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王子とお嬢様がなにを話しているのかは分からないがお嬢様がすぐに私を呼びに来た。
「ネリア、ちょっと来て。殿下がお話があるそうなの。多分あの事よ」
そう小声で囁かれて私は迷わずついて行った。
会場から離れ案内された部屋に入り傍で控える。
「それでお話とは?」
お嬢様が先に切り出す。
「ああ。実は…隣国から王女が来る事になってな。この国も余裕があるわけではない。それで経済的な支援をする代わりにその王女の婚約者になって欲しいと打診を受けた」
「殿下でなくとも良いのでは?」
「私もそう言ったのだが1番年が近く王女たっての希望だと…」
そう話す王子の顔は少しニヤついている。
「そうですか。それで?」
「でな…大変申し訳ないが私達の婚約を破棄したい」
「承知しました。謹んでお受けいたします」
「本当か?」
「ただ条件があります」
「なんだ?できる限り叶えよう」
「今回の婚約破棄であらぬ噂を立てられぬようご対処をお願いします」
「そんな事でいいのか?」
「はい。あとはお父様と話し合ってください。お話は以上ですか?」
「ああ」
「殿下、今までありがとうございました。失礼いたします」
お嬢様は綺麗な礼をして部屋を出る。私も頭を下げてついて行く。
「これで自由よー!」
お嬢様が会場へ戻る途中でそう叫んだ。
「まだ廊下ですよ!」
注意したが気にせず続けた。
「ふふっ。それにしても王子のあの顔面白かった」
「確かに」
話終わった王子はこんなにすんなりいくとは思っていなかったのか拍子抜けした顔をしていてとても面白かった。
「あとはお父様への報告ね。でもこれで大きな仕事が終わってすっきりだわ」
「とても良かったです。お疲れ様でした」
その後会場へ戻り今日は帰りたいとお嬢様が旦那様に伝えると快く了承してくれたので帰りの馬車の中でお嬢様が先ほどの出来事を報告した。
「そうか…こんな事になってすまない。つらかったな」
「私の方こそご期待に添えず申し訳ございません。ミール家に泥を塗ってしまいました」
「そんな事はいいんだよ。分かった。私がしっかり殿下と話し合うから。大事な娘を傷つけた迷惑料を払わせなければ」
「ふふっ。そう言ってくださるだけで気持ちが楽になります」
「今日はゆっくり休みなさい」
「ありがとうございます」
そして帰宅すると奥様が出迎えてくれた。
「早かったですわね」
「ちょっとな…」
旦那様は詳しい事は言わないまま執務室へと向かった。
「カトリナ、どうかしたの?」
その様子を見てお嬢様に質問する。
「実は…」
お嬢様が事のいきさつを説明すると
「なんて事なの!国の事を言い訳にしてるだけじゃない!王家に抗議するわ」
と憤慨した。
「お母様、落ち着いてください。私は大丈夫です。それに私は后になれる器ではありませんでした」
「これが落ち着いていられるものですか!必ず報いを受けさせるわ」
「ふふっ。お母様、お父様と同じ事おっしゃるのね」
「今回の事はお父様とお母様がなんとかするから今日はゆっくり休んで」
「ありがとうございます」
「ネリア、頼むわね」
「はい」
そうして2人で部屋に戻った。
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