表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
killer elite  作者: 石田徹男
いつもお世話になっております
17/83

幸徳会

 轡田はレクサスを、いつものパーキングに停めた。


 事務所の扉を開くと、笑顔の男が迎えた。デスクチェアーに座って爪の手入れをしている。


 轡田は男の名前を知らない。男も轡田の名前を知らない、はずだ。多分。


 爪の手入れを続けながら男が口を開く。


 「遅かったな。おまえらしくない」


 「野暮用ができたんだ」


 「みんなそろってるぜ。すぐミーティングだ」


 男は、爪とぎのヤスリを引き出しにしまい、立ち上がる。


 男は隣へつながるドアを押し開け、轡田に先に中に入るよう促す。


 円卓を囲んでいるのは、5人。全員の顔は何度かあっているから知っているが、名前は一人も知らない。


 男、男、女、男、女。


 轡田が遅れて入ってきた様子を見て、睨んでる人間もいれば、無表情なやつもいるし、ちょっと口元をあげて歓迎の意を伝えてくるのもいる。


 轡田は空いている席に着いた。


 轡田を事務所で出迎えた男が席に座り「さあ、始めよう」と宣言した。


 「幸徳会」のミーティングが始まった。


 最初に口を開いたのは、轡田の真向かいに座っている男。武器弾薬入手の進捗状況を説明した。ことのほか順調で必要最低限の準備は整ったと締めくくった。


 引き続き、戦術担当、広報担当などそれぞれの分担の活動リポートを行った。

 

 リクルート担当の轡田は有望な人材を何人か報告した。まだ本人には確認していないが、若い戦闘員候補に目ぼしを付けたことも言い添えた。小林一郎のことだ。

 

 歴史上、だれもやったことがないミッションを目論む団体のミーティングは和やかな雰囲気のなかで進められた。


 天皇暗殺を企てる「悪の集会」ってわけだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ