逮捕
〜二日後〜
昨日もそして今日も悪魔が来たが、鋭剣が退治する。
「これから毎日来んのかな?まあいいけど」
少し疲れているような鋭剣に重吾が寄ってくる。
「いやー先生!今日もご苦労様っす!肩お揉みしてあげましょう!」
鋭剣はすぐに拒否をする。
すると外からパトカーのサイレンが鳴り響く。
「ここも大変だけど他も大変だな」
と鋭剣が嘆くとパトカーは校内に入って来た。
みんながざわつく。
先生が事情を聞くと校内放送が流れた。
「二年二組の柳生鋭剣君、今すぐ職員室まで来てください」
鋭剣は教室を出て、職員室に向かう。
「はじめまして、私は警察署の本田道隆と申します。今日は柳生鋭剣君にお話しがあり、お伺い致しました」
話しはこうだ。
悪魔襲来の日に出た重傷者がなぜあんな怪我を負ったのかを先生達に聞いて来たそうだ。
そこで先生達が情報提供として出したのは戦闘中の鋭剣の動画だった。
「正直信じたくないが私も直接先程の戦闘を見させて頂いた。正直言葉が出ないよ…」
さっきの戦闘をこの警察官は見ていたらしい。
「だが、いくらあんな化け物相手とはいえ刀を所持しているのは法律違反だ。なので君に警察署までご同行を願う。そこで詳しく話しを聞かせて貰おう」
そう言った警察官に鋭剣が言葉を返す。
「あんたはバカか?今のを見てたんだろ?俺がここを離れるとみんなが危険にさらされるかもしれないんだぞ!」
鋭剣は怒りをあらわにした。
「少し考えたのだがあの化け物を倒せる君の力、むしろそれが原因で化け物が現れる…その可能性もあるのではないか?」
鋭剣はその一言で何も喋れなくなった。
なぜならそれを完璧に否定が出来なかったからだ。
「ご同行をして頂ければそれも証明される、来てくれるかな?」
鋭剣は首を縦に振った。
「鋭剣?ちょっと待って!鋭剣は何も悪い事してない!」
美桜がそう言うと警察官はすぐ終わるよと言った。
〜警察署〜
「なるほど、あの化け物が永山村の事件の犯人か。当時にもそう言っていたな」
そうだ、あの時も必死に伝えた。
けどそんな非現実的な話しは誰も聞いてくれなかった。
「今なら信じるしかないな…だが我々としても君みたいな人間離れした者を放置する訳にはいかない。ましてや人を殺せる物まで持っているしな」
鋭剣は反論する。
「これは人を守る為に使うんだ!人を傷つける為じゃない!」
「それはどうかな?人間は本当によく分からない生き物だ。いきなり急変して人を殺すかもしれない。そんな人をいっぱい見てきた。私は信じたいがそんな人も居るから今は誰でも疑うのだよ。分かってくれ。」
警察官は少し悲しそうにそう言った。
「とりあえず今日はここで過ごせ。明日悪魔が現れた時に学校に現れるかここに現れるかで君がおびき寄せているかそうでないかも分かる。刀はこちらで預かる。ではまた明日」
警察官はそう言うと部屋を出た。
鋭剣は考えた。
もし自分が原因で悪魔が来ているのであれば自分はあそこには居られないのでは?もう美桜と重吾の傍に居られないのでは?と。
日付は変わった。
そして今日は大量の血が流れる日になった。