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killer elite  作者: 石田徹男
難しく考えすぎなんじゃねえの
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ジェネシス エピソード7

 猪苗代湖畔で、ビーチチェアーに身を横たえた小林一郎は、強い日差しに目を細めた。右手でひさしをつくり、輝く湖面を見渡した。


 かつて爆裂により山の上半分が吹き飛んだ磐梯山を遠く眺める。山容はくっきりと水面に映っている。


 逆さ爆裂磐梯山。


 のどかだなあ。気分いいなあ。さっきまで何で騒いでたんだっけ?


 横に視線を移すと、大型輸送ヘリ・チヌーク早苗が威容を誇っている。


「ありがとう、早苗。こっちきて座りなよ」


 チヌーク早苗は、金属音をたてながら「トランスフォーマー」している。20分かけて200位の工程を超高速で完了し、元の早苗の姿に戻った。


「ここ、静かで気持ちいいな」早苗がにっこり笑う。隣のビーチチェアーにビキニ姿で横たわった。


 着やせしているが、少なくともE-カップはある。


「さっきは埋め合わせするっていったけど、何かほしいものある?」小林は何気に尋ねた。


「あなたと私の子どもが欲しい」


「それはなかなか、即答できかねる要望だな」


「とぼけないでよ。もうここにいるわよ」早苗はくびれたウエストの真ん中にあるおへその辺りに手を当てた。


 いっ、いっ、いつの間に。


「わたし危険日だったみたい。あなたが機内で責められているときに…。当たっちゃったみたい」


「そうか、なら仕方ないな。産めよ」


「こないだ、1人産んできた。しばらくしたら2人目も出てくるから」


「頑張れよ。オレなんもできないけど、立ち会うわ」


「うん」


「ところでさ、このまえエロショップでおまえにプレゼントあげたじゃん」


「うん、持ってるよ」


「あれ、見せてくんない?」


「いいよ」


 早苗は尻をもぞもぞ動かして、例の得体のしれないグッズを取り出した。


「なんだ、おまえ。使用中だったのかよ」


「ごめんごめん。ちょっとすすいでくる」


 早苗はおっぱいと尻をユサユサしながら、湖畔まで走っていた。謎のグッズを湖水でちゃぷちゃぷと洗った。洗えばいいんでしょ、洗えばっていう適当な感じ。


「はーい」とグッズを投げてよこす。これってアナルグッズ? 見ようによっては勾玉だな、こりゃ。


 小林は脇に置いておいた聖剣を左手に取る。右手に勾玉。


「早苗、おまえさ、鏡ってもってる?」


「もってるよ、女だもん」


「ちょっと貸して」小林は一応、三種の神器をそろえてみることにした。


「はい、どうぞ、鏡」


 小林は早苗から渡された鏡をのぞいてみる。轡田の顔が鏡面に映っている。


 鏡に中に小林の顔はない。どうみても43歳の中年の男・轡田の顔だ。




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