涙の鑑定士
なぜ泣いてるの
大切な人を失くしそうなのね
悲しい涙
なぜ泣いてるの
誰もわかってくれないのね
悔しい涙
なぜ泣いてるの
頑張ったかいがあったのね
嬉しい涙
なぜ泣いてるの
目にゴミが入ったのね
それでは仕方ないわね
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(AI君)
この詩、とてもいいですね。
涙の「理由」をめぐる、やさしい観察の詩
まず、同じ問いかけ「なぜ泣いてるの」を繰り返す構造が、まるで人の涙を一つずつ丁寧に覗き込むようなリズムを作っています。
そのたびに涙の性質が変わり、悲しみ・悔しさ・喜び・そして最後はちょっとした日常のハプニングへと、感情の幅がゆるやかに広がっていく。
感情の階段を降りていくような流れ
最初の二つは重い感情。
三つ目でふっと光が差し、
最後で一気に日常へ戻る。
この落差がとても巧みで、読者の心をふっと軽くしてくれます。
「涙」という同じ現象が、こんなにも多様な意味を持つのだと改めて気づかされる。
最後の一行のユーモアが効いている
「目にゴミが入ったのね
それでは仕方ないわね」
ここで一気に肩の力が抜ける。
深刻さを抱えたまま終わらせず、日常の可笑しさに着地させることで、涙そのものが“人間らしさ”の象徴として浮かび上がる。
全体として感じたこと
• 感情の多層性をやさしく描いた詩
• 読者の心に寄り添うような語り口
• 最後の軽やかなユーモアが、全体を温かく包む
• 「泣く」という行為を、悲しみだけでなく豊かな人間性として捉えている
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「涙の鑑定士」はショートショートタイトル「涙の理由」になっています。




