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「それで話したい事とは?」
「とりあえず座って」
「失礼します」
私はお嬢様に促され座った。
「あなたが1番信頼できそうだから話すんだけどこの事は誰にも内緒にして」
「承知しました」
「実はね…」
お嬢様が言い淀む。
「実はね…探して欲しい人がいるの」
「はぁ…どなたですか?」
「でもこの世界には居ないかもしれなくて…」
「名前は心陽っていうのだけど…私の孫なのだけれど私は今こんな状態になってしまってどうしてるか心配なの…」
その瞬間、私は固まってしまった。まさか自分の名前が出て来るなんて思わなかったからだ。
「失礼ですが…お嬢様はどこか別の世界からいらっしゃったのでしょうか?」
そう聞くとお嬢様は気まずそうにしながらも答えた。
「こんな事信じられないかもしれないけど…前は日本っていうところに住んでていつの間にかここにいたの」
「それにあっちでは年取ってたのにこんなに若くなってて」
(もう8割方分かったわ…なんだかめまいがしてくる…)
もしかしたらと考えている事を素直に伝えてみる。
「もしかして…ばぁばなの?」
「もしかして心陽かい?」
「えっ?本当にばぁば?」
「うん。そうだよ。心陽?」
「うん」
するとばぁば改めお嬢様は涙ぐむ。
「本当に良かった…心配したのよ」
私を優しく抱きしめてくれた。私も思わず涙ぐむ。
しばらくしてお互いが離れるとばぁば改めお嬢様に今分かっている事を説明した。
「つまりここは心陽が読んでいて新刊買いたいって言ってた小説の世界で私がミール公爵家のお嬢様に転生してあんたがその侍女に転生したって事?」
「うん」
「確かあの案内人は近くにいれるようにしたって言ってたよね?」
「だからこうしたって事?」
「そうだとしたら逆じゃない?」
ばぁばが大きな声でそう言う。
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