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旦那様とお嬢様が隣同士で座り私はその向かい側に座る。
「本当に綺麗だよ。カトリナ」
「お父様、今日はエスコート役を務めて頂きありがとうございます」
「本来は婚約者が務めるものなのだが…私で申し訳ない」
旦那様が頭を下げた。
「いいえ、お父様が謝る事ではありません。それに私だって私の事を思ってくれない方にエスコートされるのは嫌ですわ」
「ふふっ。カトリナも言うようになったね。なんだか頭を打ってから変わったようだ」
ドキッとした。本当のミール・カトリナではない事がバレたのか思った。でも本人は気にしてないように話を続ける。
「どのように?」
「前はツンッとしていて誰も寄せ付けないオーラがあった。それに本当はどう思ってるのかなにも分からなかった」
「以前は自分の気持ちを出す事は悪い事だと思っていたのです。でも気づいたのです。時には自分の気持ちを言葉にする事も必要だと」
「成長したのだな」
完璧な親子の会話に私がフォローする必要もなかった。
「それでお父様、今日はご迷惑をおかけするかもしれません」
「どうしてだ?」
「お父様も分かっておりますでしょう。殿下の気持ちは私には向いておりません」
お嬢様がそう言った瞬間、旦那様も私も驚いた。
「お嬢様!なんて事を言うんですか」
私はまだ完璧に信頼できるか分からない旦那様にこれから起こる事を言う事に戸惑った。
旦那様はお嬢様と私の両方を見ながら話を聞いていた。
「ネリア、落ち着いて。お父様には言っておくべきだわ」
お嬢様は目で大丈夫だと伝えてくる。
「でも!」
「お父様!なにがあっても私の味方でいてくださいますか?」
「それはもちろんだ」
「それが聞けただけで安心しました」
「なにがあっても私が守るよ。それにしてもあのバカ殿下め!私の娘を悲しませるなんて!どうしてくれようか?」
そう言う旦那様は悪い顔をしている。
「ふふっ」
私とお嬢様は思わず吹き出してしまった。
「お父様、本当にありがとうございます」
「当たり前だよ。我が娘を傷つける奴は誰であろうと許さない」
「心強いです。ネリアも頼むわね」
「もちろんです」
私達は顔を見合わせ頷く。
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