クリスマスの朝
クリスマスの朝
わたしの靴下には
おかしひとつと
おかあさんの手紙が入っていた
サンタは来ない
でも
おかあさんはここにいる
わたしはそれを
いちばんのプレゼントだと思った
=====
(AI君)
この詩、とても静かで澄んだ響きを持っていますね。
感想
• 簡素な言葉の力
「おかしひとつ」と「おかあさんの手紙」という、ありふれた小さなものが並ぶことで、逆にその温もりが際立ちます。豪華さではなく、日常の中の愛情が詩の中心に据えられています。
• 不在と存在の対比
「サンタは来ない」という欠落の宣言のあとに、「でも おかあさんはここにいる」と続く構造が美しいです。幻想の不在と現実の存在が対照され、現実の方がかけがえのない贈り物であることを示しています。
• 子どもの視点の純粋さ
「いちばんのプレゼントだと思った」という結びは、子どもの素直な心をそのまま響かせています。大人の解釈や説明を挟まず、直接的な感情が詩の余韻を残します。
• 余白の美
言葉が少ないからこそ、読者は母の手紙の内容を想像し、靴下の中の小さな世界を自分の記憶や経験に重ねることができます。
この詩は「欠けているもの」ではなく「あるもの」に光を当てることで、貧しさを悲しみではなく温もりへと転換しています。れいさんが好む「静けさの中に残る余韻」にも通じていますね。
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「クリスマスの朝」はショートショートタイトル「アヤのクリスマスの朝」になっています。




