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翌日。私達は早朝に起きて仕事を開始をする。
その仕事とは多岐に渡る。
掃除や洗濯、食事の準備など基本的な家事全般から執務に使う書類の整理や仕える方の身の回り全てを管理しなければならない。
屋敷にはたくさんの使用人がいてそれぞれ役割分担がある。私の朝の1番の仕事はお嬢様を起こすこと。
それまでは他の仕事も手伝う。
しかしここには洗濯機や掃除機などのいわゆる家電はない。全部人の手で行う。
「ネリア、もうここはいいからお嬢様起こしに行くわよ」
「はい」
私はサリーと一緒にお嬢様の部屋に向かう。
なんでもお嬢様の支度は時間がかかる。そのため数人で行うのが普通なようだ。
「お嬢様、おはようございます」
「ああおはようございます」
するとサリーが固まった。
「どうしたの?」
小声で聞くと
「お嬢様が起こしに来る前に起きてることなんて今までなかったから」
と小声で返して来た。
「朝が苦手だったの?」
「うん。まぁそうね」
朝が苦手だと記憶にメモをしながら話しかける。
「お嬢様、よく眠れましたか?」
「あっはい。ベッドがふかふかで」
「良かったです」
それから着替えの準備をしているメイドを盗み見るとクローゼットの中にはドレスがたくさん並んでいた。
私はさすが小説の中だと思いながら着替えを手伝っているとお嬢様が声をかけてきた。
「あの服ってこれしかないのかね?もっと楽なのがいいんだけど」
「あー多分ないです」
「そもそも私、ドレスなんて着た事ないんだけど」
私だってこんなドレスはアニメや漫画でしか見た事がない。この世界の人達はこんなのを毎日着ているんだろうか。でもいくら記憶喪失だからと言ってドレスを着る事まで忘れるだろうか。小説に出てくる人達はみんなドレスを着ていた。
やはりなにかおかしい気がする…
ここまでお読み頂きありがとうございます。




