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第二話 殴られて異世界  「聞きとれるか!」「うるさいだまれ!私が神だ!」  こっこいつっ……!!

説明回になります。

その2はありません。

 気がついたらやっぱり白い部屋の中にいた。ただし、ゴゴゴゴゴと何やら物騒な音がする。いったいなんだろう。


 とりあえず立ち上がってみる。そしてなにか違和感を感じる。


 そう言えば部屋着だったはずなのに、見覚えのない格好になっている。上下とも色は黒で、ついでに靴も黒。

 下はゆったりとしたスエットみたいなラインだが、生地はジャージみたいな感じだった。上もインナーはそんな感じの素材だったが、アウターは膝くらいまでの丈のコートだった。


 異世界の服装なのだろうが、全身黒というのは暗過ぎな気もする。いや、好きだけどさ。こういう格好はさ。

 ただ、いったい誰が着替えさせたのかしらん。


もしかして裸見られたのかも、恥ずかしい。

「やっと気がついたか」


いつの間にか天使さんが、目の前にいた。


「もしかして、あなたがこの着替えを?」


恐る恐る尋ねると


「無論そうだ、魔法でぱぱっと替えさせてもらった。

 何かまずかったかな?」

「い、いえ。何でもありません」


さすが天使さん。魔法か…。便利そうだなあ。


 ところで、一つ気になったんだが、このヒトの手にテニスボールくらいの大きさの石があるんだが。


 それで、またオレを殴る気だろうか。

 そんなわけはないかと、思いつつも若干の警戒をしながら彼女に話かける。


「それにしても、いきなり酷いことをしますよね。


なんでいきなり殴ったんですか?


お陰で口の中を少しだけど、切っちゃいましたよ」


 彼女はほほ笑んで


「それは済まなかったっっな!!」

右手の石をオレに向けて投げてきやがった。

 しかも、結構速いし!スゲーな、テニスボールくらいの大きさってそれなりに重いはずなのに、さすが天使さん。


 慌てて前に腕を交差させて顔をかばうが、石はなかなかこなかった。見てみれば、石は先程のスピードとはうってかわってゆっくりとこちらに向かって飛んでいる最中だった。

 その速度では直ぐに落ちてしまいそいなのに重力を無視したように、ゆっくりと宙を進んでいる。


 石の軌道から外れた場所に移動すると石は本来の速度に戻り放物線を抱き地面に落ちた。


「今のが絶対神の加護の一つ、その時空制御の一例だ。


 世界に流れる時間を緩やかにし、その中を本来の速度で動くことができる。


 他にも上手く使いこなせば、時間を止めたり、速めたりできるようにもなろう」

 心臓に悪いからいきなりモノを投げないで欲しい。このヒト結構猟奇的だな。


「しかし、注意しろ。神格の高い存在には通用しないからな」


口を挟むヒマもなく、彼女は続ける。


「この世界の存在は格位というものを持ち合わせている。一般に高い順から神格、精霊格、霊格となる。

 神格でも最上が絶対神、続いて一等神、二等神、三等神というように続く。

 この様に同位格内でもヒエラルキーは存在する。


 お前の格位は、そのものは霊格だが、加護がある分、実質は神格と同程度である。


 とはいえ、所詮人の身であり、加護を使いこなせないお前では、如何に絶対神の加護といえども、神格は縛れはしない。


 そして、格位という存在を本来人は知らぬ。あまり口外するな。呪詛をまねくぞ」


 最後何か怖いこと言ったのはわかった。いきなり言われても半分くらいしか理解でない。

 とりあえず、神様にチートたる絶対神の加護は通用しないってことだな。

 んで、この手の話を人にすると罰があたるぞってことだな。


「なあ、どうやれば、時間操作?できるようになるの?」


「術を操る技は精霊に聞くのがよいだろう。

 さて、話すことは、もうないな。前にも言ったが、 今のお前は男性として不能だからな。もう、悪いことはするなよ」「はい、ちょっと待った!不能ってどういうことだ!聞いてねぇよ!」


 流石に食い下がった。めっちゃ手挙げて叫びまくった。だってアルフみたいに、ぼしゅって消えられたらこまるし。

 アルフのときは困らなかったけど。


「いや、言ったぞ。ただ小さいこえで、早口になっていたかもしれないな。私も女だ。やはり、そういうことを口にするには恥じらいがあるからな」

 あれか「………。」の部分か。


「私は確かに「………。」つったしぃ~?今さらそんなこといわれてもぉ~?こまるっつ~かぁ~?アルフちゃん押し倒したそっちがわりぃしぃ~?マジきもいんだけどぉ~?」


「語尾を一々あげるな、伸ばすなっ!つーかそんな小さな声でききとれるか!」


「うるさいだまれ!私が神だ!」


こっこいつっ……!!

「ていうか天使じゃねぇのかよ?!」


 なんか疲れてきた。


 天使(?)は、フッと笑った。


「安心しろ。からかっただけだ」

 なんだよ、焦らせやがって。心配して損したよ。体力的な意味で。


「現在お前が不能なのは事実だが、見捨てはしないさ」

「安心して損したっ!」

何が安心しろだっ!安心できねぇよ。なにが何も言うことはないだよ。


「まぁ、聞きたまえよ。

 あのときは、そう言うしかなかったのだ。

 あの場には実はまだアルフがいたからな。


 あの「………。」だが、お前の耳では無理でも神族の耳ならば聞きとれる程度ではあったのだ。

 何といったかというとだ。私は「ただし「移る」ときは不能にする」といったのだ。


 そうでもしなければ余程恐ろしい呪詛がかけられたかも知れぬ。


 しかし、アルフはお前が納得したと勘違いしてお前の不能をもってお前を赦し、こちらへの転移が終わる前に去ったのだ。だから、今こうして打ち明けることができたのだ」

「………言い放ったのが去り際だったのは?」

「説明するのに飽きてきたからだ」


 ………何かこいつらヤダ。ていうかこっちきてからオレのことお前って呼ぶし、まぁ、もういいや。



「潰れたお前の肉体は私が直すどころか、ポークピッ○程度だったのを44口径マグナムにまで改造したり色々パワーアップさせてやったのだ。

 それこそ、シモに限っていえば、ただの霊感の強い高校生だったのが、暴走して第4刃を倒したときの強さまでになるくらいのパワーアップだったと言って過言ではない。 この点に関しては感謝してくれていい。


 ただし、その後で「外見や肉感だけではなく内面の素晴らしさに気付き愛をみつける」祝福をベースに改造した加護をお前に貼り付けたのだ。


 そのことでお前は「体は健康なんだけど、性欲沸かない反応もしない立派な不能」になったのだ。


 ここがアルフの妥協点でもある。お前を一度殴ったのは、その辺の交渉をアルフとするのを邪魔して欲しくなかったからだな。



 あと、呪詛ではなく、加護である所がミソだな。


 これによって、お前が不能を治すためには、私の祝福が必要になった。


 あちらについたら、私の神殿にきたまえ。


 そして、そのときに、お前に祝福を授け不能を治すことにしよう」

 この天使さんは一度語りはじめると止まらないから、聞きたいこと聞けなくて困るぜ!


「神殿はどこにあるんだ?」


「祝福は困難を退け試練を乗り越えた者にのみ与えられる。


 この「忘れられた黄昏の女神」の神殿を見つけること、それ自体が試練だと思え。


場所を教えることはできない。


あと、お前の世界での唯一神、天使はこちらの世界での絶対神、神にだいたい当てはまる。

 こちらの世界でも格位の低い神族は天使と呼ばれるしな。一概に全て当てはまるわけではない。


 あと、精霊ならそこらへん探せば、直ぐにみつかるさ。がんばれ」


 天使さん改めて女神さんが言い終わるとうるさかったゴゴゴゴゴがやんだ。


「ふふふ、丁度こちらについた様だ。


 最後に一つ言おう。お前は元の世界に「戻る」のでは無く、こちらに「移る」選択をしたのた。お前という存在は丸ごと変わることになる。


 だから、名前もあちらの世界では変わる。

いいか、君の新しい名前は………」


 彼女は耳元でオレの新しい名前をつぶやいた。


 そして案の定というか何と言うか、そのまま裏拳を側頭部にもらい意識がとんだ。目が覚めれば、きっと異世界なんだろう。

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