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半人半魔  作者: 上向龍翔
2/11

生き残った2人

ジリリリリ、ジリリリリ。


アラームの音が鳴り響く。


「ん?もう朝か」


彼は寝室を出てテレビを付け、台所に向かう。


手際良く朝ご飯を作り、弁当の準備をする。


彼は柳生鋭剣(やぎゅう えいけん)


あの悪夢から六年が経ち、彼は16歳の高校二年生になった。


「おい美桜、早く起きないと遅刻だぞ」


「うーん、あとちょっとだけ~」


彼女は上村美桜(うえむら みお)


鋭剣の幼なじみであり、あの日の生き残り。


あの日を生き残ったのは、鋭剣と美桜だけ。


「勝手にしろ」


鋭剣はそう言うと弁当の準備の続きをする。


それから数分後、美桜が起きてきた。


鋭剣は弁当の準備を済ませ、朝ご飯を食べていた。


「なんで起こしてくれないの!?」


「起こして起きなかったのはお前だろ」


この二人はいつもこの様なやり取りをする。


(そう言えば今日は…)


鋭剣がふと何かを思い出した瞬間、テレビから何かの特集が始まった。


「そして今日は6月20日、あの"永山村大量殺人失踪事件"から丁度六年が経ちました」


そう、今日はあの日から丁度六年。


「この事件はまだ何一つ手掛かりを掴めていないようですね」


「そうですねぇ、でもこんな事件を人間が起こすなんて考えられないですよねぇ、まるで人外の生物がやったみたいなねぇ」


「この事件で永山村の人口は312人、その内死者96人、行方不明者214人、生存者2人と人間が複数人動いたとしてもこれはどうなんでしょう?」


「複数人動けば可能かも知れませんが、それは行方不明者が居なければですね。この事件から六年経ちましたがまだ1人も見つかっていないですし死体で発見もされていない・・・正直なんとも言えない事件です」


話しはまだ続く。


鋭剣は食器を片付けようと思い台所に向かおうとした。


そこで美桜を見るとガタガタ震えていた。


「生き残りの2人も女の子の方はこの日の記憶を無くし、男の子の方も・・・」


カチッ


鋭剣はテレビを消した。


「大丈夫か?美桜?」


鋭剣が声をかけた事により少し落ち着いたようで、大丈夫と美桜は言葉を返した。


「ならさっさと準備しろ、本当に遅刻するぞ」


「えっ?もっと慰めてよ!」


彼らはあの日以降は施設で暮らしていた。


そして高校入学と同時に村の住人が残したお金を手にし、施設を出てアパートを借りて2人で生活をしている。


美桜の準備が出来て家を出る時、鋭剣は袋に入った長いものを手にした。


「やっぱりそれは持っていくんだね」


「奴らがいつ現れるかわからないからな」


あの日から六年。


この日から鋭剣の復讐が始まる。


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