プロローグ2 そんなオレの身の上話てきな
こどものころ、それも小学生とか、幼稚園とか、うんと幼い頃。例えば野球の試合を親といっしょにみていたとする。こどもは野球に興味を抱き、バットとミットとボールをねだる。親は道具を買い与えて、親子はキャッチボールしたりする。
親「お前の将来はプロ野球選手だな。」
なんて言われて
子「うん、ぼく、がんばる!」
なんてやりとりありそうだろう?。きっと子どもだってスポーツ少年団に入ったり部活やったりするんだろうさ。
オレのこども時代にもこんなことがあったなら、プロ野球選手にはなれずとも、野球に精をだし、少なくとも中二病なんてならずに済んだろう。
何が言いたいかと言うと、子どもの頃に周りから受ける影響はデカいよねって話さ。
オレが子どもの頃、小学生の頃に影響をうけたのは、当時親が所持していた「異能力をもつ主人公がとにかく強くて、ハーレム作って…」みたいな内容の漫画でした。憧れるしか無いでしょう!とくにハーレム!
この頃から漫画のセリフの真似とかしてましたよ。カッコイーと思って。
そして今や語るも恐ろしい中学時代をへて、高校に進学し、4、5、6、7月を過ごすと夏休みに突入し、現在にいたる。対外的な中二病的言動は高校受験前に卒業しているが、高校に上がっても周りからのオレへの認識は以前として中二病のまま定着している。ヒント、同中。
そんな環境なのでまともな奴からは避けられ、友達の一人もできず、用事もないので、夏休みというのにオレは飽きもせず家に籠っていた。いや、嘘、ちょっとだけあきた。
そんな自分の高一の夏休みは、現実から逃げ出すためにもっぱらゲームとインターネットだったさ。俺TUEE!と異世界トリップがマイブームでした。
夏休みに入る少し前に、ただでさえ中二病のレッテルを貼られていたオレに、対人関係的な意味で、トドメになったんじゃないかと思われる出来事があった。
7月の1週目のある日、不幸にも交差点で自転車とぶつかってオレはケガをした。
心配した親に連れられ医者に看せたところ、素人目からみれば少し大袈裟なんじゃないかという処置をされた。
左腕は、手の甲から肘ぐらいまでに、包帯が巻かれた。
利き腕は右だったので、ただ生活を過ごす上では、さほど不自由しなかった。
しかし、その腕で中二病のレッテルを貼られた人間が登校してどうなったか。
オレが中二病だと思っている周りの連中は「ぐっ左手がうずくぜ」なことしてると思っていたっぽい。視線がつらかった。
7月中、夏休みに入るまで学校では先生以外の誰とも話なんてしなかった。
そこそこ頭の良い進学校だったので、比較的品行方正な連中がほとんどだったからか、絡んでくる様な奴が居なかったのは不幸中の幸いだっただろう。
連中とは夏休み中は会わないですむから、今はもう気にしなくてもいいよね。夏休み開けたらみんな忘れてくれるよね。
そんなこと考えながら、現実逃避ぎみにネットとゲームに勤しんでいた。
包帯を外す許可を医者から頂戴したのは8月に入ってからだ。
お盆になる少し前、アイツにあった日のことは、今でも忘れてしまいたい。