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一家の食事が終わってからいよいよ私達使用人の食事タイムだ。とは言ってもそれぞれ仕事がひと段落ついた人から交代で食べる。朝食で残ったものや料理人が簡単に作った料理をパンと一緒に食べる。
「お嬢様、やっぱり変よね?」
一緒に座ったサリーが言う。
「確かに」
さらに一緒に座っているレーナも同意する。
「記憶がちょっと混乱してるだけだと思うけど」
「なんか最近、ネリアも変よね?」
「えっ?」
「ボーッとしてる事が多いっていうか…」
「ただあまり眠れないだけ」
「大丈夫?」
「うん」
「それならいいけど」
「あっもうそろそろお嬢様のお茶の時間だわ。行かなきゃ」
サリーがそう言ってくれたおかげでなんとか話が終わったが内心ヒヤヒヤした。
私はサリーと一緒にお茶の準備をしてお嬢様の部屋に向かった。まずノックをして入室の許可を得る。
「お嬢様、ネリアです。お茶をお持ちしました」
「どうぞ入ってください」
「失礼します」
お嬢様は私達が並べていたものを見るや否やこう言った。
「緑茶ってないのかい?」
「リョクチャ…?」
その言葉を聞いた事がないのであろうサリーは困惑していたが私には聞き馴染みのある言葉だった。
(やっぱり私と同じで転生したのかも…)
私はなるべく平然と続ける。
「お嬢様がご希望のものは東洋のものかもしれません。緑茶をご希望でしたら後ほど旦那様にご相談してみましょうか?」
「いいえ。お手数おかけするのは申し訳ないから」
「いいのですか?」
「はい」
「承知しました」
そうして部屋を出て行こうとした時。
「あっあの!ネリアさん?あなただけに少し話したい事があるの。残ってくれるかい?」
「かしこまりました」
他のメイドが出て行く中で私だけが引き止められた。
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