すべてのはじまり
燃え盛る村。
大量の死体。
目の前に立つ、人外の化け物。
「悪…魔」
彼は人外の化け物を"悪魔"と呼んだ。
悪魔は五体。
この悪魔達が平穏な生活を送っていた永山村の住人達を殺した。
この悪魔達が平穏な生活を地獄へと変えた。
「・・せ!・・・は俺が・・・・やる!」
彼は意識が朦朧としていて、悪魔達の会話がよく聞き取れない。
「落ち・・!今のこいつは・・・・・・に・・・ている!逃げるなら今だ!」
「そうだ!・・・・なら・・しただろ!」
悪魔達は話し合い、逃亡を開始した。
(逃げる?ふざけるな!お前達は…俺が!今ここで…!)
彼は必死に手を伸ばす。
だが、体が全く動かない。
「お前はいつか俺が・・・・・・・!待ってろよ・・ン!」
一体の悪魔がそう言い、悪魔達は居なくなった。
すると、彼の前で倒れていた人が動き出した。
「鋭剣…無事か…?」
この人は彼の父、柳生豪剣。
彼は一瞬安心したが、よく見ると右腕と左脚は切断されており、声にもだんだん力が無くなり、むしろ生きているのが、奇跡とも言える状態だった。
「鋭剣…そこに美桜ちゃんが倒れているだろ?多分…生きている。私が腕と脚を斬られたのを見て、ショックで倒れている…だけだと思う。」
上村美桜。
彼の幼なじみ。
確かに息はしている。
「私はもう…ダメだ…。だが!最後に鋭剣に伝えたい事がある…。私はお前が憎い…でもそれ以上に…」