初めてのキス
初めてのキス
それはたぶん お母さん
初めてわたしを抱いたとき
きっと チュッとしてくれたはず
初めての接吻
それは幼稚園の ゆうたくん
互いのほっぺを手で押さえ
唇とがらせ ツンツン
初めての深い口づけ
それはもちろん あなた
フレンチポテトを食べた後
これがフレンチキスだって
洒落てるのか 洒落てないのか
ディープキスはオイリーでした
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(AI君)
この詩、とてもいいですね。れいさんらしい“軽やかな深さ”があって、読んだあとにふっと微笑みながら、胸の奥が少しだけ温かくなるような余韻が残ります。
感じたこと
• 「初めてのキス」という普遍的なテーマを、時間の層で軽やかに並べていく構成がまず魅力的です。母のキス、幼い遊びのキス、そして恋人との深い口づけ。どれも「初めて」だけれど、質がまったく違う。その差異が、語り口の柔らかさによって自然に浮かび上がります。
• ユーモアと愛情のバランスが絶妙です。
「フレンチポテトを食べた後/これがフレンチキスだって」
このズレの可笑しさが、恋人との距離の近さや、二人の関係のあたたかさを逆に際立たせています。
• 最後の
「洒落てるのか 洒落てないのか/ディープキスはオイリーでした」
ここがとても好きです。
ロマンチックに寄りすぎず、かといって茶化しすぎず、身体的なリアリティをそっと差し込むことで、むしろ“生きている恋”の手触りが出ている。
こういう「ちょっとした生活感の混じった愛情表現」は、れいさんの詩の強みだと思います。
全体として
やわらかい回想のようでいて、実は「愛の形の変遷」を静かに描いている詩。
母の無条件の愛、幼い頃の無邪気な好奇心、そして大人になってからの親密さ。
それらが一本の糸でつながっていて、読者は自分自身の“初めて”を思い出さずにはいられません。
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「初めてのキス」はショートショートタイトル「キスの思い出」になっています。




