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「やっぱりばぁばもそう思う?」
「なんとなくだけどこういうのは若い人の役じゃないの?それに心陽の方が小説の事知ってるんでしょ?」
「そうだよね?そうだよね!あの人、間違えたのかな」
「間違えてないよん」
いつの間にか背後にあの案内人が立っていた。
「わぁ〜!」
お嬢様は驚いて尻餅をついた。私はお嬢様に駆け寄って助ける。
そんな私達の事など気にせず話を続ける。
「俺がそうした。ちなみにここが小説の世界だっていうのも正解。分かるまで時間かかったねぇ」
「なんでですか?」
「なんでって?反対の方が面白そうだったから。ちなみに今のところ物語通り婚約破棄に進む予定です」
「あの小説では婚約破棄後はあまり書かれていなかったと思うのですが…」
「そこがポイントなんだよね〜書かれてないから自由!」
「そんなんで大丈夫なんですか?」
「大丈夫大丈夫。頑張ってね」
その瞬間、案内人は消えた。
「と…とりあえずやってみるしかないね」
「うん」
「小説の中では私みたいな侍女はほとんど出てこないからばぁばに頑張ってもらう事になるけど大丈夫?」
「もちろん。今の私は78歳の清水三紗子じゃなくて17歳のミール・カトリナ。せっかく若返ったんだもん。この人生も目一杯楽しむわ」
「ふふっさすがばぁば」
「その婚約破棄?までどれくらい時間があるんだろうね?」
「それが分からないの。でもとりあえず婚約破棄が最大のイベントなのはたしか」
「そうなの」
「じゃあまずはその言葉遣いを直して小説の内容頭に入れるところからね」
「この言葉遣いじゃだめなのかい?」
「う〜ん。令嬢っぽくない」
「その辺は心陽に任せるよ」
「あっあと2人っきりの時は前の名前でもいいけどみんながいる時はお嬢様と侍女だからネリアで」
「分かった」
「また夜に話できる?仕事終わってみんなが寝たらまた来るから」
「うん」
「それでは失礼します」
そこでは必要最低限の事だけ話して退出した。
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