初仕事
電話をかけてきたのは警察署長の西門だった。
「こんばんは。今どこにいる?」
鋭剣はショッピングモールに居ると伝えた。
「丁度良かった。今そこで武器を持って立てこもっている奴がいる。君の力で解決してくれないか?」
初仕事の依頼だった。
確かに武器を持っているのであれば負傷者が出る可能性がある。
鋭剣は承諾した。
「誰から?」
そう聞いてきた美桜に事情を話して刀を預け、鋭剣は3階のフードコートに向かう。
顔を見られる訳にはいかないと思った鋭剣は人のいない店からとある仮面と刀に似た形状の武器を手に取り向かった。
〜3階フードコート〜
フードコートには多くの警察官がいた。
事情を話して鋭剣は犯人の元へ向かう。
「相手は武器を持っているんだろ?後俺の事情もあるから撤退してくれ」
鋭剣がそう言うと警察官は素直にその場を離れた。
多分西門から鋭剣の指示に従うように言われていたのだろう。
そして鋭剣は犯人と対峙する。
「なんだお前?警察か?てかその仮面なんだよ!」
鋭剣が着けていた仮面は祭りの屋台などでよく見かけるひょっとこの仮面だった。
犯人は物凄く笑っているが鋭剣はなんとも思わない。
「なぜこんな事をした?」
「この子が可愛いからだよ。さあ僕の天使?僕と一緒に楽しもうじゃないか」
人質は女性のようだ。
だが鋭剣は違和感を感じた。
「待て、その人は"男"だぞ?」
確かに見た目は女性と間違えそうだが、よく見れば男性の顔立ちだった。
「だから僕は男だって言ってるじゃないですか!」
人質の男性はずっと自分が男だと言っていたようだが犯人はずっとそんな筈が無いと思い込んでいたようだ。
「男の子だと……でもいい!男の子だとしてもこの子は"男の娘"だ!僕は可愛い子なら性別を問わない!」
犯人は余程の変態みたいだ。
これ以上話しても意味が無いと考えた鋭剣は実力行使に出ようとした……が。
「来んじゃねぇ!」
犯人は拳銃を取り出した。
しかし鋭剣に動揺は無い。
むしろ犯人を挑発していく。
頭に血が上った犯人は鋭剣に向かって発砲した。
しかし鋭剣は魔力を使い刀に似た形状の武器で防ぐ。
これには流石の犯人も動揺を隠せない。
「お前には何も出来ない。さっさと自首しろ」
すると犯人はナイフを取り出し人質に向ける。
「来んな!じゃないと殺すぞ!」
すると鋭剣は人間の目には止まらないほどのスピードで犯人の背後に回り込み攻撃を加え、犯人を気絶させた。
鋭剣は西門に連絡し、その後警察官が駆けつける。
鋭剣は見事初仕事を成功した。
悪魔討伐に警察の手伝い。
日々多忙な鋭剣にはこの先何が待っているのか。
それはおそらく……。