13 剣士vs猫娘
「チッ…!」
ああクソ、ムシャクシャしやがるぜッ! クソックソッ!!
「もぅ……スタンさん、さっきからチッちっチッちっうるさいですよ…! 時計の秒針ですか、貴方は」
すっげぇウザそうな目で俺を睨むアイリスに正直、怯みそうになっちまったが、それを表に出すわけにはいかねぇ……男のプライドとして(=_=;)。
「なっ…なんで俺達はレイドらと別部屋なんだよッ?! これじゃ全く、奴等の話が聞こえねー!!」
「それは仕方がないですよ……私達の今回の役目は、あくまで[護衛]なんですから……。話し合いには当然、参加できません」
「そんなの聞いてねーし!」
「聞いてなくとも、そのくらいは解ると思いますが……。良いじゃないですか、豪華なお食事も並んでいますし(*^ー^*) 美味しく頂きましょう♪」
頂きましょうってか、既にだいぶ頂いた後じゃねーかよ……いつの間にか俺の分もほとんど残ってねぇし(=_=;) 一口も食ってねぇってのに、何でだよ。怪奇現象か。
「はぁ~あ、退屈、退屈」
ミグ(人族の王の事な。)の命令で俺らについてきやがった城の……ありゃ兵士か? よくわかんねぇが、こいつらはクソ真面目な顔で何も喋らねぇしアイリスはひたすら食ってるしレイドいないし、レイドいないし、レイドがいねぇし!!
「だぁぁぁぁぁぁッッ(`Д´# !!!」
「ウルセぇぇぇぇぇぇッッッ#=Д=)!!! ちったぁニャア達を見習って、黙ったらどうなんですかぁ~~ッッ#!!!」
「まぁまぁ、ニャアちゃん落ち着いて(^^; すっごいドス声出てるから!!」
びびった。いやっびびってなんかねぇっ(;=д=)!! でけぇ声に驚いただけだ!!
「あ゛っ? 何で俺が魔族なんぞに注意されにゃなんねぇーんだよ。そもそも魔族と一緒にお食事とかあり得ねぇしッ! 部屋変えろッッ!! 出てけッッ!!!」
「出てってやりますよぉ~……オマエがなぁぁッッ(σ=∀=)σ!!」
張り倒していいか? この女。
「もう! ニャアちゃんも剣士君も、どうして仲良くできないのかしら…(-v-;) おねえさん、困っちゃうわぁ……」
「だってぇミヤコねぇーさん! ニャアだって……ニャアだって我慢してるのにぃアイツずぅぅぅっとウルサイじゃないですかぁ~ッッ(>_<#!! さすがに我慢の限界なんすよぉ~ッ!! 」
「ハッ(=∀=) 何が『にゃあ』だ! にゃあにゃあ言ってたら男が喜ぶとでも思ってんのかよ??」
「スタンさん!! 女の子になんて事を言っているんですか!! それにニャアさんは正真正銘の【猫娘】さんなのですよ……勝手にマニアックなものと一緒にしては失礼です…!」
「僧侶ちゃんの言う通りよ、剣士君。それに……ニャアちゃんをいじめるとなると流石のおねえさんも、黙ってないわよ……?」
「そうですぞ、剣士様!! ニャアちゃんは可愛いじゃないですかーッッ(=Д=)!!!」
何か一人、野太い男の声が混ざってたぞ。アレか? さっきまで一言も喋らなかった兵士か、おい(=_=#
ってか何で俺だけ怒られてんだよ……チッ!! あの猫女はドヤ顔してやがるし……ホント、ム・カ・つ・く・わぁ #=д=))
「……なぁ、アイリス……俺思ったんだけどよ? この部屋に魔族は2人しかいねぇが俺らは兵士を入れりゃ結構な数になる……これって殺っちまう絶好のチャンスじゃね?」
「!? スタンさん……貴方、折角のレイドさんの提案を無茶苦茶にするつもりなんですか……?! それに……私達だけではミヤコさんとニャアさんを倒すことは出来ませんよ(=_=) さぁさぁ皆さん、お食事に戻りましょうか……」
「もうお食事ねぇから(;=д=)!!」
お前、俺を非難しながら、パクパク食って完食させてただろ……
「私も戦闘は避けたいわぁ、魔王様のご意思に反してしまうもの(*^-^*)みんな仲良くしましょうよ♪」
「ニャアだって暴力沙汰は嫌ですよぉ~アン坊っちゃんに怒られちゃいますしぃ(-ω-)」
アン坊っちゃん?……ああ、あの次期魔王のことか。……レイドが惚れ込んでるあの……。
そしてこいつは…………
「ホレ、スタンさん、ニャアも悪かったですよぉ~仲直りの握手でもしますかぁ~?」
……クソ野郎の家来………か
「ふざけんじゃねぇ」
「にゃっ?!」
差し出された細い腕を、俺は少し強めに払ってやった 。