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「カトリナは随分君に懐いてるみたいだね」
「そうでしょうか?」
「昔のカトリナはね、どこか遠慮してるようで自分の気持ちをあまり言わなかった。雰囲気も冷たい感じだったけど今のカトリナは表情が豊かになったし1番君に心を許している気がする」
「そう思って頂けているのだとたら嬉しい限りです」
「これからもよろしく頼むよ。たとえどんな人間だとしても我が愛しの妹と大切な使用人には変わりないからね」
そう言って意味深な笑みを浮かべた。
その瞬間、言葉を失う。
この人は私達に気づいているのか?
でも実際に誰かに言うつもりはなさそうだ。
「安心して」
それだけ小さく囁いて行ってしまった。
少し落ち着いた後、戻ると普通通りお嬢様と笑い合っていた。
「ネリア、遅かったわね」
「申し訳ございません。本を戻している間に他の本にも夢中になってしまいました」
「ここの図書館、本当にすごいわよね」
「なんせ国内最大の図書館だからね。さぁそろそろお兄様おすすめの店で昼食でもどうかな?」
「ぜひ」
お嬢様が読みきれない分は貸し出してもらい持ち帰る。
「これから行くお店はどんなお店なんですか?」
「世界の色々な料理が食べられるんだ。どれも美味しいよ」
「楽しみです」
「庶民向けの店だからネリアちゃんも来てね」
「分かりました」
「到着いたしました」
御者の呼びかけでフェルソニー様の助けを借りて馬車を降りた。
「ありがとうございます」
「いいえ」
「わぁ〜賑わっておりますね」
「意外と人気の店なんだ」
中に入るとたくさんの人がいて賑わっている。
店員の案内で個室に通され、注文をする。
やがて料理が運ばれてくるとテーブルがぱんぱんになった。
フェルソニー様は丁寧に知らない料理の説明をしてくれた。
「これはスパイスを塗したポークステーキ。食べる時はさらにスパイスをかけるんだ」
そう言ってそのままかぶりついた。
私達が驚いていると
「そのままかぶりつくのが1番美味しいんだ」
と言って周りを気にせず食べる。
それに続いてお嬢様が遠慮気味にかぶりつく。
「あとこれはトマトと豆を煮たやつで美味しいよ」
「トマトは好きです」
「良かった。じゃああーん」
「お兄様、恥ずかしいです」
「個室で僕達以外見てないんだからなにが恥ずかしいの?」
「もう17歳なんですよ」
「そうだけどやりたいんだ。だめ?」
「そんな顔されたら断れません」
「ふふっ。それが狙いだから」
そんなやり取りを聞きながら楽しい時間を過ごした。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




