異端三國志 第21回から第30回
21.曹操、英雄を論じる。
バトウ
馬謄「やはり、劉皇叔殿を仲間に率いれるべきでしょう。」
董承「しかし、皇叔殿は曹操に取りいっている。」
馬謄「いや、前の狩りの時、関羽が曹操を切ろうとしたのを止めたのをこの眼で見
ている。あれは、曹操の味方が多く事ならぬゆえ、様子をみたまでの事と思う。」
董承は闇に紛れて、劉備の家に行く。
劉備「夜分遅く、国舅殿がこられるとは何かあったのですかな?」
董承「前の狩りの時、関羽が曹操を切ろうとしたのを止めたのは何故でござるか?」
劉備「あれは、舞をふるまおうとしたから、ここでやると浮くからやめておけと行
ったまでの事。」
董承「この眼でしかとみましたぞ。とてもその様には見えませぬが?」
劉備「・・・。あれは、弟が振舞に怒ったのを止めたまでだ。」
董承「嗚呼すべてが雲長殿の如くであれば、天下太平なものを。」
劉備「今も太平ではなかろうか?」
董承「皇叔と言うのに、国難を放っておかれるのか?
見よ。この密書を。」
劉備「・・・。単に弓矢取り返して欲しいと言う意味では?」
董承「いや。陛下は後難を恐れてわざとひねって書かれたのです。今、曹操を取り
除かねば後にさらにわざわいをなすでしょう。」
劉備「曹操なぞ、いつでも倒せるが・・・。」
董承「協力してくださるか。ありがたい。」
劉備「まだ何にも言ってないのに・・・。」
董承「今の発言しかと録音してありますぞ。」
劉備「(T_T)」
ある日劉備が畑仕事をしていると、許ちょと張遼が従者を従えやって来た。
張遼「丞相(曹操)が玄徳(劉備)殿をお呼び申しておる。」
劉備「何か大事でも起こったのかな?」
許ちょ「いいや。ただ呼んでこいと申されただけ。」
そこで劉備は二人の後について丞相府に出向いた。
曹操「屋敷の中でうまいものを作っておるな?」
すると劉備は驚いて土のような顔色になった。
曹操は劉備を引き連れて、裏庭ヘ行くと、
曹操「畑仕事も楽ではなかろう。」
劉備「いや、暇潰しにやっているもので・・・。」
曹操「おいしい野菜を独り占めするなんてずるい。丞相にも分けてくれなきゃ許さ
ない。『皇帝に代わっておしおきよ』」<おいおい
劉備「(うさぎと言えば兎耳の私の事なのに(;_;) )はっ、喜んで。」
曹操は顔を挙げて笑い、
曹操「そうかそうか。今梅の木を見て、去年張繍征伐の折り、水不足で困っていた
折り、私が鞭をあげて振りかざし、あの丘の向こうに無修正のろり~な写真集
があるぞと叫んだらみんな生唾を出し、渇きを止める事が出来た事を思い出し
た。」
劉備「梅の木と写真集と何か関係があるのでしょうか?」
曹操「無い(きっぱり)」
劉備「今日は何の理由でお呼びになったのでしょうか?」
・・
曹操「ちょうど、作らせておいた酒も良い塩梅で出来た頃なので、
そこの亭で酒を酌み交わそうと思ってた所だ。
曹操と劉備が亭に行くと酒宴の支度はすでに出来ていて、青梅が皿に盛られ、一
瓶の酒が置かれていた。
奇麗なメイドさんが立っていて酒を注ぐ。
二人が酒宴を始めると、空が怪しくなり、雲が立ちこめて来た。
曹操「世に英雄は多いが、真の英雄は誰かと思うかね?」
劉備「それがしにはとても・・・。」
曹操「良いから申してみよ。」
ワイナン エンジュツ
劉備「淮南の袁術はいかがでしょうか?」
曹操「あいつは墓場の妖怪。いずれ生け捕りにしてやる。」
キシュウ エンショウ
劉備「では、冀州の袁紹は賢人を集め威を張っていると思われますが?」
曹操「あの優柔不断に何が出来る。花嫁をさらいに行って見つかって、逃げる時茨
に引っ掛かっておかあちゃんと泣いていた様な奴だぞ。あの時あいつさえどじ
踏まなければ、P~してあんな事やこんな事が出来たと言うのに・・・。」
ケイシュウ リュウケイショウ
劉備「あの~。おとりこみのようですが、八俊のひとりにも当たる荊州の劉景升
(劉表)はどうでしょうか?」
曹操「虚名だけだ。英雄とは言えない。」
ソンハクフ ソンサク
劉備「それでは、江東の孫伯符(孫策)は英雄とは言えないでしょうか?」
曹操「親の七光にすがるこせがれ。英雄と言えようか?」
劉備「それでは英雄とは誰の事でしょう?」
ゲントク
曹操「それは私と玄徳殿。あなただ。」
劉備はおもわず箸を取り落とした。
その時、雷鳴一喝、雨が振り出す。
曹操「どうしたのだ?」
劉備は身を屈めて、箸を拾おうとし、
劉備「雷鳴に驚いて箸を取り落としてしまいました。(ここからだとローアングル
なメイドさんで鼻血もの・・・)」
曹操「雷が恐いか?」
劉備「地震・雷・火事・妖怪何れも古来より恐れられているもの。恐くない訳があ
りましょうか(このメイドさん下着はいてない(゜o゜))」
曹操「このメイドさんが欲しければ後で宅配便で届けるが?」
劉備「(゜o゜;」
雨が止んだ頃、二人組の男が庭に押し入って来た。<なんて不用心な
曹操「何のようだ?」
関羽「兄上が丞相と酒盛りをなさっているので、余興に剣舞を舞おうとやってまい
りました。」
張飛「俺達の舞いはすごいぜ。」
コウモン
曹操「これは鴻門の会では無い。項伯も項荘も要らぬぞ。それより、雲長(関羽)
殿、今宵待っておるぞ。」<やおいなネタふりを・・・。
注:説明すると面倒なので・・・。興味が有れば史記等を読んで調べてください。
なお、肛門にP~な事をする会ではない。
郭嘉「ん・・んっ。」<何時の間に・・・・。
ハンカイ
曹操「(あぅ(;_;) )この樊噌もどきに酒を与えよ。
(で関羽を酔わせていけいけだ。)」
注:これも鴻門の会に通じるので・・・。樊噌は漢建国の功臣で、高祖劉邦の護衛
役的な存在だった。
ふたりは平伏し、礼を述べた。
こうして酒宴は続いた。
劉備「そろそろお暇させて頂きます。」
曹操「そうであった。では、今宵はごゆるりと休まれるが良い。雲長殿は泊まって
いかれぬか?」
関羽「兄上を送っていかなければならないので、これにて失礼いたします。」
曹操「(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)」
カクカ ジョウショウ
郭嘉「丞相。準備が出来ております。」
曹操「そちと寝るのか?」
郭嘉「たまには良いでしょう?」
一方
関羽「われら両人殺されてしまったかと思いましたぞ。」
そこで、劉備は箸を取り落とした話をして、
劉備「心配は要らん。わしが要らぬ野心など持ってない様な芝居をしてきた。畑を
耕しているのもその為だ。」
あくる日、またしても曹操と劉備が酒を飲んでいると、
マンチョウ コウソン
満寵「公孫さんが袁紹に討ち取られたそうです。」
劉備「兄貴が?」
曹操「玄徳殿には義理の兄弟が多いの。」
満寵「公孫さんは、城にたてこもっていたのですが、袁紹の穴堀りの計略にはまり、
城は落ち、死んだ模様です。一方、袁術は、淮南で贅沢し過ぎて、人心を失い
その為、玉璽を持って袁紹の元に行こうとしている模様。」
劉備「このまま、袁術が袁紹に合流すれば危険でありましょう。それがしは、徐州
にくだり、北上する袁術を虜にしましょう。」
曹操「ならば、帝に上奏し、明日出られるが良かろう。」
劉備「(これで、逃げれるぞ(^_^))」
程いく「これは事ですぞ。何故劉備を放しました?」
曹操「劉備は袁術の退路を絶とうと言うのだ。」
程いく「これは、虎を野に放つようなもの。きっとわざわいをもたらしましょう。」
郭嘉「例え、劉備を殺さぬとしても、放つ手はありませぬぞ。劉備はきっと帰って
来ませんぞ。」
曹操「劉備は、暇だと言って百姓のまねごとをし、雷が鳴れば箸を落とし、メイド
さんを見れば鼻血を出す様な男だぞ。何ができよう。」
郭嘉「それはフリをしていただけしょう。例えそうでも、雲長殿は・・・。」
曹操「あっ、失念しておった(;_;)誰か捕らえる者はおらぬか?」
キョ
そこで許ちょが赴いた。
コウイ
劉備「校尉(許ちょ)殿。何の用で?」
許ちょ「丞相様が、至急戻られるようにとの話である。」
劉備「既に勅命を受け、出陣している。古にも『将は外にあって、君命も受けざる
所にある』と言います。これは、きっと程いくや郭嘉が賄を渡さぬので、悪し
き事を丞相様に吹き込んだのであろう。よもや、関羽殿がいないとさみしいと
言う理由でもあるまい。」
と言ったので、許ちょは引き返した。
曹操「賄を渡さぬからと言って、悪しき事を吹き込んだのか?」
程いく「それも劉備の嘘でしょう。」
曹操「まあ良い。また追うまでも無かろう。(ああ、言われてしまうと(T_T))」
徐州に着いた劉備は、守備を固めて、袁術に備えた。
エンジュツ
袁術は徐州に着くと劉備を攻め、負けて退却する。
しかし、真夏で食が乏しく、山賊に略奪を受けた者だから、兵は逃げ、飢え死に
する者が続出した。
袁術「蜂蜜水は無いのか?」
料理人「蜂蜜何かある訳が無かろう。俺の黄金水でも飲むか?」
袁術「袁術たる者がそんな趣味ある訳無かろう。せめて可愛い幼女なら・・。」
料理人「俺の婆ぁならいるぜ。」
袁術「そんなのいやだ~。」
と言うと血を吐いて死んでしまった。
シャチュウ
劉備はそのまま、徐州に留まったが、仮の徐州の牧車冑がこれを取り除こうと謀
ったので、関羽は返り討ちにした。
劉備「曹操が攻めて来たらどうしよう。」
関羽「それがしが退けましょうぞ。」
劉備「それとてもただではすむまい。」
陳登「それがしに曹操を退ける策があります。」
22.官渡の前哨戦
陳登「曹操が恐れているのは袁紹です。これと連合するが良かろうかと?」
劉備「しかし、袁紹とはてづるは無いし、先にも弟の袁術を死なせたばかりなのに。」
陳登「てづるならあります。」
劉備「前と同じ手は食らわんぞ。いもづるとか?」
陳登「(せっかく用意したのに(;_;))」
テイセイコウ
劉備「それは、鄭成功先生であろう。」
注:台湾の神、中国の抗清の英雄。半日半中のハーフでもある。国姓爺と
呼ばれた。
テイコウセイ
陳登「鄭康成ですってば。」
劉備「そうであった。」
テイゲン
鄭玄(鄭康成)はこの話を心良く引き受けた。
エンショウ
袁紹「劉備は弟を死なせたから助けてやる方は無いが(まあできそこないだし。)
鄭康成先生の紹介であれば、救援せねばなるまい。」
デンホウ
田豊「度重なる戦乱で人民は疲弊しております。民を休ませ、天子に先の勝利を上
奏し、それが通らなければ、曹操は勤王を妨げる逆賊と兵を起せば良いでしょ
う。それから、兵を増やして地方を堅く守れば、敵は落ち付く事ができず、3
年もすれば敵は自ずから滅びるでしょう。」
シンパイ
審配「その必要はなかろう。自分ができる事を勝手にやれば必ず勝てる。例えば、
自分がある仕事を担当しているとする。それと少しも関係なくても、自分に興
味 があれば関係あると言いはって、勝手にやるべきであろう。逆に興味が無
ければ関係会っても無いといいはって他人に押し付けるべきである。だから、
今、曹操を叩かずして何時叩くのだ?」
田豊「(話がそれてる・・・。)」
ソジュ
沮授「勝つのには戦に限らぬであろう。曹操軍は規律正しく手ごわい。公孫さんと
デンゲンコウ
は違うのだぞ。田元皓(田豊)殿の妙案を捨ててまで無謀な策に走るべきであ
ろうか?」
カクト
郭図「いや、そうじゃなくて、曹操を討つ事は無謀な策ではないでしょ(^o^)
劉備と連合して曹操と戦うのがいいんじゃないかなあ(^o^;)」
田豊「やはり、今、出兵すべきでは無いでしょう。持久するべきでしょう。」
審配「出兵すべきでは無いと言うのならば、公孫さんの時は出兵すべきでは無いっ
て言うべきであろう。」
田豊「(やっぱり、話がそれてる・・・。)」
沮授「今と公孫さんの時とは違うのだ。」
田豊「だから、言っているのは曹操と戦うのは逆賊を倒す事だからいいんじゃない
のかなって事なんだけどね・・・。」
袁紹「(まだ、やっている。つまらないから聞き流そう。)」
キョユウ
許攸「何をやっているのでしょうか?」
袁紹「いつもの如くの討論だ。やはり曹操に出兵すべきであろうか?」
許攸「攻めなければ、いつかは攻められるでしょう。」
袁紹「出兵すべきなのかな?」
許攸「ご自由に。」
袁紹「では、出兵するぞ。」
ガンリョウ ブンシュウ
そこで、袁紹は劉備と連合する旨を伝え、顔良、文醜などを将軍に、兵をあげた。
郭図「曹操討伐と決まったからには、檄文を書いて大義名分を明らかにすれば、い
いんじゃないかな(^o^;)」
こうして、檄文が書かれほうぼうに立てられた。
ゲキ
檄文は長いので割愛。
曹操「(ぶっる)急に寒気がしてきたぞ。これを書いたのは誰だ?」
カクカ
郭嘉「陳琳と思われます。」
曹操「なるほど文はうまいが、袁紹の武はどうにもなるまいて。」
コウユウ
孔融「袁紹は強いゆえ、和睦するがよろしいでしょう。」
ジュン
荀いく「無能な袁紹など、100万兵がいたとて負ける訳がありませぬ。」
ホウキ シンパイ カクト キョユウ デンホウ ソジュ
孔融「いや、そうではあるまい。逢紀、審配、郭図、許攸は知謀に長け、田豊、沮
授は忠義の士である。顔良、文醜、張こう、高覧などは優れた将でありますぞ。
何故、袁紹を無能と申しますか?」
ジュン
荀いく「それは、一を知って、二を知らぬ。いかに部下が優れていても、無能は無
能。それに、審配はわがままで見当はずれの事を言うし、郭図は発言に主体
性が無い。逢紀は人の言う事を聞かぬし、田豊は主君に逆らう発言ばかりす
る。これでは、まとまる訳はない。いづれ仲間割れするのがオチであろう。」
ジュンブンジャク
曹操「まさしく、荀文若(荀いく)の言う通り。」
リュウタイ オウチュウ
そこで、劉岱と王忠を派遣して劉備を攻めさせ、曹操は袁紹に備えた。
リュウビ
劉備「曹操の軍が攻めて来た(゜o゜;
袁紹の所は仲間割れして進軍して来ぬ様だし・・・。」
チントウ
陳登「でも、曹操はおらぬでしょう。」
劉備「なぜ、なぜ?」
陳登「ここと袁紹とどっちが強いでしょうか?」
劉備「なるほど(^_^)」
張飛「兄貴、確かめて来てやる。」
劉備「おまえは、何するかわからんから駄目だ。」
関羽「それがしがまいりましょう。」
劉備「雲長なら大丈夫だ。」
一戦で、王忠は虜となった。
張飛「兄貴、劉岱は俺が捕まえる。」
劉備「大丈夫か?」
王忠が捕まったので劉岱は堅く閉じて動かない。
張飛「ちょっと、おまえ。」
兵士「また、酒に酔ってますね。」
張飛「態度が悪い、鞭打ちにしてくれる。
いっか~い ビシバシ
にか~い ビシビシ」
兵士「あん。あん。かんじる(ぞくぞく)」
張飛「で、コソコソ」
兵士「わ~ん。張飛がいじめた(T_T)」
劉岱「その傷はまさしく。」
兵士「張飛は夜襲をしかけるとか。」
劉岱「逆に返り討ちにしてくれる。」
劉岱は陣を空にして、外に伏兵を用意した。
陣に火の手があがる。劉岱の伏兵が攻めようとすると、逆に張飛の軍の挟撃受け
る。劉岱は逃げようとすると、ばったり張飛に出くわし、一撃で虜となる。
劉備「両君。それがしは、丞相(曹操)と仲直りしたいだけだ。」
と二人を許都に送り返した。
劉備「ははは、曹操が来ぬ限り敵はおらぬは。」
関羽「滅多な事はいわぬほうが?」
劉備「これるものなら来て見やがれ。」
23.禰衡の裸踊り
曹操「この恥さらしめが生かしてはおけん。」
孔融「まあ、王忠、劉岱とも劉備の敵ではありませぬ。」
曹操「・・・そう。」
孔融「今は冬のおり、寒さで兵を動かすのも・・・。春を待ちその間に、張繍、劉
表を帰順させればよろしいかと。」
そこで、曹操は劉曄を張繍の元に送った。
リュウヨウ
劉曄「曹丞相殿は誠に、漢の高祖の風格があります。」
カ
賈く「なるほど。」
一方袁紹も張繍の元に使者を送った。
使者「本初(袁紹)殿は殿の帰順を臨んでおります。」
チョウシュウ
張繍「う~ん。どないしよ。」
賈く「袁紹なんぞに様はない。とっとと帰りたまえ。」
張繍「それはどうしてでっか。袁紹が攻めて来たらどうするさかい。」
賈く「曹操につけば良いでしょう。」
張繍「しかし、本初殿の方が強大や。」
賈く「強大だからまずいのです。我々を侮りましょう。曹操は弱小ですから、我々
を大事にするでしょう。」
張繍「されども、前の仇があるわな。」
賈く「曹操は覇王の志があるもの、仇にこだわらず、徳を四海に振りまくでしょう。
それに仇にこだわるならわざわざ劉曄を派遣してきたりはしませんぞ。」
劉曄「こんちわ。」
張繍「(びくっ)あんさん、いつのまに。」
とこんな調子で張繍は曹操に帰順した。
曹操「今度は劉表を帰順させたいと思うが?」
賈く「劉景升(劉表)は、名士と交わるのが好きなゆえ名士を送るのがよろしいで
しょう。」
孔融「それがし、ひとり心当たりがあります。禰衡、あざなを正平と申し、それが
しに十倍する才能を持ちます。」
曹操は人をやって禰衡を呼ばせた。
ネイコウ(デイコウ)
禰衡「ああ、天下に人はおらぬか?」
曹操「人ならいっぱいいるぞ。」
禰衡「誰でございますか?」
ジュン ジュンユウ カクカ テイ チョウリョウ キョ リテン ガクシン
曹操「荀いく、荀攸、郭嘉、程いくは知謀の士。張遼、許ちょ、李典、楽進は勇猛な
カコウトン ソウシレン ソウコウ
将軍(略)、夏侯惇は天下の奇才、曹子廉(曹洪)は奇代の名将であるぞ。」
注:演義では、子孝(曹仁)だが、けちなのは曹洪なので変えた。
禰衡「それは間違いでしょう。荀いくは顔だけがとりえですから、弔問の使いに丁
度良く、荀攸は墓の番人、程いくは肉屋を、郭嘉には恋文を読ませ、張遼は太
鼓やかねを打たせ・・・(略)夏侯惇は『二目小僧』と呼び、曹子廉は『けち』
とでも名をつければいいでしょう。あとは妖怪の類。」
曹操「ならばおまえには何の才能があります。」
禰衡「何でもできますから、それは才能とは言えないでしょう。」
張遼「愚弄するにも程があろうぞ。」
曹操「まあ、まて面白い。禰衡おまえを太鼓叩きの職につけよう。」
禰衡は別に断りもせず承知して立ち去った。
張遼「あのような無礼なぜ生かしておくのです。」
曹操「あの者虚名だけはあるから、殺すと損するからな。何でもできると言うから、
太鼓叩きをやらせて生き恥をかかせようと言うわけだ。」
翌日、曹操は宴会を催した。
禰衡はみすぼらしい衣服でやって来て、太鼓を叩いた。リズム・音共に否のつけ
られなかった。
役人「何故、みすぼらしい衣服を着ている?」
すると禰衡は、衣服を全部脱ぎ捨て裸になった。
曹操「(うっ、でかい。)朝廷の上で無礼だぞ。」
禰衡「無礼だと思うから無礼なのだ。」
周りの者はみな彼を死刑にしようとした。
曹操「かような、鼠殺したとて得にもならん。それより、荊州に行って劉表を降参
させて来い。」
禰衡は行くといわなかったが、曹操は馬に荷物と禰衡をくくりつけて、東門から
追い立てた。
荀いく「印は、猫がよろしいでしょうか、ペリカンがよろしいでしょうか?」
曹操「飛脚にしておこう。」
ケイシュウ コウソ
禰衡は産地直送便で荊州に送られたがそこでも毒舌を吐き、黄祖の元に転送され
た。
黄祖の元で禰衡が殺されたとの報告があった。
曹操「自分の舌が仇となったか。しかし、劉表め、降参しないか。」
荀いく「まだ袁紹も劉備も負けておりませんぞ。この二つを滅ぼせば劉表は自然と
降伏するでしょう。」
トウショウ
一方、董承達は、曹操暗殺の計画を練っていたが、ここに吉平と言う医者がいた。
キッペイ
吉平「それがしに策があります。曹操は頭痛の持病があり、頭が痛む時はそれがし
を呼びまする。そこに毒を混ぜれば、生死はたやすく操れます。」
曹操「薬を作れ。」
吉平「(これはチャンスである。)出来たての内に飲んでください。」
曹操「(んぐんぐ)んまい。」
吉平「(はっ、何故きかぬ。)(゜o゜;」
曹操「誰にいわれて毒を混ぜた?」
吉平「知れた事、逆賊を殺すためよ。何故毒がきかぬ?」
モウトク
曹操「孟徳君ってば、毒が効かぬ体質なの。」
吉平「妖しげな妖怪達と交わりがあると聞いたがその噂は本当だったのか?」
曹操「内緒。」
かくして、董承達は一族郎党捕らえられ切られた。
24.劉備、袁紹に逃げる
曹操は、密勅を見つけてこれを読んだ。
曹操「これは、私を廃せよと言う密命に違いない。」
郭嘉「ならば、廃立すべきでしょうか?」
程いく「いや、これは単に弓矢を返して欲しいと言う意味では?」
曹操「はっY(゜゜;yそういえば借りたままであった(^^;
しかし、この血判状にある劉備と馬謄はどうしようか?」
程いく「馬謄は、知らぬふりをして誘き寄せた所をばさりと切れば容易でしょうが、
劉備を攻めるとなると、袁紹がその間隙を縫って来るでしょう。」
曹操「いや、袁紹がそんな事ができるはずが無い。むしろ劉備の方が恐い。
郭奉孝、まず劉備を攻めようと思うのだが?」
郭嘉「袁紹は心配いりませぬ。無能で決断力もなく、うろうろしているのがオチで
ありましょう。今の劉備なら一戦で討ち倒せるに違いありません。」
曹操「腹は決まった。」
小沛にいる劉備。
ソンケン
孫乾「曹操が攻めて来ます。」
劉備「げっ(゜o゜;、ホントに攻めて来たの(;_;)」
孫乾「袁紹に援軍を頼むしかないでしょう。」
河北の袁紹の陣に孫乾を送る。
デンホウ
田豊「なるほど、わかりもうした。主君に頼んで置きましょう。」
孫乾「・・・と言う訳でってまだ何も言ってないのに(;_;)」
エンショウ
袁紹「(うろうろうろうろうろ)」
田豊「主君。」
袁紹「(うろうろうろうろうろ)」
田豊「主君!!」
袁紹「(うろうろうろうろうろ)」
田豊「主君!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
袁紹「わっ、田豊ではないか。びっくりしたぞ。」
田豊「何をうろうろされているのです。」
袁紹「私には5人の息子がいるが、その中でも一番下の息子が気にいっている。
その息子が死にそうだと言うので気が気でないのだ。」
田豊「(いかにも説明的な科白・・・。)曹操は劉玄徳を攻めております。許昌の
城は今がら明きですぞ。今を逃して、曹操を倒す機会は無いでしょう。」
袁紹「それは解るが、いま息子の事が気がかりでそんな事まで頭が回らぬ。今でて
は却って不利益を及ぼそうぞ。」
田豊「(もともと回っておらぬくせに。)・・・。」
袁紹「出兵中に死なれでもしたら一生の悔やみとなろう。出兵はせぬぞ。」
田豊「(出兵しない方が悔やみとなるのに気が付かないのだろうか。)・・・。」
袁紹「もし負けたら、来るがよいと玄徳殿にお伝え申すがよい。」
孫乾は退出した。
田豊「嗚呼、天命既に尽きるか。餓鬼の病気ぐらいで、絶好の機会を逃すとは、悔
やんでも悔やみ切れぬ。」
再び小沛にいる劉備。
孫乾「袁紹の援軍は来ないそうです。」
劉備「それでは勝てる訳がなかろう。」
張飛「兄貴、心配するな。この張飛が曹操の陣に夜襲を仕掛ければ、勝てるはず。」
劉備「ホントか?しかし、こうなれば、何をやっても同じだ。」
一方、劉備を攻める曹操
曹操「今、ピーンと来たぞ。」
荀いく「何がでございましょうか?」
曹操「いや、劉備は夜襲を仕掛けてくるに違いない。
吉平の毒薬よほど、頭を冴えさせると見た。」
荀いく「(それは特異体質なだけだって)さようでございますか(^^;」
さて、張飛はその夜、夜襲をしかけたが散々に討ち破られ退路も絶たれたので、
何処とも無く落ち延びて行く。
張飛「くそお、何故、夜襲がばれたのだろう。
ぶつぶつぶつ・・・・。
おっ(゜o゜)わしごのみの少女だ。やはり、女の子は熟していないのに限る。」
少女「今日も薪拾いは大変。」
張飛「お嬢ちゃん。大変そうだね。」
少女「おじちゃん何か御用?」
張飛「(おじちゃん(;_;))おじちゃんが手伝って上げよう。」
少女「やだ、だって、知らないおじちゃんに手伝ってもらっちゃ駄目だって言われ
てるもん。」
張飛「お、おじちゃんは、悪い人じゃないよ。」
少女「いや、な、何するのおじちゃん。」
張飛「ぐふふ、あの山でP~な事を・・・。」
少女「きゃあ、おじちゃんやめて。変態。」
張飛「おじちゃんは変態ではない。ろり~なだけだ。」
一方劉備も袁紹の元に難を逃れた。
荀いく「徐州は関羽が守っていますが、玄徳の妻子がいるためこれを死守するでし
ょう。そうすれば、さすがの袁紹でも隙を見て攻めいるおそれがあります。」
曹操「どうすれば良いのか?」
荀いく「関羽を誘き寄せて、その隙に城を落とすのです。」
曹操「それでは、逃げられる恐れがあるではないか?雲長殿は絶対、絶対、ぜ~っ
たいこの手に入れなきゃ駄目なの。」
張遼「それがし、関羽とは幾分よしみがあるゆえ、解きふせて参りましょう。」
曹操「雲長殿と仲が良いだって、いいなあ。」
程いく「文遠(張遼)殿は関羽とよしみがあれど、それだけでは降伏しないでしょ
う。まず、計にはめ進退極まってから解きふせれば完璧かと思います。
しかし、何故殿は関羽にこだわります?」
曹操「(だってしょうがないじゃない。雲長殿ってかっこいいんだもん。
嗚呼、できることなら大声で叫びたいっ。そんでついでに押し倒したいっ
そんでもってP~したり、P~したり、P~したり。とにかく、やりたい
ったら、やりた~P~~~。)」
程いく「殿、なにを考えているので?」
曹操「はっy(゜゜;Y いや、何でもない。」
25.関羽、曹操に降る
程いく「関羽はひとりで一万を敵する勇を持つ者です。そこで、つい先程降参して
来た、劉備の兵を伏兵として潜り込ませ、その上で関羽を誘き寄せ、程よい
所で、逃げ道を絶つのです。」
そこで曹操は、関羽の元に降参した兵を選び送り込んだ。
あくる日、夏侯惇が攻めて来たので応戦した。夏侯惇は負けたふりをして、少し
ずつ後退をする。関羽はそれを追う。20里ばかり、城に過ちが会っては困ると思
い、兵を返すが徐晃、許ちょが道をふさぐ、ではとばかりに別の道を行くと今度は夏
侯惇が攻めて来る。これと言わんばかりに応戦するが、日暮れても城には帰れずじ
まい。すると、にわかに城から火の手が上がり、血路を開いて帰ろうとするが、弓
馬にかわされる。夜が開け再び試みようとするが、ひとり馬を走らせて来る。
関羽「文遠ここで勝負すると言うのか?」
張遼「以前助けられたがその借りを返す時が来た。」
関羽「それがしに味方してくれると言うのか?」
張遼「いやそうでは無い。」
関羽「では、何をしに来た?言っておくがこれはやおい三國志では無いのだぞ。」
張遼「安心せよ。それがしは、丞相では無い。玄徳殿も、張飛も行方が知れぬと言
う玄徳殿の一族の命も風前の灯火と言えよう。」
関羽「曹操に降参せよと言うのか?曹操に身体を売るぐらいなら、決戦して死ぬま
でだ。」
張遼「しかれども、そうすれば貴殿は天下の笑い者じゃ。」
関羽「忠義で死ぬのだ。笑い者になる訳がなかろう。」
張遼「それがし、ここで死ぬ3つの不利益を知っている。
兄弟同じ日に死ぬと誓ったものを違える。これがひとつ。
玄徳殿は妻子を預けた。もし貴殿が死ねば妻子の貞操と安全は保証できぬ。
これがふたつ。最後に死体にもいたずらができるのですぞ。」
関羽「それはまことだが、ではどうするのだ?」
張遼「今、四方は曹操の兵ならば血路を開いても勝てるまい。それより降参すべき
であろう。そうすれば、桃園結義に違えず、玄徳殿の妻子の身を守り、貴殿の
身も守れぬと言うもの。」
関羽「ならば、3つの項目を守っていただこう。それに同意してくれれば、降参い
たそう。かなわぬなら、死ぬまで戦うまでだ。」
張遼「その3つとは?」
関羽「丞相殿に身体を売り渡すつもりは無い事あくまでも漢に降るのだ。これが、
第1である。皇叔の二人の妻の安全と知行を賜る事。これが、第2。皇叔の行
方がわかれば、即座に立ち去るのを許す事。これが、第3。ひとつでも欠けれ
ば、死ぬまでよ。」
張遼は承諾を得るために、曹操の元へ飛んだ。
張遼「関羽は、あくまで丞相殿では無く漢に降ると申してます。」
曹操「俺は漢の丞相だから、漢とは俺に降参する事。良かろう。」
張遼「第2に玄徳殿の妻の安全と知行を賜るよう言っています。」
曹操「妻の貞操は保証しよう。知行も倍にしてさし上げよう。」
張遼「玄徳殿の行方が知れれば、即座に立ち去ると申しております。」
曹操「それでは、意味が無い(;_;)それだけはならぬぞ。」
張遼「何も、丞相様が玄徳殿より関羽をほれさせればすむことではありませぬか?」
曹操「なるほど。一理ある。私に雲長殿をほれさせれば良い事だな。良かろう。」
張遼は関羽の元に戻って来た。
張遼「丞相様はよろしいと申しております。」
関羽「ならば、しばらく兵をひいてもらいたい。兄嫁に会って話したい事がある。」
荀いく「それは行けませぬ。何か計略を謀られたらどうしようもありません。」
曹操「雲長殿は義を重んじる。そんな事をするはずがなかろう。」
関羽は兄嫁と話をつけると曹操の元に戻って来た。
関羽「敗軍の将に、助命の大恩もったいなく思います。」
曹操「雲長殿の忠義には兼ねてからほれぼれしておった。今日対面がかなって、久
しい大望がかなったぞ*^_^*ポッ」
関羽「文遠殿の申した三ヶ条、よもや違う事はありませぬな?」
曹操「一度約束をかわした事に信義を違う様な事はせぬぞ。ところで、雲長殿・・。
今宵・・・。」
関羽「三ヶ条に丞相殿に身体を売り渡すつもりは無いと申したはず。」
曹操「・・・は満月。詩でもたしなもうぞ。(;_;)」
コウシュク
関羽「それがし、皇叔の行方が気になってそれどころでは?」
曹操「乱戦に命を落としたかもしれぬ。が、まあ、気長に探して見よう。(悪運だ
けは強いからな劉備は。)」
あくる日、陣払いをして許昌へ戻った。許昌へ戻ると曹操は、関羽に特別に屋敷
を与えた。
曹操は宴会を開き、関羽を上座に置き沢山の引出物を与えた。しかし、関羽はそ
れを兄嫁に預けてしまった。
曹操「プレゼント作戦は失敗か?」
カクカ
郭嘉「美女を献上し、毎晩関羽の耳元で丞相様の良さを吹き込む様にすれば、いつ
かなびくでしょう。」
曹操「それはいい。」
あくる日、また宴会を開き、曹操は10人の美女を与えた。関羽は断る訳にもい
かず、受け取ったが、兄嫁達の身の周りの世話をさせた。
曹操「また失敗した(;_;)」
郭嘉「丞相様そんなに嘆きなさるな。丞相様の誠意はきっと関羽にも伝わっている
事でしょうぞ。」
曹操「そうだと良いな(^_^)」
ある日関羽が古ぼけたひたたれを着けているのを見た曹操は、豪華な錦で新しい
ひたたれをつくり、関羽に与えた。
曹操「古いひたたれの上に重ね着するとは、雲長殿、倹約が趣味であったか?」
関羽「いや、古いひたたれは兄上から賜ったものでこれを着ていると兄上のぬくも
・・・・はっ、兄上を近くに感じる事ができる気がします。しかし、丞相様に
いただいたせっかくのひたたれ。これも着ないのは惜しく兄上のひたたれの上
に重ね着したのです。」
曹操「まことに義士よ。(また駄目だ(T_T))」
そのあくる日、曹操は関羽を呼んで宴会を開いた。
曹操「雲長殿、髯はどれくらいあるのかな?」
関羽「最近、数えた事がありませぬが、昔数えた時は465本までは覚えています
がそれから解らなくなってそれっきりです。もっとも秋には抜け落ちるので、
冬には紗の袋で包んで髯が切れぬようにしています。」
曹操「それは大変であろう。丞相謹製の髯入り袋を進呈しよう。それがしが、愛を
込めて作ったのだ*^_^*ポッ」
またあくる日関羽は、みかどの前に出た。
ケンテイ
献帝「なんじゃ?その髯入り袋は?」
関羽「臣の髯は長うございますので、丞相様がこの袋に髯を貯えよとくださったも
のです。」
献帝「その髯を良く見せて見よ。
・・・・。
嗚呼、まことに美髯公だのう。」
それから、美髯公と呼ばれるようになった。
曹操「しかし、関羽はガードが堅いの(;_;)」
郭嘉「ひたすら、努力あるのみです。」
曹操「何をやっても喜ばない(;_;)」
そして、ある日。
曹操「雲長殿の馬は痩せておるが?」
関羽「それがし身体が重いので、馬が持ちませぬ。」
曹操「この馬はどうかな?」
関羽「これは、呂布の乗っていた赤兎ではござらぬか?」
曹操「これを、あげようと思うのだが?」
関羽「丞相殿これはかたじけない。」
曹操「そんなにうれしいか(^_^)」
関羽「これで兄上を見つけたら千里を飛び越えてすぐにでも会いにいけまする。」
曹操「あっ・・・(T_T)」
曹操「これだけ雲長殿を慕っておるのに一向に態度を変える素振りも見せぬ(;_;)」
張遼「それがしが確かめて参りましょう。」
張遼「それがし、おぬしに対する丞相様の待遇決して悪くは無いと思うのだが。」
関羽「いつもかたじけなく思っているが、心は兄上の方に向いているのだ。」
張遼「丞相様のおぬしへの思い、玄徳殿がおぬしに対するものの比ではあらぬと思
うのだが?」
関羽「曹操の思い、手厚い事はわかっておりますが、それがしは兄上と生死を共に
すると誓った仲。背くわけには行かぬのだ。その代わり何か手柄を立ててから
去ろうかと思う。」
張遼「万が一、玄徳殿が死んでいたとしたらどうなさるか?」
関羽「地獄までお供します。」
曹操「どうであったか?」
張遼「・・・と言う訳で、劉備と生死を共にすると言っているゆえ、ここには留ま
りますまい。」
曹操「嗚呼、どうしても私の側をさると言うのか(;_;)」
荀いく「ならば、関羽に手柄をたてさせなければよろしいでしょう。」
曹操「それは良い案だ(^_^)」
そのころの劉備。
袁紹「玄徳殿顔色が冴えぬな?」
劉備「それがしの義兄弟は行方知れず、妻は曹操に捕まったと言い、気が気ではあ
りませぬ。」
袁紹「そろそろ季節も良いし、出兵の時期かな。」
田豊「先に曹操が徐州を攻めたおり、あれが千載一遇のチャンスであったのを逃し
たと会っては、もはや勝ち目は薄いでしょう。持久の構えを見せ、奇兵で敵を
翻弄すれば、2年経たずして相手は滅びるでしょう。」
袁紹「しかし、多勢に無勢。勝てるであろう。」
田豊「行けません。曹操は勢いがあり、敵しにくい相手です。ここは持久すべきで
す。」
袁紹「ええい、出兵するのだ。儒者くずれのくせに、いつも反対ばかりする。首だ、
首だ、首を打て。」
劉備「まあ、落ち付きなされ。田豊と言えば名士です。それにこの程度の事は首を
はねるのに値しましょうか?」
袁紹「まあ良い。時間が無い。取り敢えず牢にぶちこんでおけ。」
これを知った沮授は家財を一族に残らずわけ与えた。
ソジュ
沮授「嗚呼、これで我が軍の敗北は決定的となったか。」
袁紹「先手を顔良とし、曹操めの機制を制してやる。」
沮授「顔良は蛮勇の持ち主です。危険ですからひとりで任せぬように。」
袁紹「わしの言う事は正しいのだ。貴様らに何がわかるか?」
関羽「それがし、手柄を立てて見せましょう。」
曹操「いや、今は必要なかろう。雲長殿。」
ガンリョウ ソウケン ギゾク ジョコウ
顔良との戦いであるが、曹操は宋憲、魏続のふたりの大将を失い、徐晃も20合
ばかりで逃げ返って来た。
曹操「使える武将はいないのか?」
程いく「関羽がいましょう。」
曹操「しかし、雲長殿がここで手柄を立てたら逃げてしまわぬか?」
程いく「いや、劉備は今、袁紹の元にいます。もし、関羽が丞相の尖兵となって、
袁紹の将を殺したと聞けば、劉備を殺すに違いありません。そうすれば、関
羽は丞相を頼るしか無いでしょう。」
曹操「さすが、仲徳。悪知恵が冴える。」
関羽は呼び出されると、乱戦の中に突入して顔良の首を討ち取って来た。
曹操「雲長殿。すばらしい、ブラボー。」
関羽「この程度の事なら義弟の張飛ならもっと簡単にこなすでしょう。」
曹操「(゜o゜;張飛か。忘れるなみなの者。(忘れないようにφ(..)メモメモ)」
26.関羽許昌を去る
ここは、袁紹の陣。
袁紹「顔良が斬られただと(゜o゜;」
沮授「報告によれば、その斬った者は青竜刀を構え、一直線に突撃すると、顔良の
首を斬り、悠々と引き返したとか?」
袁紹「それは誰か?」
沮授「きっと、玄徳殿の弟、関雲長に違いありませぬ。」
袁紹「貴様の弟が敵陣にあるとなったらきっと内通しておるに相違なかろう。首は
ねである。」
劉備「ちょっとお待ちを。それがしは、弟が生きているなどと今の今まで知らなか
ったのですぞ。それに青竜刀を使っているからと言って関羽とは限らぬでしょ
う。何者かが、それがしをおとしめる為にわざと作らせたかもしれませぬゆえ。
(そんな訳無いけど。)再考くだされ、一、斬った首は二度とくっつきませぬ。」
袁紹「あ、危うく、つ、罪も無い者を殺すところだった(*_*)」
ブンシュウ
文醜「それがしがきっとかたきを取りましょうぞ。」
袁紹「そちなら、顔良のかたきを打てるであろう。さあ行くがよい。河水を越えて、
曹操が首を得るのだ。」
沮授「それは、危険です。曹操の来襲に備えるべきです。」
袁紹「聞く耳持たぬわ。その発言は決断を鈍らせ士気を落とすためか?兵は迅速を
たっとぶのだぞ。」
沮授「どこから、そんなくだらない言葉を覚えたのやら。生兵法は怪我のもと。何
もできぬならできぬで、無能なら無能で余計な口などを挟まず、おとなしく才
能ある者にすべてを任せるべきであろう。これでは無事に河水を渡り切れるも
のか?」
沮授はその日から病にかこつけて軍議にでなくなった。
劉備「それがしは、殿の恩義に報いる為に、文将軍と共に出兵し、関羽の消息も調
べて参りましょう。(雰囲気悪いのぉ。)」
文醜「玄徳殿は敗戦多く迂闊に先陣させるべきではありませぬ。それがしの後陣を
守らせる事にしましょう。」
劉備「(図星な事を・・・。)」
一方曹操の元に、文醜が河水を越え、延津の辺りまで出撃して来たと知らせて来
た。
曹操「兵糧部隊を先発させ、本隊を後発させよう。」
リョケン
呂虔「それは、余りに危険ではありませぬか?」
曹操「まあ、それも一興であろう。」
文醜「曹操の馬鹿め。とうとう変になったな。突撃。」
瞬く間に兵糧部隊は蹴散らされた。
呂虔「退け、退け~。」
ジュンユウ
荀攸「何故退くのです、文醜が網にかかっていると言うのに?」
曹操「めっ(-_-;」
荀攸「・・・・(゜o゜;」
すると、文醜の兵はは略奪品を取ろうと陣形が崩れ始めた。
曹操「全軍突撃開始。」
すると、文醜の軍は大混乱となり、文醜も慌てて逃げる。
曹操「誰か、あれを斬る者は無いか?」
チョウリョウ
張遼「それがしにお任せあれ。」
ジョコウ
徐晃「何のそれがしにこそお任せあれ。」
張遼「それがしに。」
徐晃「いやそれがしに。」
張遼「それがしならきっと文醜の首を・・・。」
徐晃「首を取るのはそれがしである。」
曹操「ふたりで言ったら?」
張遼「なるほど、そういう手もあった。」
徐晃「あっ、そうか?」
曹操「(-_-)」
とかやっている間に、文醜は関羽に追いつめられふたりが追い付いた時は、文醜
の首は関羽の手に落ちていた。
劉備「また、青竜刀を持った男が・・・?」
劉備は馬を走らせる。
劉備「どこにいる?」
兵士「あそこに、『漢の忠臣、劉皇叔が弟、関雲長ここにあり』と大書きされた旗
印が。」
劉備「唯でさえ立場がやばいのにあれはちょっと派手すぎるぞ(゜o゜;
まあ、いいやどうせ勝てんし帰ろ。」
カクト
郭図「劉備は関羽が文醜を殺したと言うのに知らぬふりをしてますよ(^o^)」
シンパイ
審配「殺すべきでしょう。」
袁紹「みみずくめ。とんでも無い奴だ。」
劉備「きっとそれは、曹操が偽関羽を利用して、それがしを殺そうとする計略に他
なりません。」
袁紹「何故わかる?」
劉備「曹操は私が、殿の元にいる事を知っています。そして、あの様にわざと目立
つ旗印を使って弟の仕業と思い込ませている訳です。それがしを殺せば、事の
他曹操がおよろこびになるかと・・・。」
袁紹「なるほど、危うく賢者を殺す所だった。しかし、関羽が手に入れば鬼に金棒
では無いか?」
劉備「(焼け石に水だと思うのだが?)それがし、思う所、恐らく関羽は曹操の手
にあるのでしょう。さすれば使者をやってそれがしの元に来る様に知らせまし
ょう。」
袁紹「しかし、それでくるのか?」
劉備「大丈夫です。それがし、曹操の弱点を知っておりますゆえ。」
そのころ曹操の陣では、汝南のきょう都、劉辟が暴れまわっていると言う報告があっ
た。
曹操「子廉(曹洪)では駄目か?」
関羽「それがしが行って打ち破って来ましょう。」
曹操「私の手の届くところに居て欲しいのに。」
関羽「それがし、暇を持てあますと病気になります。」
曹操「暇つぶしなら私が相手に・・・。」
関羽「暇を持てあますと病気になります。」
曹操「駄目っていったら(T_T)」
関羽「病気になります。」
曹操「なら、私が看病してあげよう。」
関羽「きっと、兄上を求めて魂はさ迷うでしょう。」
曹操「良かろう(T_T)」
荀いく「これ以上手柄をあげさせると、関羽は去ってしまうのでは?」
曹操「(T_T)」
関羽は汝南まで進軍すると、ふたりの間者を見つけた。
関羽「やや、おまえは孫公祐(孫乾)。」
孫乾「それがし、徐州での敗北の後、汝南の劉辟の元に身を寄せていました。」
関羽「兄上の居所は知らぬか?」
孫乾「風の噂では袁紹の元にいるとか。」
関羽「それがし、さっき袁紹の将ふたりを斬ってしまった(゜o゜;
兄上の身が心配だ。」
孫乾「それがしが調べて参りましょう。」
関羽「それがしも曹操に暇乞いをしてから去らねば。」
あくる日。
関羽は、きょう都を攻める。
関羽「何故、国に逆らう?」
きょう都「おまえこそ裏切り者であろう。」
関羽「何故だ?」
きょう都「玄徳殿は、袁紹の元にいるぞ。早く行ってやらぬのか、それがしはなむけと
して、汝南を開け渡そう。けなげよの、兄貴を探して三千里とは、汝の恋心、
必ずや成就するのだぞ。」
関羽「これはやおいじゃないって。」
関羽は汝南を取り返したので、兵民を安堵して許昌に帰った。
張遼「このままでは、関羽は行ってしまうのでは?」
曹操「何故(;_;)」
張遼「関羽は、劉備の居所を知ったようです。」
曹操「(;_;)(T_T)(;_;)(T_T)」
張遼「丞相様?」
曹操「切り札を出すしかなかろう(;_;)」
さて、丁度そのころ関羽の元へ劉備の使者が来た。そこで曹操に暇乞いをしよう
と館に赴くと、人払いの牌がかかっていた。
関羽「はっ、これは伝説の魔法の品、人払いの牌。これをかけると他人に挨拶でき
なくさせると言う・・・。丞相殿はそれがしを立ち去らさせてくれぬのか?」
翌日も、翌日も牌がかかっていた。
関羽「何たる事か?挨拶できぬと立ち去れぬでは無いか?張遼に聞いて見よう。」
張遼も病と称してでなかった。
関羽「嗚呼、人払いの牌の威力。何たるものか?
然れども、兄上の元には帰らねばならぬ。手紙をしたためて去り申そう。」
関羽は、手紙を書くと曹操の元に送り、貰った物は倉に封印して、赤兎馬に乗り、
青竜刀を引っ提げて、ふたりの兄嫁を車に乗せ北門へ向かった。
立ちはだかる門番。
関羽「どけ。」
門番「きゃあ。」
門番は、呆気なくやられた。
かくして関羽は城門から立ち去った。
曹操「雲長殿は律義なゆえ、挨拶せねば立ち去れぬはず。人払いの牌の威力を持て
ば帰れずに困っておろう。」
程いく「さすがはわが主。」
曹操「雲長殿から手紙か?嗚呼、その手があったか(;_;)
『それがし、皇叔殿とは生死を共にする仲。この度、皇叔殿が袁紹の元にいる
と知り、三ヶ条の約束に従い立ち去る所存。さすれば、頂戴したものは倉に封
印し、お返し申し上げる。ただ、赤兎馬は兄上を求める為に必要なゆえ戴く事
許したまわれ。』
嗚呼、雲長殿私を置いて去るのか(T_T)」
郭嘉「それがしが、寝所でお慰め申し上げます。」
曹操「嗚呼、傷心かな傷心かな(T_T)
雲長殿、嗚呼雲長殿、雲長殿
悲しみゆえ、詩も書けぬ。」
この『雲長殿、嗚呼雲長殿、雲長殿』と言う詩は後に名詩として有名になったか
どうかは定かでは無い。
27.五関に六将を斬る
サイヨウ
蔡陽「ここは、関羽を追いかけて捕らえてまいりましょう。」
曹操「今は、そんな気分ではない(;_;)」
テイ
程いく「殿がこれだけ目をかけておいでなのに、手紙ひとつで去るとは無礼に値し
ます。追って討ち、患いを後に残さぬ様にすべきでしょう。」
曹操「そちは私の心が解ってないな(T_T)
文遠(張遼)、そちは先に行って雲長殿を止め申せ。私は後から追いかけ、
見送りに出て、せめて最後にこの眼に雲長殿を焼き付けようぞ。また、旅費も
着物もやろう。そうすれば、いつか雲長殿が私の事を思い出してくれるかもし
れない。」
カクカ
郭嘉「(嗚呼、けなげかな。丞相殿。私は貴方のそんな所が好きです。)」
さて、関羽は一日で千里走る馬、赤兎に乗っていたが荷物や兄嫁を乗せた車もあ
ったのでそれほど進まなかった。すると、突然後ろから声がかかる。
チョウリョウ
張遼「雲長殿、またれい。」
関羽「文遠殿、そなたはそれがしを引き止めに来たのか?」
張遼「そうではない、丞相がひとめ別れを述べたいと言うので先発して来たのだ。」
関羽「例え、丞相が百万の兵を連れて来ても命の限り戦おう。」
曹操「雲長殿なぜも慌ただしく出発なされる。私は寂しいぞ。」
関羽「人払いの牌あれば、丞相に挨拶する事もかなわず、兄上が河北にいると知れ
ば、いてもたってもいられずこうして出立しましたゆえ。」
曹操「私は、雲長殿に褒美もやっておらぬゆえ、路銀として黄金を受け取るがよい。」
関羽「なんの、それがし何の功も立てておりませぬゆえ、他の将軍達に訳与えるが
いいでしょう。」
曹操「雲長殿も義士だ。されば、せめてこのひたたれを持っててはくれぬか?」
関羽は計略があるかも知れぬと勘繰って、ひたたれを青竜刀に引っ掛けると馬に
またがり、
関羽「丞相のひたたれ。かたじけなく思います。また後日会う時もあるでしょう。」
曹操「雲長殿達者でな(雲長殿、私は夜の寂しさをこれからどうすごせば良いと言
うのだ(;_;)(T_T))」
張遼「丞相様。あまり読者が勘違いされるような事を考えませぬよう。」
キョ
許ちょ「あの態度、あまりにも無礼ですぞ。ひっとらえてきましょう。」
曹操「いや、これで良いのだ。(嗚呼、悲しきかな。顔は笑って心で泣くか、孟徳。
さらばだ、雲長殿。私は潔く身を引く事にしよう。)」
郭嘉「(嗚呼、丞相様。私は貴方のそんな所が・・・。)」
張遼「くれぐれも、勘違いされるような事を考えませぬよう。」
ソウ カク
曹・郭「(;_;)」
関羽は曹操らと別れると、先行した車を追った。
関羽「おや?ひたたれに文字があるぞ。
『我愛雲長。曹操。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
リョウカ
廖化「関将軍お待ちください。」
関羽「まずお名前を聞こう。」
廖化「それがしは、襄陽の廖化・元倹と申すもの。それがしは、乱世に山賊に身を
落としていましたが、先程、仲間が車を捕らえましたが玄徳様の奥方の乗って
いると知り、これは出世のチャンスであるので、丁重に扱うように言ったもの
の聞かずに一緒にP~な事をしようなどと言う始末ゆえ討ちはたしたところで
ございます。」
関羽「そちがいなければ、奥方は危うく貞操を奪われる所であった礼を言う。」
廖化「ホント、P~な事をされる前で良かったと思います。」
関羽「その伏せ字どうにかならぬのか?」
廖化「これだけはどうにも・・・。」
さて関羽は廖化に礼を言って、別れ、その夜田舎屋敷に宿を求めた。
老人「立派なお方と見受けられるがお名前は?」
関羽「それがし、関羽・雲長と申します。」
老人「そ、それではあの有名な、関聖帝君様で。ありがたや、ありがたや。」
関羽「まだ、死んでません。」
コカ コハン
老人「さ、左様でござった。それがし、胡華と申します。息子は胡班と言いますが、
王植の部下をやっています。お手数でなければ通り道すがらにでも手紙をお渡し
くだされぬか?静かな湖畔におるでしょう。」
関羽「一晩一宿の恩。きっと届けましょうぞ。」
老人「ああ、ありがたや。さすが関聖帝君様。早速ご利益がある。」
さて、老人宅を去ると東嶺関と言う関を通りかかった。
コウシュウ
孔秀「将軍、手形が無いのに関は通せませぬぞ。と~せんぼ、通りたかったら私を
殺さないと駄目だよ。あっ!!」
関羽「では、通らせて戴く。」
『バサッ!』
孔秀「私の出番ってこれだけの為なの(;_;)ガクッ」
ここは、洛陽。
モウタン
孟坦「関羽は手形を持ちませぬ。密行に違いないでしょう。」
カンフク
韓福「とは言え関羽は勇猛であるから、真正面から戦っても勝てぬであろう。ココ
(と頭を差し)を使わねばなるまい。」
孟坦「ココですか。それがし、一計あります。わざと討って出て負けたふりをし、
誘き寄せたところで一斉にいかければ、虜とできるでしょう。それを許昌に連
れて帰れば、きっとご褒美が・・・。」
韓福「ご、ご褒美か?グフフフフ・・・
(『あん、韓福さま。そんなところ・・・。』
『いいではないか、こんなになっているくせに。』
『あん、韓福さまのH。』
『グフ。幸せだ。』
悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々。)」
孟坦「お取り込み中ですが、関羽が来ました。」
韓福「じゅるじゅる。良いか、手はず通りだぞ。」
孟坦「そこにいるのは誰か?」
関羽「関雲長なり。孔秀の様に斬られたくなければ通すがよい。」
孟坦「密行のくせに、生意気言うな。悔しかったらここまでおいで。」
孟坦逃げる。関羽追う。赤兎馬速い、赤兎馬速い、赤兎馬速い、速い、速い・・・。
『バサッ!』
孟坦「誘き寄せる前に斬られてしまった(゜o゜;ガクッ」
韓福「あ、孟坦が斬られた(゜o゜) 皆の者、関羽を逃す出ないぞ。わしのご褒美が。」
関羽「もう眼の前にいたりします。」
『バサッ!』
韓福「ご褒美が・・・。ガクッ」
関羽は道を急ぎ夜を通して沂水関まで来た。
手下「便器様、関羽が来ます。」
ベンキ
卞喜「卞喜だ。今、名で呼んだな。死ね。」
手下「あぅ(゜o゜;」
卞喜「一計案じたぞ。関羽を寺に誘い込み、寝入った所を闇討だ。」
手下「さすが、卞将軍。悪賢さだけは超一流。」
卞喜「一言余分だ。死ね。」
手下「あぅ(゜o゜;」
そこに関羽が来る。
卞喜「雲長殿、高名は聞いておりました。寺に宿を取ったゆえ。お休みになられれ
ば良いかと・・・。」
関羽「かたじけない。」
フジョウ
普浄「雲長殿、私に見覚えありませぬか?」
関羽「はてっ?」
普浄「小さい頃真向かいに住んでおりました。」
関羽「そ、そうか(^^;」
普浄「ところでここは、仏寺です。」
関羽「何故、その様な話を突然?」
卞喜「私は、雲長殿を宴会に呼んだのです。余計な話はやめて。」
関羽「同郷の者が昔話に興じるのが悪いか?」
関羽外を見えた、伏兵が見えた。
関羽「卞喜殿。おもてなしの意味はどっちの意味なのか?」
卞喜「あっ(゜o゜;かかれ。」
左右から兵士が飛びかかる。
『ブワサッ!』
手下「あぅ(゜o゜;」
関羽「卞喜。またれい。」
卞喜「やだ、死にたくない。」
卞喜、逃げる。関羽追う。卞喜追いつめられる。
『バサッ!』
卞喜「ここは便器・・・ガクッ」
さて、関羽はさらに馬をすすめ、けい陽に向かった。
オウショク
王植「これは、雲長殿。お待ちおりしてました。今日は休むが良いでしょう。」
そこで、関羽は兄嫁達を休ませ、自分も鎧を脱いで休んだ。
王植「関羽は丞相の命令に背く悪い奴だ。そこで、宿舎を一千の兵で囲み、火をか
けて焼き殺してしまおう。」
コハン
胡班「仰せの通り。」
胡班は、準備をすすめる。
胡班「とは言ったものの、関羽とはどんな人物かちょっと見てみよう。」
すると関羽は書物を読んでいる途中であった。
胡班「嗚呼、これは関聖帝君様か。ありがたや、ありがたや。」
関羽「何者?」
胡班「それがし、けい陽で働いている胡班と申します。」
関羽「もしや、父の名は胡華と申されるのでは?」
胡班「びくっ(゜o゜)良くお解りで、さすがは関聖帝君様。」
関羽「実は手紙を預かっている。」
胡班「どれどれ・・・・。嗚呼、それがしは忠義の士を殺してしまうところであっ
た。実は、王植は貴方の首を狙っています。・・・・ってな方法で。」
そこで、関羽は急いで支度をして、兄嫁を連れて慌ただしく城門を出て行った。
王植「関羽逃げるな。」
関羽「おうよ。」
『バサッ!』
王植「あっ!ガクッ」
関羽は河水近くまできた。
シン
秦き「どこへ行く。」
関羽「河北の兄上の元に。」
秦き「手形はあるのか?」
関羽「それがしが手形だ。」
秦き「それがしは夏侯将軍の命でここを固めている。手形無き者は通さぬ。」
関羽「なら斬って通るまで。」
秦き「それがしは今までの雑魚とは違うぞ。」
ガンリョウ ブンシュウ
関羽「顔良、文醜と比べたらどっちが雑魚だ。」
秦き「うるさい、うるさい、勝負だ。勝負だ。」
『バサッ!』
秦き「私ってば、雑魚だったのね(T_T)ガクッ」
そこに馬のひずめの音がする。
関羽「まだ、敵がいるか?」
ソンケン
孫乾「雲長殿久しぶりで。」
関羽「汝南以来で。」
孫乾「袁紹の元におりましたが、あの無能ぶりでは負けると決まってますから、立
リュウヘキ
ち去ろうと思っていたところ、劉辟、きょう都が再び汝南を取り返したと聞いて、
河北を抜け出す手段を考え、今皇叔は汝南へ向かっております。」
関羽「ならば、我々も汝南へ向かおう。」
28.主従相合する
ジョナン
関羽は孫乾と汝南へ出発したが、
カコウトン
夏侯惇「何の言われが会って、それがしの大将を討ち取った?」
関羽「丞相殿の許可をもらって、兄上の元に行くのに奸計を用いて邪魔を企てるか
らだ。」
使者A「待たれよ。雲長殿がいかれるのを妨げてはいけないと言う、丞相のお達し
です。」
夏侯惇「丞相は関羽が関所を守る将を殺したのをご存じか?」
使者A「それは存じませぬ。」
夏侯惇「ならば、捕らえて丞相にご検分してもらおう。」
関羽「きさまになんぞ恐くはないぞ。」
さて、十合しもいないうちに、
使者B「待たれよ。雲長殿がいかれるのを妨げてはいけないと言う、丞相のお達し
です。」
夏侯惇「丞相は関羽が関所を守る将を殺したのをご存じか?」
使者B「それは存じませぬ。」
夏侯惇「ならば、捕らえて丞相にご検分してもらおう。」
関羽「きさまになんぞ恐くはないぞ。」
さて、十合しもいないうちに、
使者C「待たれよ。雲長殿がいかれるのを妨げてはいけないと言う、丞相のお達し
です。」
チョウリョウ
使者C改め張遼 ゲンジョウ
「ちが~う、雲長殿、元譲(夏侯惇)殿、繰り返しやめい。針の飛ぶレコー
ドじゃあるまいし・・・。」
夏侯惇「張文遠殿、何の御用か?」
張遼「丞相殿が、雲長殿が各関の将を切り捨てたと聞き、誤りがなってはならぬと、
それがしを使わし、雲長殿を自由に通行させよとのお達し。」
シン サイヨウ
夏侯惇「秦きは蔡陽の甥だが、彼は私に託された。それを切り捨てたと会っては、
この腹おさまらぬは。」
張遼「いい加減に嫉妬するのはやめなさい。丞相の寝室に入れるだけで十分でしょ
う。」
夏侯惇「だって、入れるだけなんだもん。丞相はガードが堅くて(;_;)」
張遼「(^^;・・・。雲長殿はどうなされる。」
関羽「兄上が袁紹の元にいないので、探して回るつもりである。」
張遼「ならば、一度丞相の元に帰られては?丞相は、喉に箸も通らぬご様子。」
関羽「(箸が通るのか?)いや、今さら帰っても仕方なかろう。」
関羽は張遼と別れると孫乾と合流し、郭常なる人物の家に泊まった。
夜になると、郭常の息子がのたうちまわっている声が聞こえて来た。
従者「この男が赤兎馬を盗もうとした様です。」
関羽「なるほど、後ろから迫って蹴飛ばされたな。」
カクジョウ
郭常の息子「やろうとしてた訳じゃないって(;_;)」
郭常「愚息とはいえ、息子ゆえ許してやる訳にはいきませんでしょうか?」
関羽「老人の顔を立てて見逃してやろう。」
郭常「おお、立ってる。何年ぶりか・・・。」
郭常と別れて山道を三十里(約15kmぐらい)もいかぬ内に、山影からわらわ
らと百人あまりのものが現れた。
山賊「わらわら、わらわら。」
頭領「馬鹿者。わらわらは言わなくてもいいって言っているだろう。
我こそは、黄布の天公将軍(張角)の武将。恐かったら、赤兎馬を置いてい
け。命だけは助けてやろう。」
関羽「赤兎馬を知っていて、関羽を知らぬ訳が無いだろう?」
頭領「あの、丞相と相思相愛の関係と言う・・・。
関雲長”赤つらに、長い髭を持つ”でしたっけ?」
孫乾「そ、そうだったんですか?」
関羽「違うって(^^;変な、呼ばれ名を付けるな。」
と関羽が、髭入れ袋を取ると立派な髭が出て来た。
頭領「あの、雲長様でしたか。これは存ぜぬとは言え失礼をしました。
ハイゲンショウ
わたくし、裴元紹と申します。
郭常の息子め。おまえが余計な事を言うから。」
郭常の息子「だって、誰も名前つけてくれないんだもの(;_;)」
関羽「今度も父親の顔を立てて見逃してやろう。
ところでなぜそれがしの名を知っていた?」
裴元紹「ここから二十里程の所に臥牛山と言う山があります。そこの頭領で、元黄
布の周倉と言う者がいて、いつも将軍の話をするので一度お目にかかりたい
とは思っていたのですが・・・。」
関羽「かようなところで、豪傑がいても仕方なかろう。天下は広いのだぞ。」
すると馬の一隊がやって来るのが見えた。
裴元紹「あれこそ、周倉に違いませぬ。」
シュウソウ
周倉「雲長様だ。」
と慌てて、馬から飛びおりると平伏し、
周倉「周倉でございます。」
関羽「どこかであった事があるかな?」
カンペイ
周倉「かれこれ千年以上関平と共にあなたの側に立っているではありませんか?」
関羽「いつの話だ?」
周倉「今日幸いにもあえたのは天帝の導きに違いありませぬ。お馬周りの奴でも、
何でも引受ますゆえ、側に置いていただけませんでしょうか?」
関羽「それでは、手下はどうする。」
周倉「使えたい者は使えさせ、望まぬ者は自由にさせましょう。」
カンフジン
甘夫人「関羽、廖化の時は連れていかなかったと言うのに、周倉の手下は連れてい
くのでしょうか?それに元山賊では聞こえも悪いでしょう。」
注:劉備の奥さんです。
関羽「と言う訳で姉上が許されぬゆえ、しばらく待ちもうされ。」
周倉「千載一遇の機会をどうしてむざむざと逃せるでしょうか?大勢の者を連れて
はいかれぬと言うなら、手下は裴元紹に預けてついていきます。」
甘夫人「ひとりやふたりなら差し支え無いでしょう。」
裴元紹「ちとそれは・・・・。まってよ。ひとりじゃ寂しいよぉ(;_;)」
周倉は関羽の共をした。
数日いくと古城があった。
関羽「あの古城はなにか?」
土地の者「古城と申します。」
関羽「だから、あの古城はなにかと聞いておるのだが?」
土地の者「古城と申すのです。」
関羽「安易過ぎる(^^;」
土地の者「古城には、張飛と申す者が城を乗っ取り、4,5000人の手下を抱え
て威をはっています。危険ですから通りなさりますな。」
関羽「確かに危険だ。」
孫乾「それがしが先に行きましょう。」
さて、張飛は芒とう山で山賊となっていたが、劉備の行方を探して里へでたつい
でに兵糧を借りようとしたが断られたので、腹を立てて役人を追い出し、古城を乗
っ取っていた。
少女「張飛のおじちゃん。今度は何して遊ぶの?」
張飛「何ってナニしようか?」
少女「おじちゃんのH~。」
手下「孫乾とか申す者が面会したいと言っておりますが?」
張飛「急に入って来るな。」
ソンケン
城に入った孫乾は張飛と話をする。
張飛「兄貴はどうなったか知っているか?」
ゲントク エンショウ ジョナン
孫乾「玄徳殿は、袁紹の元におられましたが、今は汝南へ向かっておられると言う
キョショウ
話です。雲長殿が許昌から玄徳殿の夫人を連れてここまで来ています。」
すると張飛は蛇矛を手に取ると、一気に懸け出して行った。
ヨクトク
孫乾「あの~、翼徳殿どこへ行くのです。」
関羽は張飛を見ると、うれしさで馬で駆けだしていったが、張飛はこれを突き刺
そうとした。
関羽「弟よ。桃園の近いを忘れたのか?」
張飛「義理知らずが何を言うか。」
関羽「義理知らず?」
張飛「兄貴を裏切って曹操に降参して、その上一緒に寝たと言うでは無いか?」
関羽「寝てない、寝てない。」
甘夫人「張飛待ちなさい。雲長は、あなたがたの行方が解らなかったので、曹操の
元に厄介になっていただけです。兄さんが汝南にいると聞いてこうしてはる
ばる連れて来たのです。」
張飛「だまされては行けません。こいつは誰とでも寝る様な奴ですぞ。」
孫乾「雲長殿はわざわざ将軍を探しに来たのです。」
張飛「嘘をつけ、俺を捕らえに来たのだろう。」
関羽「捕まえるなら軍勢を連れて来るであろう。」
張飛「ではあれはなんだ?」
張飛が差した方向から、砂埃が舞う。旗印は曹操のものと見えた。
張飛「あれでも、シラを通す気か?」
関羽「ならば、あそこにいる将軍を切って本心を明かそう。」
関羽が一騎馳せると、果たして、
サイヨウ
蔡陽「きさまは甥の秦きを殺してどこに逃げたかと思えばこんな所にいたのか?」
と言い終わらない内に、青竜刀の餌食となる。
蔡陽「長い伏線の割にあっけなく殺されるのね私って(;_;)ガクッ」
張飛は、その間兵卒から関羽の許昌での様子を聞き、ようやく納得した。
張飛「なるほど、寝たと言うのはガセだったのか。」
すると、南門に十数騎ほどがやって来ると言う報告があり、あわてていってみる
とそれははたして、糜竺と糜芳であった。
ビジク
糜竺「しばらく、郷里に身を隠して、ほうぼうに人をやって話を聞かせていたとこ
ケンワ カンヨウ
ろ雲長殿は降伏し、主君と憲和(簡雍)殿は河北におられるとは知っておりま
したが、将軍がここにいるとは知りませんでした。昨日『張某と言うものが、
古城を乗っ取っている』と聞き、もしやと思って来たのですが果たしてそうで
ありましたか。」
張飛「話ができ過ぎている・・・。」
糜竺「はい?」
コウユウ
張飛「さっき、姉上と雲長と公祐(孫乾)が来た所だ。」
さて、一同は会して、別後の事を語る一方、豚や羊を屠って宴会を催した。
孫乾「あの少女は何者ですか?」
張飛「通りすがりの少女だが、可愛かったものでひっさらってきた。」
関羽「それって、犯罪・・・。」
少女「張飛のおじちゃん。さっきの続きをしよ。」
関羽「あれか?どこかで見たような顔付き・・・。」
あくる日、張飛は関羽と汝南に行くと言ったが、
関羽「おまえは、姉上とこの城を守っていてくれぬか?」
リュウヘキ
汝南にはきょう都と劉辟がいたが、劉備はいなかった。
劉辟「皇叔は、我々の兵が足りぬので、3日前に河北に帰って相談しにいかれた所
だ。」
孫乾「河北に行き、皇叔殿にお知らせして古城まで同道すれば良い事でしょう。」
再び古城に帰って来た。
張飛「兄貴、おいらも行くぞ。」
関羽「古城とは言え、今は本拠だから捨てる訳には行かぬであろう。私と孫乾が行
って、兄上を連れてまいろう。」
張飛「兄貴って文醜と顔良を殺してるから危なくていけるか?」
関羽「大丈夫、臨機応変に対処して見せよう。」
張飛「兄貴。俺だって臨機応変だぞ。」
関羽「むちゃくちゃって読むのだろう。」
張飛「ちぇっ。いいもん。遊んでるから。」
と二十騎あまりを率いて出立した。
ガギュウザン
関羽「臥牛山にはどのくらいの人馬がいるか?」
周倉「兵は500、馬は5,60頭と言うところでしょう。」
関羽「ならば、別の道を行き、この者達を連れて街道筋で待っているがよい。」
数日して、領境迄来た。
孫乾「将軍は危険ですから、私が先に行って皇叔を連れ出す手段を考えてて来まし
ょう。」
関羽は同意して、腰を落ち付けようと周りを見ると一件の田舎屋敷が見えた。
老人「どなたでございましょうか?」
関羽「関羽・雲長と申すものです。」
カンテイ
老人「それがしは関定と申します。ご高名は常に聞いております。いくらでもゆっ
くりなされても結構です。」
そのころの張飛。
張飛「ほら、おじちゃんのはすごいぞ。」
少女「きゃあ、H。そんなところさわっちゃだめ。」
孫乾は一騎、劉備の元へ行った。
リュウビ
劉備は簡雍と相談の上、劉表を味方につける使者になると偽って、袁紹の元を抜け
出した。
劉備は関羽と合流した。
カンネイ カンペイ
関羽「この二人の息子は、関定の息子で、上を関寧、下を関平と言うそうです。」
関定「下の息子を将軍の奉公に出したいのです?」
劉備「年はいくつかな?」
関定「18になります。」
劉備「関羽どうする。隣に立たせるには十分であろう。」
関羽「兄上まで何の話をしているのです。」
劉備「関帝廟の話。」
関羽「まだ死んでないのに(;_;)」
関定「実は、雲長殿の隠し子と申したら・・・。」
関羽「(゜o゜;」
劉備「心辺りはあるのか?」
関定「ほんの冗談ですよ。」
関平を養子にもらい、関羽とその一行は臥牛山へと向かった。
すると手負いの周倉が数十騎ばかりを引き連れて来るのが見えた。
周倉「それがしが、臥牛山へいくとひとりの大将が一騎で、裴元紹を倒し山を乗っ
取っていました。そこで、その将軍と手合わせしましたが、三回戦って、三回
破れてとてもかなわないので、ここで将軍をお待ちしていたのです。」
劉備「それは何と言う武者だ?」
周倉「それは知りませぬ。」
さて、劉備一行が山へ向かうとその大将が槍をふりかざしておりて来る。
シリョウ
劉備「子竜では無いか(;_;)」
チョウウン コウシュク
趙雲「皇叔殿お久しぶりです(;_;)」
劉備「嗚呼、こんなにうれしい事はないぞ。死んでしまったかと思っていた。」
趙雲「それがし、やっと本物のあるじに仕える事ができまする。」
劉備「私は幸せだぞ(T^T)」
さて一行は汝南に戻り、勢力を貯えていった。
劉備「その少女は誰かな?」
張飛「通りすがりの少女だが、あんまり可愛かったものでひっさらってきた。」
劉備「(張飛ってろり~だったのか)・・・。で、何と言うのか?」
張飛「聞いたことがないので知りません。」
少女「あ、妙才のおじちゃんから聞いた事があるけど、節操無しの劉玄徳って、貴方
の事なの?」
劉備「そんな噂信じちゃ行けません。」
糜竺「妙才と言うと、夏侯淵のあざなでは?」
少女「そう。」
関羽「どう責任取るつもりだ?」
劉備「残された道は祝言を上げるしかなかろう。」<なぜそうなる。
『ピキッ』
劉備「おお、翼徳が固まっておる。」
そのころの袁紹。
袁紹「劉表を口説きに行くと行って置きながら、劉備が帰って来ないぞ。」
郭図「もともと戦力外ですから放って置きましょ(^o^;
で、劉表よりも孫策と同盟を結んだ方がいいんじゃないかな?」
29.仙人のたたり
さて、その孫策と言えば、黄祖を破り、劉勲を打ち破り、虞翻を味方に付けて、
華きんを降参させ、豊かな江東を拠点に勢力をはっていた。
孫策は、張紘を使者に送り、曹操に大司馬の地位が欲しいと言ったがくれないの
で恨んでいた。
それをみた、許貢は、曹操に手紙を送った。
キョコウ コウセキ コウウ
許貢『孫策は、昔の項籍(項羽)の武勇に似てますから、都に形だけの高位につけ
て止めおかないと、後の煩いとなりましょうぞ。』
ところが、使者は孫策配下に捕まってしまった。
孫策「おぬしは、危険な場所においやろうと言うのか?曹操は、大丈夫と見ると、
何でも手を付けると言うではないか(`_')」
許貢「・・・。」
孫策は許貢を締め殺したが、その居候が敵を討とうとしていた。
ある時、孫策は狩りを行った。
居候A「チャンスだ。」
居候B「ちゃんすだ。」
居候C「CHANCEだ。」
孫策は、いつもの如く一騎駆けを始める。
孫策「おまえらは何者だ?」
カントウ
居候A「韓当の手下でございます。」
居候B「韓当の手下でございます。」
居候C「許・・。」
『ばきっ。」
居候C「何故たたく(;_;)」
居候A「なに、ちょっと突っ込みが早かっただけだ。」
孫策「・・・・。」
孫策は、放ってどんどん先に行ってしまった。
すると、居候Aの槍が孫策の先に刺さる。
孫策「痛い。」
孫策、剣をふりかざすも根元から折れる。
居候B「覚悟。」
『ひゅぅん。』
矢が孫策の頬をかする。
孫策「矢と言うものはこうやって撃つのだ。」
『ヒュン。」
居候B「やられた。」
残りの二人は槍で滅茶苦茶につきながら、
居候A「お前に殺された許貢の客人だ。主人の為に敵をうつのだ。」
居候C「お前に殺した許貢の柿食う客だ。」
孫策「それは、つまようじと言わんか?」
居候C「これは、槍だ。」
さて、その時程普がやって来た。
孫策「このくせものを倒せ。(`_')プンプン」
『ずたずた』
孫策は、手傷ひどく、顔の傷もひどかった。
カダ
そのころ、名医華陀は中原に出かけて行っていなかったので、弟子を呼んだ。
弟子「矢には毒が塗ってあり、それは骨まで達しております。百日の間、安静にし
ていれば快癒するでしょうが、くれぐれも怒気を発さない様にしてください。」
チョウコウ
さて、それから二十日。張紘が許昌から使者を送ってよこした。
使者「曹操は、おん君を子獅子の様だと申していました。」
孫策「そうであろう。そうであろう。」
使者「しかし、郭嘉は何とも思っていないとか。」
孫策「なんと言った?」
使者「・・・・。」
孫策「なんと言ったか?言わぬと殺すぞ(`_')プンプン」
使者「郭嘉が曹操に申すに、おん君はあとさき考えない匹夫の勇の持ち主であるか
ら、ひとりの刺客がいれば殺す事ができる。と申しておりました。」
孫策「さては、前の刺客。曹操の仕業か(`_')プンプン
誓って許昌を襲い、天子をお迎えしよう(`_')プンプン(`_')プンプン」
チョウショウ
張昭「あまり怒ると身体の毒です。」
袁紹の配下の陳震が来た。いわく、一緒に曹操を攻めようとあったので、孫策は
喜んで宴会を始めた。
すると、諸将がささやき初めて、三人、五人と抜けて行く。
孫策「どうしたのか?あれか?」
ウキツ
側の者「于吉仙人が通りかかったのでそれを拝みにいったのでしょう。」
孫策が見てみると于吉仙人が道の真ん中に立って、それを諸将、諸民が拝んでい
る。
孫策「あれは妖怪だ。捕らえろ。(`_')プンプン」
側の者「あれは、功徳を施す江東の福の神でございます。粗忽があってはなりませ
ぬ。」
孫策「主人の言う事が聞けぬのか(`_')プンプン
早く捕らえて来い(`_')プンプン(`_')プンプン」
側の者は仕方なく、于吉を連れて来た。
孫策「何の断りがあってこんな所で商売をする。妖怪め(`_')プンプン」
于吉「やつがれは山で修業し、人の病を治す書を見つけ、それで万人を救う事を務
めとしております。」
孫策「妖怪に良くあるパターンだな。こいつの首をはねよ(`_')プンプン」
張昭「于仙人は江東にきて、数十年。何の咎もありません。殺せば、人心を失うで
しょう。」
孫策「妖怪の一匹や二匹。殺したとて何も困らぬわ。(`_')プンプン」
官吏達が懸命に諌めるので、取り敢えず牢屋に放って置いた。
孫策の母「そなたは于先生に縄をかけたが、そんな趣味があったのか?」
孫策「趣味ではありませぬ。務めです。」
孫策の母「務めか知りませんが、あの方は万民の病を直し、軍民みな慕っておるの
に、何故その様な目にあわせるのです。」
孫策「あの者妖怪につき生かしておけませぬ。(`_')プンプン」
リョハン
呂範「于先生は、風雨を起せるとか?雨を降らせて罪の償いをさせてはいかがでし
ょうか?
孫策「では午の刻までに雨が降らなかったら焼き殺せ。(`_')プンプン」
午の刻が近づいて雨雲が集まって来た。
孫策「午の刻が過ぎたのに雨雲だけで雨はふらぬではないか(`_')プンプン」
孫策は、側の者に火を付けさせた。
すると突然雨が降り始め、火種を消し去り、しばらく立って何事もなかったかの
ように晴れていた。軍民が喜んで于吉の周りに集まるのを見て、孫策は激しく怒り。
孫策「今のは偶然に違いない。妖怪にたぶらかされるか(`_')プンプン(`_')プンプン
于吉とは不吉の間違いであろう。首をはねろ。」
孫策は、手の者に首をはねさせる。
すると青い気が立ち上り東北の方へなびいて行く。
孫策は死骸を見せしめににしたが翌日死骸は消えていた。
それを聞いた孫策は怒って、手打ちにしようとしたが、前に于吉が歩いているの
が見えて、激怒して斬り捨てようとしたが、目眩が襲い倒れた。
孫策の母「あのような罰当たりな事をするからです。」
孫策「妖怪の一匹や二匹、今までに倒しているがその様な事は一度もなかった。」
その夜、不吉な風が吹き、于吉の姿が寝床に立っているのが見えた。
孫策「妖怪め、死んでも悪事をなすか。(`_')プンプン」
と枕を投げ付けると姿は消えた。
孫策は母親のすすめで、道観に言ったがそこにも于吉がいる。怒って火をつけさ
せたが、その中にも于吉がいる。孫策はその日一日中どなりまくっていた。
孫策の母「おまえの顔はどうしたの?」
孫策が鏡をみると、痩せ細った顔がうつった。
孫策「何とかほどまで痩せ細ったのか?」
言い終わらぬ内に于吉の顔が鏡の中に見えた、
孫策は、鏡を叩き割ると傷口が割けて昏倒した。
孫策「わしはもう駄目だ。仲謀(孫権)をもり立ててくれ。内の事は張昭に、外の
事は周瑜に聞くがよい。」
と言い残して事切れた。享年26才。
さて、こうして孫権が江東の主となったが悲しみにかき乱されて、それどころで
はなかった。
その頃丁度、周瑜が帰って来た。
シュウユ
周瑜「兄上、なぜ先にいかれたのです(;_;)」
ソンケン
孫権「どうか兄上の志を忘れてくれぬよう。」
周瑜「兄上の意志とあれば、例え肝脳地にまみれたとしても恩を返さしていただき
ます。」
孫権「父と兄の意志を受けついだのは良いがどうすれば守り通せるだろうか?」
周瑜「『人を得る者はさかえ、人を失う者は滅び』と言います。才能のある遠大な
眼を持つ人を探して補佐すればよろしいでしょう。」
孫権「兄の遺言では、内の事は子布(張昭)に事は公瑾(周瑜)に聞くがよいと言
う事であったが。」
周瑜「内の事はよろしかろうけど、外の事はそれがし不才にして任務に耐え切れま
せぬ。補佐すべきひとりの人物を推挙しましょう。」
孫権「それは?」
ロシュク シケイ リクトウサンリャク
周瑜「魯粛・子敬と言い、『六韜三略』を胸に納め、知謀を腹にかくしております。」
注:六韜三略。昔の兵法書。
孫権「それは、こんな感じか?」
■■■
■○■○■
■■△■■
■-■
■■■■■■■■■
■■■六韜三略■■■■←棚がある。
■■■■■■■■■■■
■■ ■■■■■ ■■
■■ ■■■■■ ■■
■■知謀■←隠れて見えない。
魯粛・子敬特別図解
周瑜「・・・。とにかくきまえが良く、それがし食料尽きて困り果てておりました
ところ食料を借りたいと言いましたら、二つある倉の一つを差し、自由に持っ
て行くがよい。とこの調子です。」
そこで、孫権は周瑜を使いにして魯粛を呼びにやらせた。
魯粛は周瑜に同意して、孫権の元に来た。孫権はこれと議論したが一日中しても
飽きなかった。
また魯粛はひとりの人物を推挙した。
ショカツキン ロバ シユ
諸葛瑾・驢馬もとい、子瑜と言うものである。
曹操は、孫策が死んだと見て江東へ出兵しようとしたが、
チョウショウ(張昭にあらず、張紘にもあらず。)
張紹「逆に手ごわいでしょうし、勝利ができなければ仇敵を作るでしょう。ここは
手懐けて置くのが上策かと。」
チョウコウ
そこで、討虜将軍に孫権を封じ、張紘を帰らせた。
コヨウ ゲンタン
張紘はひとりの人物を推挙した顧雍・元歎と言う者である。
30.官渡の戦い
孫権が曹操についたと聞いた袁紹は、70万の大軍を発した。
カコウトン キョショウ
夏侯惇の危急の知らせを受けた曹操は許昌の守りを荀いくに任せ、自分は7万の
兵を率いて官渡に出撃した。
袁紹の方では、獄中の中で田豊が諌めの文書を奉った。
デンホウ
田豊『今は、みだりに兵を起すべきではなく、静かに備える時である。さもなけれ
ば天は見放すであろう。』
ホウキ
逢紀「こんな時に不謹慎な。討ち首にすべきです。」
袁紹「そうかなぁ。」
この場は、官吏が諌めたので
袁紹「曹操を打ち破ってからにしよう。」
と軍を出発させた。
ソジュ
沮授「我が軍は多勢なれど、勇敢さでは負けます。しかし、兵糧は多く、向こうは
少なければ、速決は向こうに理があり、持久はこちらに理があるでしょう。」
袁紹「おぬしも田豊と同じ事を言うのか?監禁しておって沙汰しよう。」
沮授「(即断速決なんてできもしないくせに・・・。)」
コウラン
さても北南両軍相揃い、北は張こう・高覧が、南は許ちょ・張遼らが並ぶ威風堂
々なる情景。
曹操「天子に取り立てて、大将軍にしてやったのに何故謀反をたくらむ?」
オウモウ
袁紹「逆賊はそっちだ。王莽、董卓よりひどい。」
注:王莽。漢と後漢の間に新と言う時代があるが、漢の帝位を纂奪して新を建国
した人すぐに滅んだが。
曹操「娘をさらって、P~な事などしとらぬわ。こっちは天子の勅命を受けて、討
伐するのだ。そっちこそ、メイドさんに無理矢理P~な事をして子供まで孕ま
せてる癖に。」
袁紹「それは、親の話だ。こっちも天子の密勅を賜っているのだぞ。生殖機能も無
い癖に子供作るような奴とは違うわ。」
曹操「それは、祖父の話だろ。張遼かかれ。」
袁紹「なんの張こう行け。」
四十合、勝負着かず、五十合着かず。
曹操「張こうか。大丈夫なり。メモしておこうφ(..)メモメモ」
ジュンユウ
荀攸「殿の手帳にもだいぶ空白がうまって来ましたね。」
曹操「なんの雲長殿が手に入らなくば、画竜点睛を欠くと言う事。」
コウラン
南からしびれを切らした許ちょが飛びかかる。負けじと北から高覧が飛び出る。
勝負は着く気配を見せない。
カコウトン ソウコウ シンパイ
曹操は夏侯惇と曹洪にそれぞれ3000の兵を与え、敵陣に挑ませた。審配は、
その動きを察知すると一斉に弩を放ったから、たまらず退却を始める。袁紹軍は、
それを追撃したので、曹操軍は総崩れ、官渡まで逃げ帰った。
審配「十万の兵を官渡に置き、曹操の陣前に置いて山を築きそこから矢をいかけま
しょう。名付けて、『遠き山は火に落ちて』の謀。
袁紹は同意し、山を築きその上に櫓を建てて雨の様に矢を射かけた。
曹操の軍勢は盾をかさに逃げまわった。
袁紹「これは、『逃げ惑うはりねずみ』の謀の方が良いな。」
曹操「どうするか?」
リュウヨウ
劉曄「ここは、石打車を用いて打ち破りましょう。名付けて、『大は小を兼ねる』
の謀。」
曹操「それはイモを焼く車の事か?」
劉曄「(^^;石を打つ車の事です。」
曹操「そうか解った、石蹴りロボット。」
劉曄「全然違います。」
曹操は、この車を数百台作らせ、これを打たせると袁紹軍の櫓は見る見る内に破
壊されて行く。櫓からは逃げられないので射手の死者が続出する。そこで、袁紹軍
はこれを『スカッドミサイル』と呼んで恐れた。
曹操「そうかスカッドミサイルと言うのか?」
劉曄「スカッドミサイルじゃ無いです。『霹靂車』と言うの。」
曹操「どうせルビにはスカッドミサイルて書かれるんだから。」
劉曄「へきれきしゃって読むんだい(;_;) 雷の如く石が降って来るからこういうん
です。」
曹操「始めっからしっとるわい。ちょっと茶目ッけを出しただけだもん。」
かくして、櫓から矢を射るものはいなくなった。
袁紹「この計略、『弓の練習し放題』の謀の方がいいかも知れぬ。」
審配「ならば、敵陣まで地下を堀進み奇襲を仕掛けましょう。『闇土龍敵陣を襲う』
の謀です。」
そこで、袁紹軍は穴堀を始めた。
劉曄「袁紹の奴、今度は穴堀でも始める様です。」
曹操「こんな所に埋蔵金などなかろうに。」
劉曄「陣の周りに深い塹壕を掘れば大丈夫でしょう。『気付いた時には奈落の底に
落っこちちゃう』の謀です。」
袁紹軍は、無駄な労力を浪費したが先にすすめなかった。
袁紹「この計略、『兵士の精力を運動で発散』の謀の方がいいかも知れぬ。」
両軍対陣したまま日は刻々と過ぎて行く。
曹操「許昌に引き返すべきか、引き返さないべきかそれが問題だ。」
劉曄「荀いくから手紙です。」
曹操「何々?
『今は、敵の要地を押さえていますから引くのは危険です。
敵は数多いですが、袁紹は無能です。だから、気にしなくても勝てます。』」
そこに敵将韓猛が兵糧を運んで来るとの報告があった。
ジュンユウ カンモウ
荀攸「韓猛は向こう見ずですから、その途中を襲撃してやれば敵は混乱するでしょ
う。」
ジョコウ
そこで、徐晃をやって攻撃させた。
袁紹「韓猛め、兵糧を奪われやがって。」
ウソウ
審配「烏巣は兵糧の集積地ですから守備を厳重にすべきでしょう。」
キシュウ ウソウ ジュンウケイ
そこで、袁紹は審配を冀州で補給の任につけ、烏巣の守りに淳于瓊を送った。
ただし、淳于瓊は使えなかった。
淳于瓊「こんな所でやってられるか。酒でも飲んでるぞ。」
さても曹操の軍は、兵糧が欠乏したので荀いくに至急送るように使者を送ったが
途中で袁紹配下の許攸に捕まった。
キョユウ
許攸「主君。曹操の食料はつきております。この機を逃さず、許昌と官渡を攻めれ
ば容易に曹操は虜となりましょう。」
袁紹「曹操は謀多き奴ゆえ。この手紙も偽手紙であろう。」
許攸「今は絶好の機会ですぞ。」
丁度その時審配から手紙がきて、そこには許攸が冀州に居た時、ろり~な写真集
をかき集めていたと書いてあった。
袁紹「やはり、曹操の昔馴染みだから、きっと曹操から無修正のろり~な写真集を
受け取って、姑息な罠にはめようと企んだのであろう。
許攸「(あんたも昔馴染みでしょうが・・・。)」
袁紹「去れ、二度と顔など合わせたくはないわ。」
許攸「審配め。私をおとしめるつもりだな。冀州に帰れる訳がなかろう。」
と剣を抜いて自殺しようと謀ったが、
側の者「袁紹は無能ゆえ、主の言葉の真実を聞かないだけです。いつぞや曹操の虜
となるでしょう。それならば、昔馴染みの曹操の元に降り、袁紹の魔手から
逃れるべきでしょう。」
許攸「それもそうだな。自殺や~めた。」
許攸はわずかばかりの共の者と袁紹の陣を抜け出すと、一目散に曹操の陣めがけ
て走り出した。
許攸「見よ、あれが曹操軍の灯だ。」
兵士「何奴?」
許攸「私は丞相殿の旧友である。さっさと南陽の許攸が来たと言うがよい。」
兵士「丞相の旧友だ、会わせろとわめくおかしな奴を捕らえましたが?」
曹操「そいつは誰だ?」
ナンヨウ
兵士「南陽の許攸と申しておりました。」
曹操「おお、ろり~の師匠子遠殿が・・・。」
シエン
曹操「子遠殿お久しぶりでm(__)m」
許攸「それがしは無位無官。あなたは漢の丞相でございます。何もその様な。」
曹操「貴殿と私は旧友だ。それに貴殿は師匠では無いか(^_^)」
許攸「それがし、はずかしながら袁紹に仕えておりましたが、言う事を聞き入れま
せんので見捨てて参りました。」
曹操「貴殿が忠義の士である事は存じておる。ここではろり~な無修正はいくらで
も手に入るゆえ。その袁紹に申した策とはなんだ?」
許攸「それがしは軽騎兵で許昌を攻め、官渡を挟み討ちしようと申しましたが、聞
き入れぬゆえ見捨ててまいったのです。」
曹操「袁紹が無能で助かったわ。子遠殿。袁紹を破る策をお教えていただきたい。」
許攸「ここにはどのくらい兵糧が残っておりますか?」
曹操「1年分はあるだろうか?」
許攸「そんなにありますまい。」
曹操「実は半分ぐらいだ。」
許攸「丞相の半分の意味が解りませぬ。」
曹操「あ、またれい。実は三か月分しかないのだ。」
許攸「孟徳殿が奸雄だと申すが、それは誠の様だ。せっかくとっておきの・・・。」
曹操「これも戦のかけひきじゃ。実は一月分しかない。」
許攸「いい加減にしなさい。この霊帝期の発禁本はあげられませんな。実は明日の
分も残っておらぬのでしょう。」
曹操「Y(゜゜;yハッ何故わかる(それにしても霊帝期の発禁本と言えば、一千金つんで
も手に入らぬ貴重な物。惜しい事を・・・。)」
許攸「これを見よ。」
曹操「何々、
『おじちゃんまたせんそうにいっちゃうの。私さびしいな。
かえってきたらまたかわいがってね。』」
許攸「あっ、それは別の手紙だ。これだ。」
曹操「これは、荀いくにあてた手紙ではないか?」
許攸「使者を捕まえたのだ。」
曹操「師匠。昔の馴染みをもってどうすれば良いのか教えてくださらぬか。」
許攸「丞相は無勢で多勢に当たられております。奇兵を持って戦わねば、勝てませ
ぬでしょう。それがしに謀がひとつあります。それを使えば三日で袁紹軍を退
却させられるでしょう。」
曹操「どうするのだ?」
許攸「今、烏巣にすべての兵糧・輜重を集めていますが、守将淳于瓊は酒のみで、
ろくに防備を固めていませんから、袁紹の援軍と偽って、もしたずねられれば
『蒋奇の援軍である。』と言い、ここに火をかければ袁紹軍は動揺するでしょ
う。」
曹操「烏巣を襲撃する。」
張遼「うそう。」
曹操「今、攻めねば、いつ勝てる物か。居ながらにして敗北を待つ法は有るまい。」
張遼「もし、留守の間に袁紹が攻めて来たらどうするのです。」
曹操「その事もちゃんと考えてある。」
そこで、曹操は留守を荀攸・賈く・曹洪等に任せて、自らは袁紹の旗印を立てて
張遼・許ちょを率い、烏巣を目指した。
沮授「大変です。曹操が烏巣を攻めるに違い有りません。」
袁紹「罪人の癖に何時の間に、ひっとらえて厳重に押し込めておけ。」
沮授「負けは必死だ(;_;)」
さて曹操は別に怪しまれもせず烏巣に火をかけ、淳于瓊らを虜にし指を切り、耳
や鼻をそぎ、P~はそのままに馬にくくりつけて袁紹の陣に送り付けた。
袁紹「烏巣が燃えている。大変だ。大変だ。」
張こう「それがし、高覧と共に救援に参りましょう。」
カクト
郭図「多分、曹操は奇襲に参加しているだろうから、本隊を攻める方が良いんじゃ
ないかな(^o^)
これこそ古の『鍋を囲んでを肉をつつく。』の謀。」
張こう「『魏を囲んで趙を救う。』じゃないの?」
郭図「そうだっけ(^o^;」
張こう「ともかく、曹操は謀多いゆえ、必ず防備を厳重にしているでしょう。もし
成功せねば、我々は帰るところを失います。」
郭図「そんな事は無いんじゃないかな。いくらなんでも後に兵を残して行くなんて
事は無いでしょう(^o^)」
郭図は持ち前のうんちくを用いて繰り返し促すので、袁紹は張こうと高覧に五千
の兵を与えて本陣を攻めさせた。
しかし、左から夏侯惇、右から曹仁、中央から曹洪に囲まれ、ちょうど戻って来
た曹操が後ろから追撃したので、散々に破れた。
袁紹は淳于瓊が戻って来たので、敗軍の理由を聞き、怒ってこの首を跳ねた。
郭図「(やばいなぁ。張こうが負けたとなったらこっちも危ないな ^^;)
きっと張こうと高覧は敗軍を喜んでいるでしょう。」
袁紹「それは誠か?」
郭図「二人とも曹操に降参の意志があったゆえ、わざと攻撃に力を入れず負けを誘
ったのです。」
袁紹「すぐに二人を呼べ。」
郭図は別に二人に使いをやって、『袁紹が立腹して二人を殺そうとしている』と
伝えた。そこに袁紹の使いが来た。
コウラン
高覧「我々を呼ぶ理由はなんだ?」
使者「知りませぬ。」
バサリ
張こう「いきなり切ってどうする。」
高覧「袁紹は無能で、讒言を鵜呑みにするような奴だから少なからず曹操にやぶれ
るだろう。そんな奴と生死を共にするよりは曹操に降参するのが万全だとは思
わぬか?」
張こう「ちょうどそう思っていた。」
カコウエン
夏侯淵「高覧と張こうが降参して参りましたが、嘘か誠か解りませぬ。」
曹操「私の愛に接すれば、本心では無くとも本心となろう。」
袁紹軍は動揺し、張こうと高覧は先手を申し出たので、袁紹の軍に夜襲をかけた。
袁紹は破れ、ひたすらぎょうへ逃げて行った。
注:ぎょう(業におおざと)は冀州の州都で袁紹の本拠地。
曹操の軍は、これを追いうち捨てて行った物を接収した。
ところで、その中に内通者の手紙が見つかった。
ジュンユウ
荀攸「一通ずつ調べてそのものを処刑しなければなりません。」
曹操「それには及ぶまい。袁紹が強大な時は私ですら危うかった。他の者が不安な
のもうなずける。手紙を残らず焼け。」
荀攸「し、しかし・・・。」
曹操「いいから早く焼け。(あの中に、昔だした恥ずい手紙でも混じってた日には
・・・。)」
沮授は袁紹の軍内に監禁されれいたため逃げられず虜となった。
曹操「どうだ。私に仕えぬか?」
ソジュ
沮授「それがしは袁紹の元に母や弟を残しています。それがしの事を思うのなら、
早く殺してください。」
曹操「私は始めから君が私の配下に居れば天下をうれう事も少なかっただろう。」
曹操は沮授を厚遇して陣中に留め置いたが、沮授は逃げようとして捕まり、殺さ
れた。
曹操「嗚呼、忠義の士を殺してしまった。君よもっと早く私の愛を知ればこのよう
な悲劇は無かったであろう。」
曹操は沮授の墓を作って厚く葬った。