阿漕だ。悪いやつ。」


二人は買い物を終えて、家に帰っていく。

晶子には、日中男爵と少年がどんなことをするのか分からない。とりあえず、帰って昼食を作るつもりだ。

はい。そうなんです。

作者、この頃グダグダしております…暗い話が続くし、ストーリーなんてどこにあるの?

でもplease bear with meネ。

なんとか美しいもの見つけて書きますよ。どんなふうに自分の小説を感じてもらっているのか、分かんないけどね…


お願いします。読者様の声、お聞かせください。どんなふうに私が小説を書いていいのか、聞かせてください。そしたら私の声も、響かせられますから…

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