10 なんか…浮いてね?
ー話し合い当日ー
「むぅ……(-_-;)」
「いっや~ん♪ その御召し物(服)…アンゼル様ったら、なんでもお似合いになられますのね♪ お可愛らしくてお美しいわ~(●´艸)♪♪
勇者君が夢中になるのもわかっちゃう~♪」
「あ、やっぱりミヤコねーさんにもわかっちゃいますぅ~♪?! 昨日一睡もせず、一生懸命アン坊っちゃんの衣装を考えた甲斐がありましたぁ~♪♪」
「ニャアちゃん、とってもグッドなセンスよ♪♪」
「…………(-_-;)」
ーテンションひっくぅ~い↓我をよそに何故かテンションMAX↑でキャッキャッとハシャギまくっておるニャアとミヤコ。
…いやいや、チョイとお待ちよ、お二人さん。ニャアが考えたという、今、現在の我の格好……何ていうか…まぁおかしくは無いのだが…てか、むしろ異様に豪華というか、うん…………気合い入りすぎじゃね?
我、明らかに一人浮いてるよね?
周りに馴染めず、何だか目立っちゃってるよね?
えっ何アイツ? なんで気合い入れてんの?ってなるよね?…てか、恥ずかしいよね…(〃艸〃)?!
「…これではまるで…我が一人、気合い入れまくりに見えぬか…?」
「だ~いじょ~ぶですよぉ♪♪ とぉってもお似合いですからぁ~(^ー゜)d 」
「う…うむ……」
…選んでもらった(頼んではおらんのだが)手前、断るのもなぁ…という事で現在に至る。
はぁ…コレで変態勇者の奴に会うのか……気が重い。
「父上…我の格好はちと派手ではありませんか…?」
「あはは~大丈夫さ~(´∀`)
全然、変じゃなかよ~似合っとる、似合っとる(^v^)」
「そ…そうですか…? それなら、良いのですが…
…我一人、気合いを入れすぎているようには見えないのですね?!」
「ん~…まぁそう言われれば、そう見えなくも……
あっでも、レイド君なら喜ぶと思うばい(^ー゜)」
……ちっ!!
大丈夫とさとしておきながら、最終確認でのそのあいまいな返事!!
ハッキリとした答えが欲しいものですなッ(^v^#!!
「いや~それにしても、アンゼルが参加してくれてよかった~! 父さんだけじゃちょっと…どわんすれば良かか、わからんけんね…(^^;
アンゼル、レイド君との話し合い…任せたばい!!」
「レイド……? そういえば先程もその名が出てきましたな…
はて、そやつは誰の事でしょうか? 今日の話し合いに参加する者ですか…?」
「や……誰って…勇者君の事やけど…(・_・;)」
あぁ~…そうだったのか~という具合に納得するアンゼル。……レイド君の名前、まだ覚えとらんかったとね……(^^;
「でしたら、嫌です。我に任せられても困ります。
大体、現勇者は父上の担当ではないですか!」
「まぁまぁ、父さんもそろそろ現役引退時やし、もうじきアンゼルに…「御断りします。」
「えッ!? 即答ッΣ(^^;?!!」
「我に(笑)勇者を任せるとか(笑)(笑)マジ(笑)超ウケるんですけど(爆笑)」
「(^v^;)」
「アン坊っちゃん、顔が全然(笑)ってませんよぉ~?」
「ウフフ…微笑ましいですわね(*^-^*)
……あら? 魔王様、アンゼル様
まもなく、勇者君との約束の場所に到着致しますわ」
「あ、本当ばい。話しよったら、あっという間やったね~(^-^)」
ーー遂に到着してしまったか…(-_-;)
…気が重い。帰りたい。てか我、何故来たんだろう…。あっそうか、ニャアの奴に無理矢理連れ出されたのだったな……。
……帰ろうかな? 今さら帰っちゃおうかな?……よし、帰ろう!!
「アン坊っちゃん~そうはさせませんよぉ~♪??」
「ニャア!? はっ放さんか…!!」
「イヤですよぉ~♪ 観念してくださいねぇ♪♪」
「アンゼル、帰ったらイヤッて~!! 父さんば置いていかんで~(>_<)!!」
「アンゼル様!! ここまで来たんです! あと一踏ん張りですわ!!!」
「ぬぉぉッッ?! なんだ、お前達はぁぁ(;´Д`)!?」
我の背後から両肩を掴むニャア、その後ろに父上、さらにその後ろにミヤコ。一列に繋がる我等。
…なんだ、この寂しいシュッポッポは。
「アンゼル号、はっし~んッ!! シュッシュッポッポォ~ッ(>ω<)♪♪」
「我を先頭にするな~ッ///(;*=Д=)!!」
「なんか 楽しかね~(*^-^*)♪」
「ウフフ…♪ こういう遊びって、本当に懐かしいですわ~(^o^)♪」
「ちょっ……///!! いい歳をして、恥ずかしいとは思わんのかっ///(;*=_=)?! 特に父上ッ!!」
「アンゼル!!」
「?!…変態勇者…」
いつから見ておったのか、少し離れたその場所に変態勇者は立っていた…真っ直ぐに我を見つめて。…瞬間、我は走り出していた…変態勇者の元に。
『一発ぶん殴って、前歯を折ってやりたい』
その想いだけが脳を支配する。
その想いだけが我を突き動かす。
…故に忘れておったのだ、今の己の格好を。この動きにくい服装をーー
「ウルァァァァァァッッッッ!!!! 変態勇者ァァァァッッッ(=Д=#!!!!」
「アンゼル~(*´∀`*)!!!!」
服の裾につまずく我、両手を広げて待っておった変態勇者、転けた勢いのまま変態勇者の胸へと飛び込む我、慌てて我を受け止める変態勇者……
……思わず目をそらす父上…ガッツポーズで飛び上がるニャア…しんと静まり返る他の者……
「アンゼル…大丈夫か…///?」
頬を赤らめ、ウットリと我を見つめる変態勇者…いまだに変態勇者の腕の中にいる我…………
……どうしてこうなった。