異端三國志 第31回から第35回
ゲントクケイシュウ ヨ
31.玄徳荊州に依る
ソウソウ エンショウ
さても、曹操は袁紹の敗北につけこんで、逃げる後を追いかけて行く。
袁紹は着のみ着のまま800騎を引き連れて逃げて行く。
ショウギホ キシュウ
そこで、蒋義渠と落ちあい冀州へ落ち延びて行った。
デンホウ
袁紹「嗚呼、田豊の言う事を聞いておれば・・・。」
ホウキ
逢紀「田豊め、『其れ見た事か』と大笑いしているとか。」
袁紹「ワナワナゆるせん。殺せ。」
逢紀「(ニヤリ)」
ベツガ
役人「別駕殿、お祝い申し上げます。」
田豊「何ゆえだ?」
役人「袁将軍は大敗して帰って来ました。きっと貴方を重く取り立てるでしょう。」
田豊「嗚呼、私の死ぬ時が来た。」
役人「何故です。」
田豊「あの狭量な袁紹の事。勝てばうれしさのあまり、許す事は会っても、負けれ
ばあらぬ讒言を吹き込まれとても生きておられぬであろう。」
使者「将軍が首を差し出せとのおおせだ。」
田豊「ほら、来た。言われなくても差しだそう。今となっては私に主君を見る眼が
無かった事を恨むのみ。」
役人「(;_;)」
田豊の死を聞いて、悲しまない者はいなかったと言う。
シンパイ
いや、逢紀や審配の類は喜んだに違いない。
一方袁紹は敗戦に塞ぎ込んで政治に心を砕くどころではなかった。
エンタン ケンシ エンキ ケンエキ エンショウ ケンホ
袁紹の息子は三人いて、袁譚・顕思、袁煕・顕奕、袁尚・顕甫である。
中でも末子の袁尚を可愛がっていた。
そこで袁紹の妻劉氏は我が子袁尚を後嗣にするようすすめた。
シンピョウ カクト
審配と逢紀は袁尚の守り役で、辛評と郭図は袁譚の守り役であったから互いに自
分の主人をもり立てようとした。
袁紹「今の内に後の主を決めねばなるまい。長男の譚は気が強すぎていけない。次
男の煕は気が弱すぎる。三男の尚はわしに似て英雄の相が有る。三男を後継ぎ
にしようと思うのだが。」
辛評「(似てちゃ困るって。)」
郭図「いや、長男殿は今遠方にいて、その話を聞いたら反乱を起すでしょう。
それよりも、今は敵を防ぐ手だてを考えるべきじゃないかな(^o^)」
袁紹「じゃあ、どうしようかな。」
うろうろうろうろうろうろうろうろうろうろ
うろうろうろうろうろうろうろうろうろうろ
うろうろうろうろうろうろうろうろうろうろ
うろうろうろうろうろうろうろうろうろうろ
うろうろうろうろうろうろうろうろうろうろ
ユウシュウ セイシュウ コウカン
と袁紹がうろうろしていると、袁煕が幽州から、袁譚が青州から、おいの高幹が
ヘイシュウ
并州からそれぞれ兵を率いて冀州に到着したと知らせがあった。
そこで袁紹はもう一度曹操と雌雄を決しようと思った。
そのころ曹操は河水の岸に兵を駐屯していた。
老人「丞相様。ご機嫌うるわしふ。」
曹操「ご老体殿は何歳になられるかな?」
老人「みな百歳ぐらいになります。中には14歳とか言うて、200を越える様な
者もおりますが。」
曹操「じゅうよんさいちゅ~に(^_^)v」
老人「何でせうか?」
曹操「何でもないY(゜゜;y
我が軍隊がご老体殿らの土地を騒がせてもうしわけないと思う。」
インキ
老人「ゐゑゐゑ。50年程前、殷馗と申す者がこの地を訪れたをり、『50年後に
リョウ ハイ
天命を受けた者が梁・沛の地に現れ、誰もかなう者はない』と申しました。今
年はちやうど50年目です。」
曹操「(程前なのに、ちょうどなのだろうか・・・。)」
老人「袁本初様は税金が重く、政治も無能で民は皆恨んでゐます。丞相様が兵を起
し、無道の者を討つて、官渡の戦いで百万の兵を打ち破つたのは全く予言通り
でござゐます。」
曹操「いやいや、それは言い過ぎだ(^_^)」
曹操は、軍紀を引き締めたので、軍民とも心服しない者はなかった。
そこで袁紹が来たので曹操は兵を率いて迎え討った。
曹操「いい加減に、無能を認めて降参したら良かろう。」
袁紹「誰が無能か、誰か出よ。」
エンショウ ジョコウ シカン
すると袁尚が駆け出した。曹操の軍からは徐晃の部下史渙が出たがやられる。
曹操「やはり、雑魚将軍では駄目だな。」
両軍あいみだれるも勝負は決せず日がくれる。
曹操「どうして打ち破ろうか?」
テイイク
程いく「10隊の伏兵を置き、本隊をわざと河水まで後退させます。そこで、反撃
すれば勝利は間違い無いでしょう。」
曹操「島津が得意とした釣り野伏の応用だな。」
程いく「あの~、何時の時代の話を・・・・。」
曹操「気にするな(^^;
名付けてなんと言う?」
程いく「名付けて『十面ボーナス』」
曹操「十面埋伏ではないのか?」
程いく「そうとも言います。」
カコウトン チョウリョウ リテン ガクシン カコウエン ソウコウ チョウコウ ジョコウ ウキン コウラン
左に夏侯惇、張遼、李典、楽進、夏侯淵、右に曹洪、張こう、徐晃、于禁、高覧
キョチョ
を伏兵し、後詰めに曹操が、許ちょを先手とした。
夜半、曹操は許ちょに前進を命令した。
許ちょ「全軍突撃~。」
袁紹軍は反撃をする。
許ちょ「全軍後退~。」
袁紹「追え、追え~。」
逃げる許ちょ、追う袁紹。
袁紹「この勝利の感触。何試合ぶりであろう。」
許ちょ「そろそろ河が見える。」
曹操「全軍、守れ。私もここにいるぞ。力を合わせて敵を撃退するのだ。
河の流れは冷たいけれど 僕等の心は暖かい。
みんなで力を合わせれば できない事などきっと無いさ。
さあ、立ち上がろ~うよ あの空に向かって~
いつも、夢見ているんだ 流れ星のように~」
許ちょ「誰の歌ですか?」
曹操「今、私が作ったのだ(^^;」
許ちょ「お上手です。」
曹操「そうか?二番もあるぞ。聞かせてやろうか?」
許ちょ「それがし、敵を倒して来ますので・・・。
おうりゃ~。」
曹操「体よく逃げたな。」
許ちょの突進で敵将10人余りなぎ倒されて、袁紹軍は崩れ去る。
袁紹「これはいかん。退却。」
すると、夏侯淵、高覧が左右から攻めかかる。袁紹、その息子、おい共にほうほ
うに血路を開き、ようやく逃げ出す。
袁紹「わしなら、ここに伏兵を仕掛けて置くな。それをおかぬとは。」
袁譚「父上滅多な事を言わぬ方が。」
すると、楽進、于禁が攻め寄せて来る。
以下三回繰り返す。
袁紹軍の兵士は累々に屍の山を作る。
袁紹「さすがにもう来ないだろう。何故こんな目に会うの(T_T)」
袁煕「父上(;_;)」
袁譚「あう(T_T)」
袁尚「(T_T)(;_;)」
袁紹「(T_T)(;_;)(T_T)」
以下永遠に続く・・・。<おいおい
袁紹「かはっ。」
袁尚「父上!?どうなされました。」
袁紹の口から鮮血一斗ほとばしる。
兵士A「将軍。しっかり。(献血すれば、ああもったいない。)」
兵士B「袁紹ちゃちゃちゃ。」
袁紹「何故、天は同じ時代に曹操を生み、私を生んだのか。」
兵士A「(全然比較にならんぞ。)」
袁紹「そなたらは、州に帰り、曹操に復習するのだ。」
袁尚「復習ですか?」
袁紹「復讐だ。」
そこで、各人各州に引き上げた。
曹操「そうか袁紹は病に倒れ、兵は引き上げたか。」
程いく「ここは、一気に冀州を攻め落としましょう。」
曹操「いや、今は収穫の季節ならば、(早く帰って無農薬野菜を楽しみたい!!)
あえて攻めて、それを踏みにじる事もあるまい。民の事を考えればなおさらの
事。」
程いく「さすがは殿。いつも民の事を考えている。」
曹操「冀州は容易には落ちぬ。収穫が終わってから攻めても遅くは無いであろう。」
ジュンイク
使者「荀いく殿より、手紙が。」
曹操「『・・・・』何も書いていないぞ?これは謎解きなのか?」
程いく「殿、表裏逆でございます。」
曹操「そうか?そういう謎だったのかY(゜゜;y
ジョナン リュウビ キョショウ
『汝南を手に入れた劉備が許昌を着こうとしています。至急帰られたし。』
ちょうど、良い時に着た。すぐに戻るとしよう。」
その頃の劉備。
劉備「曹操のいない許昌など赤子の手をひねるに等しいわ。それ攻めるぞ。」
チョウウン
趙雲「殿。あれは?」
チョウヒ
張飛「曹操の旗ですぜ。」
劉備「ははは、急いで来たからには、兵も疲労しておろう。攻めるぞ。」
さて、劉備は曹操に勝った。
劉備「勝った、曹操に勝ったぞ(;_;)
苦節二十年。曹操に勝つ事を夢見ていたが、やっと勝つ事ができた。」
カンウ
関羽「兄上(;_;)」
張飛「兄貴ぃ。」
趙雲「主君。こんなにうれしい事はありませぬ(;_;)」
劉備「ははは、曹操ごとき敵ではないわ。」
関羽「滅多な事は言わぬ方が、どうせ曹操の事です。良からぬ事でも考えている事
でしょうし。」
劉備「ははは、敵では無いわ、敵では無いわ、敵では(がくっ)」
関羽「兄上。」
劉備「ふがふが、余りに笑いしゅぎて、あぎょがはじゅれた。」
曹操の兵は固く守って攻める気配も見せない。
すると、曹操に汝南の城が攻められているとの報があった。
劉備「(゜o゜;」
関羽「やはり、その様な企みがあったのか。」
劉備「(゜o゜;雲長。汝南へ救援に行け。」
半日過ぎず。今度は陥落したとの報があった。
劉備「(゜o゜;;勝てぬ、退却するぞ。」
劉備軍は血路を開いて撤退を始める。
ほうほうのていで包囲を破り、落ち延びる。
劉備「また、本拠地を失ってしまった。諸君等は才能有りながら、私の様な凡人に
良くついていてくれる。何故、もっと良い君主を探して才能をいかさないと思
わぬか?」
ソンケン
孫乾「(充分非凡だと思うのだが・・・。)」
関羽「兄上。突然、何を言い出すのです。この20年苦楽を共にして来たと言うの
に今更何を弱音を言うのです。このような時、いつもは強がりを言っていたの
ではござらぬか?」
劉備「本拠を失ってしまった以上、また幼稚園バス乗っ取りからコツコツとやって
行かねばならないのだぞ。」
リュウケイショウ
孫乾「(おいおい)ここからほどない荊州に劉景升(劉表)がおられるゆえ、そこ
に身を寄せれば良いでしょう。それがし、先に言って解きふせて参りましょう。」
ジョウヨウ リュウヒョウ
ここに居るは襄陽の劉表。
孫乾「玄徳殿は、国家を救わんとする英雄でございます。今、曹操に破れ、それが
し、孫権の元に落ち延びようとするものを『否』と申し、『荊州には『同族』
の 劉景升殿がおられる。何故『同族』を捨てて、揚州に落ち延びるのでしょ
うか?劉景升殿と言えば、『賢者』を大切にし、人材も豊富な『人徳者』です。
それになにより『同族』の誼があるではありませぬか?』と申し、こうして、
使者に赴いた訳です。」
劉表「劉玄徳殿と言えば、弟御同然。是非会いたい物である。」
サイボウ
蔡瑁「それはなりませぬ。劉備は呂布に従い裏切り、次に曹操に従い裏切り、そし
てまた、袁紹に従い裏切ったのですぞ。そんな者を率いれるならば、あの孫乾
の首を切り、送り付ければ曹操も喜ぶでしょう。」
孫乾「ははは、劉備殿は、帝室と『同族』ゆえ、親殺しの呂布や逆賊曹操、忠義の
諌めを聞かぬ袁紹とは違いまする。誠に『帝室』に忠義をつくす忠臣です。か
ような『帝室』を重んじる『同族』がいつまでも道を知らぬ者の下におれる
でしょうか?」
劉表「わしの心は決まった。劉玄徳殿を迎え入れるぞ。」
こうして、劉備は劉表に迎え入れられた。
曹操「相変わらず悪運の強い奴め。今度は劉表の元へいったか?」
程いく「まだ、袁紹の根を立ち切った訳では有りませんし、そちらを先にした方が
良いでしょう。」
曹操「劉備は雑草だから、いくら焼いても蘇るが、袁紹は大木には違いないが、燃
やしてしまえばそれまでか。」
袁紹は病を発して闘病していたが、だんだん快方に向かっていた。そこで性懲り
も無く兵を上げようと考えた。
シンパイ
審配「まだ、去年の傷が癒えていませんし、無理なさらない方が賢明かと。」
すると、曹操が官渡に兵を出したと言う知らせが入った。
袁紹「曹操め、性懲りもなく。」
袁尚「父上はまだ病気が癒えていないので、無理なさらずに。私が代わりに遠征し
ましょう。
袁紹「(さすが、目をかけた子だけはあるわ。)」
32.袁兄弟争う
エンショウ シカン エンタン レイヨウ
袁尚は、史渙を打ち破ってから己の武勇に頼み、袁譚らの到着を待たずに黎陽に
遠征を行った。
チョウリョウ
相対するは張遼。
袁尚「張遼。かかって来い。」
張遼「小僧。雑魚大将を倒したからと言って威張るのではない。行くぞ。」
と鉾を交えるは三合。受け切れなくなって袁尚は逃げる。それを追う張遼。袁尚
の軍は支え切れずに敗走し、袁尚は冀州に逃げ返った。
袁紹は、敗戦の報を聞くや、「あっ」と声を放つと血を吐いて倒れた。
劉夫人は慌てて寝室に運び込んだが、重体で余命幾許かと思えたので、審配、逢
紀を呼んで、後継者について話し会う事にした。
劉夫人「後継者は誰になさるのですか?」
袁紹「う~。う~。(お湯をくれ。お湯をくれ。)」
劉夫人「うなってばかりでは解りませぬ。袁尚でよろしいですね。」
袁紹「う~。う~。(早くお湯、お湯。)」
劉夫人「主人はよろしいと申しておりますわ。」
シンパイ
審配「それでは、それがしが遺言書をしたためましょう。」
袁紹「う~。う~。うっ(お湯、お湯・・・・。)がふっ。」
ホウキ
逢紀「ご臨終の様です。」
劉夫人「あなた~(T_T)」
審配「後はそれがしが何とかしましょう。」
劉夫人「私もこうしてはいられませんわ。」
妾A「劉夫人様何をなさるのです。」
劉夫人「主人が寂しがっていますわ。ご同行願えないかしら?」
妾A「あっ、何をなさるのです。行けません、行けません。」
劉夫人「ふふ、あら、こんなに感じてるのね。貴方ってレズでMだったのかしら?
でも貴方には主人とご一緒してもらわないと行けませんわ。」
妾A「おやめください。」
劉夫人「ええい。問答無用。」
妾A「きゃあ。」
以下4回ループ。
返り血を浴びながら劉夫人。
劉夫人「ふふ、やっぱり血は殺したてが一番ね。
Y(゜゜;yこうしてはいられないわ。死んでも主人と顔を合わせられないよう
にしないと。どんなお薬で顔を焼いたら良いかしら?
その前に、身体もばらばらにしておかないと。
ふふ、今夜は楽・し・み(^-^)」
袁尚「母上?何をなされているのです?」
劉夫人「尚やいつからいたの?
ふふふ、私って死体をみると感じる癖があるのかしら?
ほら、こんなに濡れちゃってる。」
袁尚「母上、これはこのような小説ではありません。本来ならP~で埋めつくされ
るのですから。」
劉夫人「あら、尚ったら冷たいのね。来ないだあんなに強く抱いてくれたのは嘘だ
って言うの?」
袁尚「だから、母子相姦な話は・・・・。いや、母上がこのように妾を殺したと有
っては、親族がだまっておりますまい。処理して参ります。」
劉夫人「まあ、尚ったら冷たいのね。」
その頃兄、青州の袁譚は、兵を発しようとしていた。
袁譚「父上が亡くなったのか?」
カクト
郭図「きっと、殿は冀州にいなかったので、審配らは弟御(袁尚)を立てたに違い
有りません。早く行くべきでしょう。」
シンピョウ
辛評「あの二人の事です。良からぬ事を企んでいるに違い有りません。迂闊に動く
と毒手にかかるでしょう。」
袁譚「中国二千年の歴史の暗殺でも一番陰湿と言われている毒手にか?
ではどうしたらいいのか?」
郭図「兵を城外に置き、取り敢えず様子を見れば良いんじゃないでしょうか(^o^;
それがし、様子を見て参りましょう。」
郭図は冀州城に入城し、袁尚に挨拶した。
袁尚「兄上はどうなされた?」
郭図「軍中で(迂闊に中に入るとひどい目に会うかも知れないから困っちゃうよ)
病にかかっておりますので。」
シャキショウグン
袁尚「私は父上の遺言によって後を継いだのだが、兄上には車騎将軍になっていた
だき、先鋒賜りたい。私が後詰をする。」
シンセイナン ホウゲント
郭図「それがしの軍には相談役がおりませぬ。審正南(審配)殿か、逢元図殿をお
かし願いたい。」
袁尚「それはちと困る。私の軍にも(夜の)お相手が必要だ。」
郭図「それではどちらかひとりでも?」
袁尚「う~ん。(三人いないと面白くないのだが?)では、くじびきで決めさせよ
う。と言う訳でくじをひけ。」
審配「はっ。」
逢紀「はっ。当たりもう一本です。」
袁尚「では逢紀に言ってもらおう。」
逢紀は郭図に連れられて袁譚の陣に言った。
袁譚「これはなんだ?」
逢紀「遺言で顕甫(袁尚)様が大将軍になられ、殿には車騎将軍に命ずると言う印
です。」
袁譚「何故、弟に命令されなければならぬのか!!」
郭図「殿、父上の遺言ですから(^o^;」
袁譚「そ、そうか?」
郭図「我が陣に逢紀を留めたのは計略です。今は曹操が来ているゆえ、力を合わせ
るべきです。冀州は後から取り返しても遅くはないでしょう(^o^;」
かくして、黎陽に向かった。
オウショウ
袁譚は、大将汪昭を出し、曹操は徐晃を出した。
ネームバリューから見ても勝負は見えていたが、やはり、あっさりついた。
汪昭「科白ぐらい言わせてよ(;_;)」
徐晃「雑魚は雑魚らしく死ね。」
袁譚は黎陽の城に篭り、袁尚に救援を求めた。
袁尚は5000の兵を送ったが、楽進・李典に撃退される。
袁譚「袁尚め。兵を出しおしみやがって。」
逢紀「それがしが言って、救援を求めて来ましょう。」
逢紀は手紙をしたため、使者を冀州に送った。
袁尚「どうするべきか?」
審配「袁譚はどうでも良いのですが、郭図は知謀多きものゆえ曹操を撃退すれば冀
州を狙うでしょう。ここは、曹操に滅ぼさせるのが良いかと。」
使者がてぶらで帰って来たので袁譚は怒り、
袁譚「それなら、逢紀を切って曹操に降参するまで。」
その事はすぐに、間者の手によって袁尚にもらされた。
審配「今、間者からの糸電話によると袁譚が曹操に降参しようとしているようです。」
袁尚「そんなに長い糸電話があるのか?」
審配「我が叡智の結集です。」
袁尚「(それよりもっと他の事に回せ。)
袁譚が、曹操に降ったらそれこそ冀州は危うかろう。審配は城を固めよ。」
審配「はっ。」
袁尚は3万の兵を率いて黎陽に進軍した。袁煕、高幹も幽・并から兵を率いて着
し、曹操と度々交戦したがその度に負けた。曹操は各個撃破して大勝を納め袁尚ら
は黎陽を放棄して退却した。曹操は冀州まで追撃した。
袁譚、袁尚は堅く城を守り、袁煕、高幹は離れたところに陣を張り虚勢を張って
いた。
曹操「冀州は落ちぬか?」
郭嘉「袁兄弟は今が危急の時ゆえ結託しておりますが、一度危機が過ぎれば争いを
始めましょう。しばらく様子見で兵を引き劉表を攻めなされ。いずれ変事を起
すでしょう。」
チョウシボウ
曹操「さすがは、張子房。冴えておる。」
郭嘉「こちらの方も冴えております。」
曹操「私は今は萎えておる。」
郭嘉「(;_;)」
かくして、賈くに黎陽を預け、曹洪に官渡を守らせ曹操は軍を引き、南へ向けた。
袁譚と袁尚は互いに喜んだがそれも同床異夢。
袁煕、高幹は帰ったものの袁譚は不満でならなかった。
袁譚「そもそも年の功から言えば私が後を継いでいたはずだ。」
郭図「ならば、酒宴に呼び寄せて後ろからばっさりと。」
袁譚「斬った後は、ゴミ捨て場へぽいだな。」
郭図「ちりがみ交換に出しましょう。今はリサイクルが風潮ですし(^o^;」
袁譚「何時の時代の話だ・・・。」
ベツガ オウシュウ
ちょうど、別駕の王修と言うものがやって来たので、尋ねて見た。
王修「兄弟と言うものは左右の手のようなものです。もし女を手込めにする時、自
分のいちもつを切り取って押し倒したとて何になりましょうぞ?今は兄弟力を
合わせて天下に望む時では無いでしょうか?つまらぬ小人の意見などに耳を貸
している時ではないでしょう。」
袁譚「もうよい。お前に聞いたのが間違いであったわ。」
袁尚「兄上から戦勝の酒宴を催したいから来てくれと。」
審配「今回の戦決して勝った訳では無いでしょう。郭図の計略に違い有りますまい。
迂闊に出れば殺されてしまうでしょう。この機に攻め滅ぼしてしまいなさい。」
袁尚は5万の兵を率いて、袁譚を攻撃した。
ハカリゴト
袁譚も謀がばれたのに気付き応戦した。
袁譚「父を毒殺して、爵位を手に入れた上、兄まで殺す気か?」
袁尚「毒殺したのは母上だい。」
袁譚「誰であろうとかまわん。」
袁尚と袁譚は打ち合ったが袁譚は大敗し、平原の城に逃げ込んだ。
シンヘキ
袁尚が一回冀州に引いたので、袁譚は岑壁を大将にして今一度冀州を攻めようと
した。
リョコウ
袁尚は呂曠を送った。岑壁は打ち合うが数合で切り殺されたので袁譚は敗北し、
兵を引き上げた。
袁尚は平原を攻め、袁譚は城を固く守って取り会わない。
郭図「こうなったら、曹操に降伏を申し入れるしかないでしょう。」
袁譚「それで受け入れてくれるのか?」
シンピ サジ
郭図「辛評の弟に辛毘・左治と言うものがおりますので、それを使わせましょう。」
注:辛毘の字は若干違う。
その頃、曹操は劉表と当たっていたが、劉表は劉備を先手とし両軍まだ争ってい
なかった。
そこに辛毘が来た。
曹操「袁譚が降伏すると?」
程いく「袁譚は、袁尚に攻められ仕方なく降伏したに違い有りません。とても、信
用するには足りぬでしょう。」
リョケン
呂虔「劉表は強大ですからこちらを先に当たるべきかと?」
マンチョウ
満寵「せっかくここまで来たと言うのに、わざわざ引き返すのですか?(めんどい)」
ジュンユウ
荀攸「いやいや、劉表は江水、漢水を守って動かないのは野望の無い証拠。それよ
り、袁兄弟が力を合わせれば強大となり、御し難くなるでしょう。千載一遇の
好機ですぞ。」
そこで、曹操、辛毘を呼び出して問うには、
曹操「袁譚の降伏は偽りか?本心か?」
辛毘「今更、偽りも本心もないでしょう。濡れてに泡で袁尚が冀州をやると言って
いるのにそれをわざわざ、荊州でお遊びになられますか?その間に袁尚が袁譚
を滅ぼせば、敵し難くなるでしょう。」
曹操「左治殿にあって、目から鱗が取れたようじゃ。」
『ぽろっ』
辛毘「それは?」
曹操「どうやら目から取れた鱗の様だな、額縁に入れて飾って置くか。」
袁尚「まもなく、この城も落ちるな?曹操でも来ない限り。」
ウ ワ サ ヲ ス レ バカ ゲ
審配「滅多な事は申されますな?説到曹操、曹操就来と申しますし・・・。」
物見「あっ、曹操だ!」
リョコウ リョショウ
袁尚「それ、逃げろ。呂曠、呂翔任せた。」
呂曠「主君は見捨てて逃げられた(;_;)」
袁譚「私は、そなたらを祖略に扱った覚えは無いぞ?それなのに弟について攻めて
参るのか?」
呂曠「降参しま~す。」
袁譚「いや、丞相に降るが良い。」
そして、袁譚は曹操が来るのを待った。
曹操「ご苦労であった。娘をそちにやる事にしよう。」
袁譚「年齢はいかほどで?」
曹操「そろそろ12かな?」
袁譚「(^_^)では早速、奇襲を攻めましょう。」
曹操「まだ、兵糧が来ぬゆえ、それが来るのを待ってもいいだろう。」
曹操は一度黎陽まで軍を引いた。
郭図「曹操が殿と娘を婚約させたのは本心では無いでしょうな(^o^;
呂曠、呂翔を連れて行ったのも、河北の民をなびかせる為でしょう。
殿は二人に将軍の印を渡し、袁尚を破った後は隙を見て内通し、これを滅ぼ
せば良いんじゃないかな(^o^)」
印を受け取った、二人はこの事を曹操に告げた。
曹操「は、袁譚め?このようなイモ判を将軍印とぬかすとは。」
呂曠「しかも、左右反対に彫っておりません。」
曹操「取り敢えず、受け取っておけ。私にも考えが有る。」
そこへ、袁尚が平原に袁譚を攻めたとの報が入る。
曹操「我が意を得たり。」
キョユウ
許攸「丞相、何時まで、袁兄弟の上に雷が落ちるのを待っているのですか?」
曹操「いやいや、雷は落ちるのでは無い、落とすのだ。
『我が守護木星よ、嵐を起こせ、雲を呼べ、雷を降らせよ!』」
許攸「丞相の守護は土では無いのですかな?」
曹操「細かい事は気にするでない。」
曹洪に命じて冀州を攻めさせた。
曹操は張遼を先発に邯鄲へ向かい、これをくだして帰順させた後曹洪と合流した。
曹操は冀州を包囲して、袁尚の帰るを待った。
袁尚「早く引き返せねば。」
馬延「曹操は街道に伏兵しているのでしょう。小路を通り、これを奇襲すれば勝て
るに違いない。」
袁尚「曹操は偽り多い奴、そうしよう。」
曹操「偽り多くなんか無いやい。いつも本気だ。」
袁尚「ならもっと達が悪い。あれ\(゜ロ\)(/ロ゜)/」
使者「袁尚が戻って参ります。」
ソウコウ
曹洪「『帰る師を討たず』と申します。軍の財産は城にあるためこれを攻めれば、
死にもの狂いで戦うでしょう。」
曹操「(家族では無く財産と言うところが、曹洪らしい・・・。)
袁尚が街道を通れば、取りあわぬが小路を通って来れば一戦で虜にしよう。」
曹洪「いくら懸けます?」
曹操「そちが勝ったら、それがしのプロマイドを渡そう。」
曹洪「(はう、丞相の貞操の方が良いのに(;_;))では丞相が勝ちましたら、関羽
殿のサインを差し上げましょう。」
曹操「欲しい!何時の間に手に入れたのだ?」
カコウエン
曹洪「内緒です。(まさか、夏侯淵を通じて従妹に貰って来させたとは言えぬ。)」
使者「袁尚は小路を使った様です。」
曹操「そらきた。雲長殿のサインは私がいただくぞ。」
その夜袁尚の合図を見た審配は、降参と偽り、精兵を出して曹操を挟撃する策を
取る事にした。
次の日、審配は『冀州の城降伏します』との立て札を立て、老人子供を外に出さ
せた。
曹操「そなたたちが、飢えていたのは知っている。私は、できればそなた達を争い
に巻き込みたくはないのだ。下がるがよい。食はたんとあるぞ。」
曹洪「俗に言う、干殺しですね?」
曹操「私はそこまで極悪ではないぞ。」
およそ数万の市民が出た後、冀州の精兵が討って出た。しかし、曹操はあらかじ
め用意してあったのでこれを容易に撃退した。
返す掌で袁尚を散々に打ち破った。袁尚は降伏を申し出たがはねのけ、さらに散
々に討ったので袁尚は中山まで落ち延びた。
曹操「冀州城を落とすか。」
許攸「河の水を引いて水攻めにするのは如何かな?」
曹操「そして舟遊びにでも興じるのか?」
許攸「いいですな、少女数人ばかり・・・。」
曹操は兵卒に命じて、堀を掘らせたが、
審配「あの様な浅い堀で河の水が引けるものか?」
と審配は高みの見物を決め込んだ。
曹操は、その隙を縫って一気に十倍の人夫を持って掘らせたので、その日の朝ま
でには掘り上がった。
城は水びたしである。
城外では、辛毘がやりに袁尚の衣服を引っ掛けて、「降参しろ、降参しろ」音頭
を踊っていた。
審配は激怒し、辛毘の一族を皆殺しにした。
辛毘「(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)」
シンエイ
その事を知った審配の甥審栄は矢で手紙を送り、辛毘はそれを受けとった。
その夜審栄は密かに西門を開けたので、冀州は落ち、審配は虜となった。
辛毘「この死にぞこないめ
(`_')/~~~~ピシー!ピシー!
(`_')/~~~~ピシー!ピシー!
はぁはぁはぁはぁ。」
こうして、審配は死んだ。
ソウヒ シカン
さて、開門した冀州にのらりと人影が、その名も曹丕・子桓。18歳。
曹操の次男(正嫡の長男)である。
他の者など眼もくれず、まっすぐ袁紹の屋敷めがけて行く。
すると、二人の女が抱きあっているのが目に入った。
33.曹丕人妻に欲情する。
曹丕「おまえらレズかぁ。」
劉夫人「私は、袁将軍の妻劉氏です。」
曹丕「そっちは?」
劉夫人「これは次男袁煕の妻甄氏です。」
曹丕「どれ、おもてをあげて見よ。*^_^*」
シンシ
甄氏「顔に何か?」
曹丕「(う、美しい、へろへろ。)
わ、私はそ、曹丞相の子である。義母上、お、おまえの家族は保護してやる。」
ちょうどその頃、曹操は冀州城に入城したところであった。
アマン
許攸「おい阿瞞(曹操の幼名)。それがしがいなければ、この城に入る事は無かっ
たであろう。」
曹操「師匠、その通りです(笑)」
それを聞いた諸将は不満げであった。
曹操は袁紹の屋敷の前まで来ると、
曹操「誰かこの門をくぐったものがいるか?」
将校「若殿様がお出でです。」
曹操「許しも得ず勝手に入るとは、許せぬ。斬れ。」
カクカ
郭嘉「されど若殿様がお出でなくば袁紹一家を無事に保護できなかったでしょう。」
曹操「まぁそれもそうか。」
郭嘉「やけにあっさりしてますね?」
曹操「そうか?」
そこに劉氏と甄氏が出て来て、
劉夫人「若殿様のおかげで助かりました。若殿様の嫁になりとうございます。」
曹操「(う~ん。丕は、おばさん趣味だったのか?)
されど、そなただと年齢が不釣り合いでは無いか?」
劉夫人「と申しているのはこちらの娘でございます。」
曹丕「(ぼ~、へろへろ。)」
甄氏「甄氏でございます。」
曹操「(なるほどこっちの事か(^^;
確かに奇麗だが、私の守備範囲ではない。)
なるほど、せがれの嫁にふさわしいな。」
注:曹丕は187年、甄氏は182年のうまれ。
その後、曹操は袁紹の墓参りに行き、
曹操「昔、本初殿(袁紹)とはたあげしたとき、
『事がならなかった時はどうするか?』
と聞かれ、それがしは
『足下はどうなさる』
と言い、本初殿は
『(やはり女は)南は河水を境とし、北は燕国の要害を頼みとして、北のえ
びす(の女に)まで手につけて、南に向かって天下(美女)を争いたいと思う。』
と答え、それがしが
『天下(美少女)を知力に頼み(で落とし)、道を持ってこれ
を制すれ(たらし込め)ば、領はどこにあろうとかまわぬ。』
と答えた事が昨日のように思える。思えば今は本初殿は亡く、(その事につ
いて語りあえぬ事が)残念でならない。」
と泣いたので感服しないものは無かった。
曹操は1年冀州の祖税を免除し、勝利を上奏して冀州の牧を兼任した。
あくる日、許ちょが門をくぐろうとしたとき、
許攸「そなたらも。それがしがいなければ、この城に入る事は無かったであろう。」
許ちょ「我等は、命を懸けて戦い城を奪ったのだぞ。それを何故大口をたたく。」
許攸「それは狗の功に過ぎない。」
許ちょ「許せぬ。」
ばさっ。
許ちょ「死ね。」
許攸「斬る前に言ってよ(;_;)」
許ちょ「許攸が無礼を働いたので斬り捨てました。」
曹操「許攸は私の旧友であり、師匠であるから、冗談言ったまでだ。何故殺す?」
冀州を平定した曹操は、袁譚の様子を探らせた。
カンリョウ アンペイ ボッカイ カカン チュウザン
袁譚は、甘陵、安平、渤海、河間を荒らしていたが、袁尚が中山にたてこもった
とみるとこれに襲いかかった。袁尚は戦意なく幽州に落ち延びた。
袁譚は勢力を糾合すると冀州を攻めようとしたので、曹操は婚約を解消し、平原
に攻めかかった。
袁譚は、劉表に救援の手紙を送ったが、
劉表「玄徳殿どう思いますかな?」
劉備「それがしが思うには、曹操は冀州で勢い盛んで強く、この地方も狙っており
ます。それがしでもなかなか勝てないものが、袁兄弟なんぞに勝てるでしょう
か?今は兵を養って守り、援軍を出す時では無いでしょう。」
劉表「ではどうするか?」
劉備「袁兄弟の和解にかこつけて断りましょう。」
これに同意して、劉表は手紙を送った。
その内容は、
『顕思(袁譚)殿、今父の仇敵たるに降伏し、弟御に歯向かっているのは、道に
外れている。もし、これができぬのならいくら兵を送っても無駄な事です。兄弟
相仲良くできれば、援軍など送らなくても容易に敵は倒せるでしょう。』
また、袁尚にあて、
『袁譚は、短気で分別を見失っているが、今は力を合わせて曹操を滅ぼす時であ
ろう。これが第一である。跡取りの話はその後にしても遅くは無かろう。』
袁譚はこれを聞いて援兵が来ぬ事を知ったので、平原を放棄して南皮にたてこも
った。
冬、南皮は寒く凍り付き兵糧船は動かせなかった。
曹操は、地方の民に氷を叩き割れと命令したが住民達はこれを嫌がって逃走した。
曹操は怒り、首を跳ねてしまえと命令したので、住民達は自首して来た。
曹操「今、そなたたちを許せば、法に違う事になる。しかし、自首して来た事を許
さねば道に違う事になる。百数える間に逃げよ、兵士に捕われるではないぞ。」
住民「ありがとうございます。」
曹操「でわ数えるぞ、いち、に、さんしごろくしちはちくじゅ・・・ひゃくっと」
住民「まだ1秒しか立っていません(;_;)」
曹操「冗談だ、じょ~だん。い~~~~ち、に~~~~~・・・・。」
住民「ありがとうございます。ありがとうございます。」
曹操「さ~~~~~~~~~~~~~~~~~ん。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
郭嘉「丞相殿夕飯の時間です。」
曹操「さ~~~~~~~~~~~~~~~~ん
じゅ~~~~~~~~~~~~~~~う。」
郭嘉「丞相殿・・・。」
曹操「いま取り込み中だ。
さ~~~~~~~~~~~~~~~~ん
じゅ~~~~~~~~~~~~~~~う
い~~~~~~~~~~~~~~~~ち。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
カコウトン
夏侯惇「丞相殿、例の件はどうしましょうか?」
曹操「勝手にせよ。いま取り込み中だ。
よ~~~~~~~~~~~~~~~~ん
じゅ~~~~~~~~~~~~~~~う
ご~~~~~~~~~~~~~~~~~。」
夏侯惇「では、あの件はどうしましょうか?」
曹操「勝手にせよ。いま取り込み中だ。
よ~~~~~~~~~~~~~~~~ん
じゅ~~~~~~~~~~~~~~~う
ろ~~~~~~~~~~~~~~~~く。」
夏侯惇「今日はそれがしと寝る日でございますぞ(嘘)*^_^*」
曹操「勝手にせよ。いま取り込み中だ。
よ~~~~~~~~~~~~~~~~ん
じゅ~~~~~~~~~~~~~~~う
し~~~~~~~~~~~~~~~~ち。」
夏侯惇「それでは先に入らせていたきます(^_^)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
曹操「きゅ~~~~~~~~~~~~~~~う
じゅ~~~~~~~~~~~~~~~う
きゅ~~~~~~~~~~~~~~~う。」
夏侯惇「すぴ~、すぴ~。」
曹操「ひゃ~~~~~~~~~~~~~~~く。とやっと終わった。
夏侯惇、どこで寝ているのだ?」
夏侯惇「丞相殿が今日はそれがしと寝るから先に待っていろと・・・。」
曹操「そんな事を言った覚えは無いぞ。」
夏侯惇「いいもん、ひとり寂しく寝るから(;_;)」
ナンピ
曹操は南皮の城を攻め立てたが、袁譚は辛評を使いとして降伏を申し出た。
曹操「袁譚の青二才めが、散々裏切って信用ならぬ。そなたは、すでに弟もいる事
だから、ここに留まって帰らぬがよい。」
辛評「それはひどいお言葉です。私は既に袁家に久しく仕えているもの。それを裏
切れと言うのは・・・。」
曹操「では、滅んでからでも良いぞ。」
袁譚は降伏が受け入れられない事をを聞いて言った。
袁譚「さては弟がいるものだから心変わりしたな。」
辛評「そんな信憑性の無い事を。はぅ。」
どさっ。
郭図「辛評が倒れました。」
袁譚「何も、死なんでも良いのに・・・・。」
郭図「こうなっては勝ち目はありません。百姓を追い立てて最後の決戦を挑みまし
ょう。」
そこで翌日最後の決戦にでたが、両軍必死で勝負がつかない。
そこで、曹操は自ら作詞した、歌を歌いはげましたので、諸将奮い立った。
曹操「僕等はみんな戦ってる 戦っているから殺すんだ
僕等はみんな戦ってる 戦っているから歌うんだ
剣と槍を太陽に ふりかざしてみれば
真っ赤に流れる 敵の血潮
雑兵だって 雑魚大将だって 百姓だって
みんな みんな 殺されるんだ かたきなんだ~。」
袁譚軍は大敗し、袁譚は曹洪と乱戦に討たれ、郭図は楽進に射殺された。
ショウショク チョウナン
配下の焦触と張南は武器を捨てて降参したので曹操は列侯に取り立てた。
曹操は、南皮に入城し住民を安堵させ、袁譚の首をさらし、その前で泣くものが
いれば一族皆殺しにするとした。
郭嘉「これも計略のひとつですか?」
曹操「・・・。」
すると案の定、首の前で泣いているものがいる。
別駕の王修であった。
曹操「そなたは触れを知っているか?」
オウシュウ
王修「知っております。」
曹操「では、何故泣くのだ?」
王修「例え罪を得て放逐されたとしても一度は恩を受けた主君です。その為に例え
罠だと解っていても、かけた網にかかるのは、それは漢の道である。」
曹操「嗚呼、何と河北民には義士が多いのであろう。袁紹が彼等を用いる事ができ
れば私など手も出せなかったであろう。」
曹操は感嘆し袁譚の亡骸を葬り、王修を客として迎えた。
曹操「袁尚はどうすれば、虜にできるだろうか?」
王修「・・・・。」
曹操「嗚呼、義士なりか。郭嘉はどう思うか?」
郭嘉「降将の焦触、張南らに攻めさせれば良いでしょう。」
バエン チョウガイ
そこで曹操は、焦触、張南、呂曠、呂翔、馬延、張がいらを大将に幽州の袁尚、
袁煕を攻めさせ、別に李典、楽進と張燕に命じて并州の高幹を攻めさせた。
幽州の袁尚と袁煕。
袁煕「嫁を奪われたか(;_;)」
袁尚「兄上しっかり。」
袁煕「今頃はきっとP~でP~な事を(;_;)」
袁尚「・・・。」
袁煕「それでもってP~でP~されてP~でP~でP~P~P~P~。」
袁尚「意味が良く解りませぬ。」
袁煕「まだ手を握った事しか無いと言うのに(;_;)」
袁尚「兄上って奥手だったんですね。」
袁煕「(;_;)(;_;)」
そこに、曹操の軍が攻めて来ると聞いて、遼西の烏丸族の元に逃げようとした。
曹操は喜んだが、并州を攻めた李典から高幹が壷関口を堅く守ってやぶれないと
聞いて、自ら進軍した。
曹操「は~やくいこうよ太行山 険しい山々そ~びえ立つ
うねるよくねるよ遠い道 車のわだちはこ~われそう
寂しいな木々の声 吹~き付~ける北風に
くまやひぐまがねらってる とらやひょうがほえたてる
ひとはいないのこのやまに 雪はどんどんふりつもる
首を伸ばすと寒いんだ 遠い山道つ~かれたよ」
郭嘉「何の歌でございますか?」
曹操「我ながらうまい詩だ。『苦寒行』となずけよう。遠征に行く兵の苦しさを歌
った歌だ。」
注:大意は間違ってないはずです(^^;
郭嘉「どうみても遠足に行く子供の歌にしか聞こえないのですが?」
曹操「気にするな(^^;」
曹操は三将軍と落ちあって、軍議を開いた。
コウカン
曹操「高幹は堅く守って、落とすのは難しかろう。」
郭嘉「某漫画家なら簡単に落としますがね。」
曹操「その例えは該当者が多すぎて誰か解らんだろう。」
郭嘉「じゃあHでもつけますか?」
曹操「それでも該当者が多すぎる・・・・。」
荀攸「偽りの降参をして、内と外から攻める計略が良いでしょう。」
曹操「うむ、呂曠、呂翔そなたらはカクカク。」
呂曠「シカジカとすれば良いのですね?」
曹操「カクカクだ、シカジカでは無い。」
そこで、呂曠、呂翔は数十騎と共に関所の下へいき、
呂曠「それがし、やむなく曹操に降ったもののぞんざい扱われるので、嫌気が差し、
降りとうございます。」
にわかに高幹は信じられず、呂曠、呂翔の二人だけを呼び入れた。
呂曠「曹操は着いたばかりで疲れています。そこを奇襲すればよいでしょう。」
そこで高幹は曹操に奇襲を仕掛けたが、却って伏兵に会い、引けば関所は李典、
楽進に奪われていたので、遠く匈奴に逃れようとしたが体よく追い払われ、やむな
く劉表の元に落ち延びようとするところを討たれた。
ヘイシュウ
并州は平定され、今度は烏丸をどうするかと言う話しになった。
ウガン イテキ
曹洪「烏丸は夷狄なれば攻めるにあたらず、それよりも劉表・劉備の動きが心配で
す。」
郭嘉「いや、それは違うぞ。袁紹は烏丸を手懐けていたので、これが袁尚、袁煕を
受け入れる事は、後難を残す事である。これを攻めるには(辺境だからとたか
をくくって)防備をしていないだろうから、容易である。劉表は劉備を使いこ
なせ無いから、許昌をつかれる心配は無かろう。」
曹操「全くその通りである。」
バクホク
黄砂かける漠北に曹操の兵は征伐へ向かう。
悪環境に、曹操は進むのをやめようかと思い、その時郭嘉は病にかかっていた。
曹操「私が遠征しようと言ったばかりに君を辛い目にあわせてしまった。」
郭嘉「丞相には返せぬ程の恩を受けていますゆえにそれがし死んでも悔いは残りま
せぬ。あの晩、丞相が寝室の上で・・・。」
曹操「そんな事したか?」
郭嘉「愛を語りあったでしょう。」
曹操「まつりごとについて語った覚えはあるのだが・・・。
そう、道険しく進む事はかなわぬゆえ兵を引き返そうと思うのだが?」
シチョウ
郭嘉「それは輜重が多くて不便だからでしょう。軽兵を選んで行程を倍にし、急襲
すれば容易に勝てます。ただし、道を知っているものがいりますが。」
デンチュウ
そこで郭嘉を養生させ、道案内を求めたところ袁紹の配下で田疇と言うものが道
を知っていると言うのでたので呼び寄せて聞いた。
ハクロウザン ゼンウ エンショウ エンキ
田疇の道案内で進むと白狼山の当たりで単于と袁尚、袁煕の兵と出くわしたので、
これを破った。
注:単于は異民族の王の事。
リョウトウ コウソンコウ
袁尚、袁煕は兵を率いて、遼東の公孫康の元に落ち延びようとした。
コウソンキョウ
公孫恭「袁紹はこの遼東を乗っ取ろうとの下心があった。いま、あの二人を入れた
ら、ひどい目に会うかもしれぬ。首を斬って曹操に献上すれば我々を粗略に
は扱いまい。」
公孫康「しかし、もし曹操が攻めて来た時の為に彼等は下に留めて置くべきでは無
いでしょうか?」
公孫恭「曹操の動きを見てそれから決めよう。」
袁兄弟は来たものの、公孫康は会おうとしなかった。
エキシュウ
そこに、曹操が易州に留まって動かぬとの知らせがあったので、公孫康は二人を
呼び寄せた。
袁尚「客人に座布団も出してくれないのか?」
公孫康「これから、万里の旅にでると言うのにその様なものはいらぬだろう?」
袁煕「万里の長城でも見に行くのですか?」
公孫康「何をぼけた事を、三途の川を渡って犀の河原へに行くのだ。」
袁煕「ははぁ、それでは満州の方へ旅行にいくのですね。」
注:実は犀の河原は佐渡にあるのだ(^^;
公孫康「ボケはそこまでだ。ものどもさっさとやっちまえ。」
公孫康は二人の首を跳ねて曹操の元へ送った。
ちょうどその頃、曹操は易州に留まって動こうとしなかった。
夏侯惇「動く気がないのならば、許昌に戻って劉備の動きを警戒しないのですか?」
曹操「袁尚らの首が来てからにしよう。」
夏侯惇「丞相はお中元で送られて来るとでも言うのですか?」
曹操「そのとおり。」
夏侯惇「(そんな事ある訳が・・・。)」
すると、突然袁尚、袁煕の首が届けられた。
夏侯惇「びっくり!?丞相なぜ解ったのです。もしやESP?」
ホウコウ
曹操「E.S.P.では無いぞ。やはり、奉孝(郭嘉)の予見に間違いはなかった
わ。」
張遼「奉孝殿の予見と言いますと?」
曹操「この書面を見よ。」
張遼「『それがし、さまざまな美女、美少年に出会って来ましたが、
丞相に出会った時ほどときめいた事はありません。
丞相の事を考えると胸がせつなくなります。その愛らしい振舞、お声、
ちゃめっけたっぷりの・・・。』」
曹操「それじゃなくて、これだ、これY(゜゜;y」
張遼「『袁尚・袁煕は遼東に赴いた時はこれを討ってはいけない。
公孫康は袁家に疑いを抱いているから、これを攻めれば連合して容易なら
ざるが、緩めて圧力をかければ、互いに争いを始めるでしょう。』
まったく、奉孝殿は異彩であった。」
郭嘉は陣没した。時に38歳である。
曹操「惜しいかな奉孝。私のボケに同調してくれる相手がいなくなってしまった。
(今となっては劉備が裏切ったのが痛い。)」
程いく「北は平定された今は、江南へ目を向ける時でしょう。」
曹操「その通りである。されど、南の気は盛んなれば容易では無かろう。」
荀攸「丞相、あの光は?」
一筋の金色の光が立ち上る。
曹操「UFOか?」
荀攸「きっとあの下に何か埋まっているのでしょう。」
曹操「・・・。(やはり、奉孝は惜しい存在であった(;_;))」
そこで、曹操は、その辺りを掘らせた。
注:官渡の戦いから余り年月が立っていないような感じもするが、実は8年ぐらい
経過している。
テキロ ダンケイ
34.的盧壇渓を越える
すると、そこからは銅でできた雀が出て来た。
コウタツ ジュンユウ
曹操「公達(荀攸)、これは何かの前兆か?」
シュン ギョク
荀攸「古の帝王舜の母親は、玉の雀がふところに入る夢を見て舜を産んだと言いま
す。きっと何か良い前兆でしょう。」
曹操はいたくよろこび、早速記念する高台を築かせた。
ショウショク
曹植「台は三つになさいませ。真ん中に銅雀、左に玉竜、右に金鳳と名付け、二本
の橋で空中を横切る様にすれば壮麗かと。」
注:曹植は、曹操の正室卞氏の三男。
曹操「なるほど、老後の楽しみがふえた。では、玉竜、金鳳を得るにはどうすれば
よいか?」
曹植「簡単です。池の中に銅雀を落とすと、女神が現れておまえが欲しいのは、金
鳳か?玉竜か?それとも銅雀かと聞いて来ますから、すかさず銅雀と答えれば、
みっつとも手に入るでしょう。」
シケン ソウジョ ソウ
曹操「やはり子建(曹植)は私が目をかけるだけの事はあるな。しかし、倉舒(曹
チュウ
沖)にはかなわぬの。」
注:この時、曹操の子曹沖・倉舒の年は12歳(数え)
曹植・子建は17歳、曹丕・子桓が21歳。
曹操は許昌に凱旋し、功罪をはっきりさせ恩賞を施してから、劉表について話し
あった。
ジュンイク
荀いく「兵は北伐で疲れておりましょうから、これを半年休め、それから攻めるが
よろしいでしょう。」
コウカ チョウブ チン
曹操が北伐をしている間、劉備は劉表の元に客将としていたが、江夏で張武、陳
ソン
孫が謀反をおこそうとしていると言う報があった。
劉表「あの盗賊めがまた謀反を起したそうだ。」
劉備「兄上、それがしが行って参りましょう。」
さて、三万の兵を率いて赴くと張武の馬は逸物の様に見えた。
劉備は張武、陳孫を討ち破り凱旋して来た。
劉表は城門まで出迎えこれを労った。
劉表「誠におぬしらがおれば荊州も安泰じゃ。」
劉備「それがしなどそれほどでもありませぬが、三人の将を持ちましてそれぞれ役
に立ちまする。張飛に南越との境を守らせ、関羽に張魯の備えをさせ、趙雲に
孫権への備えとすれば、荊州は何の気遣いもいりませぬ。」
劉表はそれを聞いて喜んだが、蔡瑁が姉の蔡夫人に
サイボウ
蔡瑁「劉備はきっと荊州の仇になるに違いませぬ。」
と吹き込んだので、その夜。
サイフジン
蔡夫人「劉備は奸雄ゆえ用心なさらないと。」
劉表「いや玄徳殿は義理を知ったものだ。」
蔡夫人「いえ、誰もが貴方の様ではありませぬ。」
劉表「・・・・(夜のお相手が義理だと言う事がばれたのか・・・。)」
あくる日、劉備の馬を見て、劉表は誉めちぎった。
劉備「張武の乗っていた馬ですがそれを奪ったものです。殿が欲しいとおっしゃる
のならさし上げましょう。」
劉表は喜んで、その馬に乗って帰ったが、
カイエツ
かい越「その馬はどうしたのです?」
劉表「玄徳殿がくれたのだ。」
かい越「それがしの亡兄かい良は、馬相占いに通じておりまして、それがしも幾分
通じております。この馬は目の下に涙槽があり、額に白い点があります。こ
れを的盧と言い、乗る主人に禍をもたらします。」
劉表「かい良にはそんな趣味があったのか?」
かい越「ええ、死馬すらこれを千金で買わん。いわんや名馬も。と言いながら、死
馬ばかり買いあさっておりましたが・・・。」
注:『まず隗より始めよ』の故事で引き会いに出される話。
劉表「(あいつの趣味はそこまで悪かったのか・・・。)」
注:第7話参照。
イセキ
伊籍「しめしめ、これは良い話を聞かせてもらった。」
タッタッタッタッ
劉表はこの話を受け入れ、翌日劉備に言うには。
劉表「私が馬を持っていても(戦にでないから)仕方ないゆえ、玄徳殿、君が持っ
ていた方が良いだろう。それから、何時までもここにいても却ってお困りであ
ろう。新野は兵糧豊富なゆえ、そこに赴き、十分に兵を養うが良い。」
劉備は納得して、あくる日新野へ向かったが、城門の前に挨拶して来た。
伊籍「その馬にはお乗りなさるな。」
劉備「何故でしょうか?」
伊籍「その馬は的盧と言い、乗る主人に禍をもたらします。それを知ったので、お
返しになられたのでしょう。」
劉備「ご配慮は申し分けないが、馬ごときが禍をもたらすでしょうか?
『死生は命にあり、富貴は天にある』と申します。馬一匹に運命を変えられる
ような玄徳ではございませぬ。(ふっ、久しぶりに決まったかな?)」
伊籍「(なるほど、立派な方だ。)」
シンヤ
劉備は新野へ赴いて、207年甘夫人が子供を産んだ。
アト
北斗星を飲む夢を見てから産んだ子供なので、幼名を阿斗と呼んだ。
注:後主劉禅の事。中国で阿斗と言えば無能の代名詞。
その後、曹操が烏丸征伐に赴いている時、劉備は劉表の元へいき、
劉備「今、曹操は全軍を上げて烏丸を征伐し、許昌はがらあきです。その隙をつけ
ば、必ず成功しましょう。」
劉表「いやいや、私は今の領土で満足しているゆえ、他人の土地まで奪おうとは思
わぬ。」
劉備「・・・・。」
劉表「ふぅ。」
劉備「兄上には何かご不満でも。」
劉表「不満と言うより気にかかる事が会ってな。」
蔡夫人「(ひょっこり)何ですか?私も聞きたいわ。」
劉表「Y(゜゜;yい、いや何でも無い。」
蔡夫人「きーっ、私に隠しだてする気?きっと浮気してたんでしょうきーっ。」
劉表「・・・・。」
さて、曹操が凱旋して戻って来た後、曹操が遠征を決行した理由を聞いて、劉表は
は劉備の意見を聞き入れなかった事を残念に思った。
注:劉表が劉備を使えこなせないから攻めては来ないだろうという事。
劉備「兄上、お気になさりませぬよう。勝負とは時の運きっとまた機会が訪れるに
違いありません。」
劉表「いかにももっとも。」
劉備「それがしとしても、幾度も機会を逃していますが、こうして無事に生きてお
ります。」
劉表「ほほう。」
劉備「徐州を呂布に奪われ、曹操を暗殺する機会をみすみす逃し、曹操を裏切って
徐州を奪われ、袁紹の元で後方撹乱に失敗し、汝南では劉辟と許昌を攻める前
に逆に攻め込まれ、赤壁では日和見を決め込み、後に禍根を残し、益州征伐で
は、中策を選んで軍師をひとり失い、樊城攻防戦では外交と援軍の人選をあや
まり弟を失い、夷陵では呉に大敗を喫して多くの兵と将を失っても、まだ機会
は巡って来るものです。」
劉表「だいぶ、先の話が混じっているようだが・・・。」
劉備「兄上お気になさりますな。それゆえ、一度や二度の機会を逃したとしてもそ
れほど気になりますまい。」
劉表「いや、その事は気にならぬが跡継ぎの事で悩んでおる。」
劉備「ほほう。」
劉表「兄の劉きは前妻陳氏の子で賢いが柔和で役に立ちますまい。されど、弟の劉
そうは蔡氏の子で賢いのだが、これを建てるのは古の礼にもとる、されとて、
荊州は蔡氏の閥が強いゆえ、劉きを建てると荊州はまとまらぬ。」
劉備「兄を廃して、弟を建てる事は良い事とは思いませぬ。次第に蔡氏の勢力を削
ぎ、後に禍根を残さぬようにすべきではないしょうか?」
蔡夫人「(ぴくぴく)」<密かに聞き耳を立てている。
劉備「つまらぬ一時の愛憎で後嗣を決めるのは待った方が良いでしょう。」
蔡夫人「(きーっ、劉備ったら許せないわ。きーっ、きーっ。)」
劉備「(びくっ、今寒気が・・・。)」
劉表「どうなされた?」
劉備「ちょっと厠へ。」
・・・・・・・。
劉備「嗚呼、こんなにももに肉がついてしまっている。
むしって食べて見たらおいしいのだろうか・・・Y(゜゜;yハッ
・・・あうっ、昔の悪い思い出を思い出してしまった(;_;)」
注:第19話参照。
劉表「劉備殿どうなされた。」
劉備「それがし、久しく馬の鞍から離れた事が無ければ、ももの肉は痩せておりま
した。所が、久しく馬に乗らぬゆえももに肉がついてきました。このまま、老
境に差しかかって、何の功を得る事のできない自分を憐れむと自然に涙がこぼ
れ落ちるのです。」
劉表「玄徳殿。あなたは、曹操と酒を煮て英雄を論じた時、曹操に『それは私と玄
徳殿。あなただ。』と言われたほどの人物。何ゆえ何の功も無いと言われるの
です。」
劉備「私に足掛かりの土地さえあれば天下に覇を競えあえると言うのに・・・。」
劉表「・・・・。」
蔡夫人「(きーっ、劉備ったら許せないわ。きっと、夫を殺して、私にP~な事を
しようとしているんだわ。きーっ、きーっ。)」
劉備「(びくっ、びくっ、今寒気が・・・。)それがし気分がすぐれぬゆえ、帰ら
せていただきます。」
と劉備は帰った。
蔡夫人「劉備はきっと荊州を乗っ取ろうと思っているんだわ。それで、私にP~な
事をしようとしているに違いないわ。」
劉表「弟御がそんなことするわけが無かろう。」
蔡夫人はそれを聞くと退出し、
蔡夫人「きーっ、絶対、絶対するわ。女の直感よ。蔡瑁は居るの。」
蔡瑁「姉上、何か?」
蔡夫人「今の内に劉備を殺しましょう。」
蔡瑁「劉備はなみならぬ、野望を持っていますゆえ後難をもたらすに違いありませ
ん。まず殺してから、主君に申せばかまわないでしょう。」
伊籍「しめしめ、これは良い話を聞かせてもらった。」
タッタッタッタッ
蔡夫人「ね、うまく言ったら。」
蔡瑁「姉上。」
蔡夫人「いや、今は駄目。誰か見てるかも知れないじゃない。」
劉備は宿舎に泊まったが、明かりをつけて考えごとをしていた。
伊籍「蔡瑁があなたの命を狙っております。早くお逃げになるよう。」
劉備「景升(劉表)殿に挨拶をしていないが・・・。」
伊籍「そんなに悠長な事を言っている時では・・・。」
そこで、劉備は馬に飛び乗るとそのまま新野に向かって走り去った。
明け方、蔡瑁が兵を引き連れて宿舎に行くとすでに劉備はいなかった。
蔡瑁「じだんだ、じだんだ、じだんだ。」
兵士「何をしておられるので?」
蔡瑁「華麗なステップで地団駄を踊っているのだ。」
兵士「地団駄は踊るものでは・・・?」
蔡瑁「それはどうでも良い。おのれ劉備め悪運だけは強い。」
そこで蔡瑁は壁に一首刻んでから劉表に面会し、
蔡瑁「劉備は反逆の意図があり、壁の詩に良く現れています。
挨拶せずに帰ったのもそのせいです。」
劉表が言ってみると果たして詩が刻んであった。
数年 いたずらに 困窮に甘んじ
空しくついやす 旧き山川
竜は地中に生きるものではない
雷に乗じて天に登るものだ
劉表「あの恩知らずめ・・・。
(が、まてよ、劉備は詩など書けぬはず。字体も全く違うではないか?
これは蔡瑁の字だぞ。あの馬鹿、そんな浅はかな計略では子供すらだませぬ
わい。」
劉表は壁の字を削り落とすて帰って来た。
蔡瑁「早速、劉備を捕らえに参りましょう。」
劉表「粗忽な振舞は良くない。別の手立てを考えよう。」
蔡瑁「しかし、すでに準備はできております。」
劉表「君と張飛、関羽と比べて見て、どっちが雑魚キャラだと思うか?」
蔡瑁「そ、それは・・・。」
劉表「ならば、なおさら粗忽に振舞うべきでは無かろう。」
蔡瑁「・・・・。」
蔡夫人「うまくいかなかったの?お預けよ。」
蔡瑁「(;_;) 劉備は悪運だけは強いゆえ容易には参りませぬ。そこで、襄陽で宴会
を開いて誘き寄せ、その席で殺そうと思いますが。」
蔡夫人「『後ろからばっさり』ね。」
蔡瑁「そう、正々堂々と後ろからばっさりと殺してやる。」
あくる日蔡瑁が劉表に言うに、
蔡瑁「荊州は連年豊作なれば、国の役人を集めて慰労したいと思います。我が君も
参加なさりませ。」
劉表「近ごろ気分がすぐれぬから、子を出せば良いだろう。」
蔡瑁「子では幼いゆえ、会場でおしっこをもらされでもしたら大変です。」
劉表「それは、おまえがのめば良いだろう?」
蔡瑁「し、しかし、普段ならまだしも世間体と言うものが・・・。」
劉表「やはり、そうだったのか?」
蔡瑁「ち、違います。玄徳殿を代役にすれば良かろうかと?」
劉表「それはおまえに任せる。」
新野に帰った劉備は失言を気にしていたが、使者が来て襄陽へ来いと告げた。
孫乾「これは、罠です。網が張ってあるに違いありません。お出にならない方がよ
ろしいかと思います。」
関羽「その程度気にする程の事ではござらぬでしょう。思っているほど他人に真意
は伝わらないものです。むしろ断る方が、立場を悪くするに違いありません。」
劉備「もっともだ。」
張飛「兄貴ぃ、人の宴会なんかつまんないぜ。行くのはやめにしようよ。」
劉備「自分の宴会の話はどうなったのだ?」
張飛「そ、そいつは・・・。」
劉備「そろそろ、公開してもろり~だとばれない年にはなって無いのか?」
張飛「あ、兄貴ぃ、その話はやめてくれ~。」
趙雲「それがしが護衛しましょう。そうすれば大丈夫です。」
劉備「それが一番よい。」
劉備は襄陽へ赴いた。
蔡瑁「劉備は今の内に殺しておかないといけない。」
かい越「それは人望を失う事になりかねませんぞ。」
蔡瑁「実は秘密司令を貰っている。」
かい越「相手はMr.Xとか言うのか?」
蔡瑁「主君のだ。」
かい越「それなら十分準備をしておかなければ。」
蔡瑁「ぬかりはない。東は弟の蔡和が五千の兵を引き連れて守り、南は蔡中が三千
の兵で北は蔡勲が三千の兵で守っている。西は壇渓で竜でも無ければ飛びこえ
られぬであろう。」
かい越「趙雲が劉備の側を離れぬがそれでは手も出せますまい。」
蔡瑁「城内には五百の伏兵が居る。」
伊籍「しめしめ、これは良い話を聞かせてもらった。」
タッタッタッタッ
かい越「文聘、王威に言って趙雲をここに連れて来ればことは早いはずです。」
劉備は好んで的盧に乗っていたが、これを役所の裏につないで置いた。
他の役人が到着すると、劉備は主人の席に座り、趙雲はその後ろに立っていた。
ブンペイ
文聘「子竜殿、お座りください。」
趙雲「ご配慮結構。」
劉備「何も立っているだけではつまらなかろう。少しは他のものと話でもしては如
何か?」
趙雲「いや、それがしは殿のお側にいるだけで幸せです。」
劉備「私もそうだが・・・。」
文聘「(こいつらホ*か?)」
劉備「↑の様に勘違いする者もおろうから少しは疑いをはらさないと。」
趙雲「公然の事・・・。」
劉備、趙雲の口をふさいで、
劉備「一応、体面と言うものがある。」
蔡瑁「これでうまく行く(ニヤリ)」
伊籍「玄徳殿。蔡瑁があなたの命を狙っております。囲まれておりますぞ。三門は
ふさがれ、ただ開いているのは西門のみです。」
劉備は驚き、小用で外にでるふりをして、馬に乗り西門から出て行った。
それに気付いた蔡瑁は五百の兵を連れて追いかける。
劉備は数里行かぬ内に谷川につきあたった。
劉備「とても渡れそうにない。引き返すか?」
馬首をめぐらすと、追っ手がかかって来るのが見えた。
劉備「これまでか、」
と川に馬を走らせ、後ろをみると差はつまるばかりである。
劉備「的盧、今日祟りをなす気か?」
と言うや、馬は一跳一千里。飛び上がると向こう岸におり立った。
蔡瑁「あれは竜か?」
劉備「なんの用ですかな?なるほど、私に用があるのですか(笑)」
蔡瑁「何故逃げなさる。」
と言いながら弓をつがえる。
劉備「言っている事とやっている事が違うぞ。」
劉備は一躍西に逃げて行った。
蔡瑁「いかなる神の助けであろうか?」
兵士「関聖帝君(関帝)では無いでしょうか?」
蔡瑁「まだ、生きておろう。」
兵士「きっと悪運の神様っているんですね。」
蔡瑁「じだんだ、じだんだ、じだんだ。」
ゼンフク
35.謎の軍師単福
蔡瑁が地団駄を踏んでいると、趙雲が兵三百を率いてやって来た。
趙雲「我が君をどこにやった?」
蔡瑁「席を外されたが、どこにいかれたかは知りませぬ。」
趙雲「君は、何故我が君を呼んで置きながら人馬をもって取り囲むのだ。」
蔡瑁「多くの役人が集まっているのに、これを守護せぬ法はあるのか?」
趙雲「一体どっちへ追い詰めたのだ?」
蔡瑁「西門から出ていかれたと聞いたが、ここには姿が見えぬ。
これ以上用が無ければ帰らせてもらう。」
趙雲「馬鹿な奴だ、とぼけているつもりだろうが、しっかり顔に書いてある。」
兵士「他に、何かわかったのですか?」
趙雲「主君は、河を飛び越えたらしい。」
見よ、この馬の足跡を。
兵士「鳥になったのですね。」
趙雲「鳥にでもならねば、この壇渓は飛び越せぬな。
城に戻るのも危険なれば、悪運を信じて新野に引き返そう。」
襄陽に引き返した蔡瑁。
蔡瑁「趙雲め、わたしの芝居にすっかりだまされておった(嘲笑)」
かい良「一度、鏡を見られた方が・・・。」
鏡を見る蔡瑁
蔡瑁「しまった、『必殺劉備』のはちまきを締めたままであったY(゜゜;y」
そして劉備・・・。
劉備「やはり、私は天の子に違いない。あの程度の苦難は苦難とは言わぬ。
天意は我にあり。天下は私の者だ。」
キョロキョロ
劉備「よし、・・・・誰も聞いてないな?」
牧童「あの~、黄布を倒した劉玄徳とはおまえさんの事かい?」
劉備「ぎくっ。いつからそこにいた(゜o゜;」
牧童「さっきからだよ。」
劉備「では、何故私の名前がわかるのだ?(そうか、私は天の子すなわち天子であ
るからきっとそう言った気を発しているからわかるのに違いない。)」
牧童「お師匠様が、耳がでかく、腕が長くて、妄想虚言を吐いていたら劉玄徳指数
100%と言っておったから。」
劉備「(当たっているだけあって文句が言えない(;_;) )その師匠とはだれか?」
シバキ トクソウ
牧童「司馬徽・徳操と言うお方だ。みんなは水鏡先生と呼ぶのだ。」
劉備「交友関係は?」
ホウトクコウ ホウトウ
牧童「ほう徳公やほう統がいる。」
劉備「病歴は?A**Sじゃ無いよな?」
牧童「そんな病気この時代には無い。おじとおいだよ。ほう徳公は師匠より、十歳
上で、ほう統は五歳下だ。お師匠様が桑の木の上で葉をつんでいると、ほう統
が下に来て難しい話をして一日中飽きなかったそうだ。」
劉備「ほう、ほう統は高所恐怖症なのか?」
牧童「何故そんな事を聞くか?」
劉備「普通、二人とも上に登らぬか?周りからも見えぬし良い場所だぞ?」
牧童「・・・。あそこが師匠の家だ。」
劉備「(子供には難しかったか?)そこに案内してくれぬか?」
童子の案内でその場所へ行くと、琴の調べが聞こえて来た。
劉備は牧童を制してその音を聞いていた。
老人「ここに盗み聞きの英雄が来ておるのか?まぁよいよい。」
劉備「Y(゜゜;yハッ私は劉備・玄徳と申します。」
牧童「お師匠(司馬徽・徳操)さんだよ。」
老人「飛んだ災難でしたな。まぁよいよい。」
劉備「それがし、天下に名を知らしめんと欲しておりますが、未だ時到りませぬ。」
老人「よいよい。それは左右に人がおらぬからあ~よいよい。」
劉備「いやいや、それがしには孫乾、簡雍、糜竺の文。関羽、張飛、趙雲の武。文
武両方に恵まれておりまする。」
老人「よいよい。確かに、万兵匹敵の猛将に有能な吏がおられるが、機に臨み変に
応ずる才を持つものはおるまいの~よいよい。」
劉備「それがしも探してはおりまするが・・・・。」
老人「よいよい。王佐の才を持つものを見つけなされ。」
劉備「それがし、不才なればそれを見つける才にも欠けまする。」
老人「よいよい。荊州の童歌を聞かれたか?
建安12年劉表が死に、天地は乱れ、将軍が立つと歌われていますぞ。」
劉備「それがし、不才なれば・・・・。」
フクリョウ ホウスウ
老人「伏竜・鳳雛のひとりを得れば、天下の事は足りるよいよい。」
劉備「伏竜・鳳雛とは?姓を伏、名を竜、あざなを鳳雛と申すものがこの地におら
れるので?
老人「よいよい。あだなじゃよ。よいよい。こよいよいはここに泊まりなさい。
明日ゆっくりと話すことにしようぞ。」
劉備は食事をえて、休息したが水鏡先生の言葉が気になった。
夜更け、ドアを叩く音がする。
老人「どなたですか~。」
ゲンチョク
男 「元直です。」
老人「なんだ、元直か?」
劉備はこっそり起き出して、聞き耳を立てていた。
元直「劉景升の名声を聞いて、荊州(襄陽)に行ったものの虚名に過ぎぬ事がわか
り、戻って来たのです。」
老人「劉景升は善をよしみ悪を憎む、立派な人物ではないのか?」
元直「劉景升は善をよしんでも用いねば意味が無く、悪を憎んでも除く事ができま
せぬ。」
老人「君は王佐の才を持つもの。なんで軽々しく劉景升などに会いに行く。探さず
とも目の前にいるではないか?」
元直「目の前・・・。確かにそうでございます。」
劉備は夜が開けるのを待って聞いた。
劉備「昨日の客はなんでしょうか?」
老人「よいよい。友達だ。よいよい。よい君主を求めて旅に出たところだ。」
劉備「なんと申すので?」
老人「よいよい。」
劉備「(よいよいとは不思議な名前だ?)では、伏竜・鳳雛とは?」
老人「よいよい。」
劉備「(よいよいとは伏竜鳳雛でもあったのか(^_^))
老人。それがしに知恵を授けてくれませぬか?」
老人「よいよい。それがしが出るまでもない。よいよい。よいよい。」
牧童「こちらに軍隊がやって来ます。」
みると趙雲であった。
趙雲「主君ご無事でしたか?」
そこで、劉備は水鏡先生と別れ、途中で出迎えの張飛、関羽と合流して新野に戻
った。
牧童「とんだ客でしたね。」
司馬徽「やれやれ、老人のフリも楽では無いわ。」
牧童「お師匠様も大変ですね。」
司馬徽「何故か演義に老人とかかれておるしなぁ。私は玄徳殿より年下なのに(;_;)
まあ、よいよい。」
牧童「その口癖が老人扱いされる原因じゃないんでしょうか?」
司馬徽「よいよい。」
一方、新野に戻った劉備。
劉備「しかじかと言う訳だ。」
関羽「神の加護があったと言う訳ですね。」
劉備「神はそちであろう。」
孫乾「しかし、書面で劉景升殿に言い訳をしないとなりません。」
劉表「なぜ、玄徳殿は襄陽の会の途中で帰ってしまわれたのだ?」
孫乾「蔡瑁が主君を害しようとしたからです。」
劉表は、蔡瑁を呼び出して、
劉表「良くも我が弟を殺そうとしたな。」
蔡夫人「お許しくださいませ。」
孫乾「蔡瑁殿が殺されれば、(赤壁のいけにえがいなくなるゆえ)劉皇叔も落ちつ
いてはいられないでしょう。」
劉表はようやく蔡瑁を許し、劉きをわびの使いにした。
リュウキ
劉備は劉きをもてなしたが、ふと劉きが涙ぐんだので、その訳を聞くと、
劉き「劉き悩みがあるの。継母の蔡氏が、私を殺そうとたくらんでいて、のがれる
術がございませぬ(;_;)」
劉備「細心気をくばり、忠孝をつくすとしか答えようがありませぬ。」
あくる日、劉きと別れをつげ劉備も城外まで見送りに出た。
劉備「この馬が無ければ、それがしは助からなかったであろう。」
劉き「馬の力ではありますまい。おじ上の徳の力によるものでしょう。」
劉備「やはり、君もそう思うか?」
劉き「それではおじ上お元気で(;_;)」
劉備が馬を引き返しすと、葛布の頭巾に布の上着、黒い帯に黒い靴をはいて、歌
いながらやって来るものがいた。
男 「黒い靴はいてた男の子、おばさんにやられてい~ちゃった。」
劉備「哀れをそそる歌よのう(;_;)」
男 「天地覆り 火はまさに消えん
大家崩れ去る 一木はささえがたし
辺地にも一賢あり 明主に身を投ぜんとし
明主は賢を求めど その身を知らず」
劉備「(もしかして、水鏡先生の言っていた伏竜・鳳雛だろうか?)
もし、そこの役所でお茶でも飲まぬか?」
男 「それがし、そっちの趣味はござらぬが、劉玄徳殿がそう申すならついていき
ましょう。」
劉備「君の名はなんと言う?」
男 「穎上の出で、単福と申します。ご主君が賢を求めると聞きまして、参じよう
と思いましたが、手蔓が無いゆえ市場で歌を歌って、気を引こうとしたのです。」
劉備「是非も無い。客人となってはくれぬか?」
ゼンフク
単福「その前に、馬を見せてはくれませんか?」
劉備が馬を引き出すと。
単福「この馬は的盧馬ではありませぬか?名馬には相違ありませぬが、主人に祟り
をします。お乗りになるべきではありません。」
劉備「祟りはあったのだ。しかじか。」
単福「それは、馬が自分の身を守ったのであって、祟りではありませぬ。いずれ、
祟りをなすでしょう。それがし、その方法を知ってます。」
劉備「どうするのだ?」
単福「近習の人にこの馬を乗らせ、その人が祟りで死にましてから乗れば安全です。」
劉備「おかえりはあちらです。」
単福「主君は、賢者を求めると聞いて、千里の道をはせ参じてきたので、なぜ追い
立てるのです。」
劉備「君はここに参ったばかりだが、仁義の道を救う事は教えず、己を利し、他人
を傷つける事ばかり教える。私は自分に都合の良い事ばかり言って、都合の悪
い事は詭弁でごまかす様な輩は嫌いだ。」
単福「からから。失礼申し上げました。主君に仁義ありと聞きまして本当か試して
見たのです。」
劉備「いやいや、それがしに仁徳などあるだろうか?」
単福「それがし、新野に赴く時、民が
新野の牧 劉皇叔
この地来りて 民富めり
と歌っておりました。あまねく、仁徳を施している証拠であります。」
劉備「いやいや、とても、それがしには舜の様な徳は無いと思うのだが・・・・。」
そのころ、許昌に戻った曹操は、荊州を虎視耽々と狙っていた。
曹仁、李典、呂曠、呂翔を樊城に遣わし、荊州の足掛かりとした。
リョコウ
呂曠「劉備は許昌を狙おうとしています。早めに叩いておかないと行けません。そ
れがしに五千の精兵を与えれば、きっと劉備の首を取って来ましょう。」
ソウジン
曹仁「くれぐれも、関羽は生け捕りだ。わかっておるな?できれば劉備も生け捕り
にしろ。丞相のご意向ゆえ。」
呂曠「丞相様のご意向とあれば。」
一方、劉備陣営。
物見「呂曠が五千の兵を率いて新野を攻めようとしています。」
単福「敵を領内にいれてはなりませぬ。関羽は左から中軍を討ち、張飛は右から後
軍を、趙雲と玄徳殿は正面から前軍に応戦すれば、たちどころに勝利を得るで
しょう。」
劉備「そこに来るのは誰だ?何ゆえ人の領土を攻める?」
呂曠「それがしは呂曠。丞相の命で、そなたを生け捕りに来た。」
劉備「呂曠?知らぬなぁ。」
呂曠「どうせマイナー武将です(;_;)」
趙雲はせる、呂曠行く。打ち合う事数合。結果は書くまでも無し。
呂曠「とうとう、省略されてしまった(;_;)」
劉備はここ一番と総攻撃をかけ、呂翔は支え切れずに敗走した。
すると、関羽の兵に会い、これに散々に打ち破られ、ようように血路を開くと、
張飛「燕人張飛ここにあり。」
呂翔「つばめさんだ。」
張飛「そのネタはもうやめい。」
グサッ
呂翔「はぅっ。」
ここは樊城の曹仁。
曹仁「なにぃ!呂曠、呂翔は討ち取られ兵士も大方生けどられただと!」
兵士「まだ何も言ってませんが・・・。」
リテン
李典「大方、劉備を侮った為、失敗したと思います。ここは兵を押さえ、大軍を請
いそれを持って討伐するのが良策と存じます。」
曹仁「ええい!それでは面白くなかろう。仇はすぐにでも打つ。新野ごときに丞相
の大軍を請う程この子孝(曹仁)臆病ではないわ!」
李典「劉備はなかなか手ごわいですぞ。」
曹仁「そなたは臆したか!?劉備など口先ばかりの大言野郎!」
李典「『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』と申します。劉備に勝つのは難し
いでしょう。」
曹仁「さては二心を懐くか?」
・・・・
李典「それがし、久しく丞相に使えておりまする。それがしがふたまたなどかけな
い事は承知の事でしょう。」
曹仁「いや、そう言いながらふたまたをかけている奴もいる。」
李典「将軍がお出になるなら、この城を守りましょう。」
曹仁「そちが行かぬと言うのなら二心ありと言う事か!!」
李典「・・・・・・。」