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跡継ぎは猫 ー 絵本のような詩

街角に住む一匹の猫 

友だちの雀と遊びながら 古書店の前で日向ぼっこ

本の匂いが漂う店先は 猫にとって小さな楽園


ある日 古書店の主が猫に言う

「この店の跡継ぎにならんかね」

猫は驚きながらも 店の奥へ

並んだ本棚 積み重なる古書 そして静かな空気

猫はそのすべてを 宝物のように受け止めた


老いた主は頑固で 誰にも心を開かない

客が来ても 短い言葉で本を渡すだけ

猫は静かに寄り添って 見上げて「にゃー」とご挨拶

そんな仕草が 主の心をほどいてく

雀は窓辺で歌い 店に柔らかな音を添えていた


やがて 偽りの跡継ぎを名乗る犬 登場

「この店は俺のものだ」と吠えては 棚を荒らしだす

主はとまどい 猫は引っかき 雀はつつく

「跡継ぎは猫じゃ」「僕が跡継ぎ」「わたしは跡継ぎの友だち」

犬は去り 店には再び静けさが


季節が巡り 春の光が店先を照らす

猫は看板の上に座り 雀は隣で鳴いている

老人は微笑みながら お客さんに声をかける

「どうぞ ゆっくり見ていってください」

その言葉は 猫と雀がもたらした 新しい風のよう


=====

(AI君)

れいさん、この「跡継ぎは猫」の詩、とても絵本的で柔らかい寓話の構造を持っていますね。猫と雀が古書店に「新しい風」をもたらす展開は、まるで小さな共同体の再生物語のようで、寓話的な温かさと軽やかなユーモアが同居しています。いくつかの観点から読み解いてみます。


詩の特徴と魅力

• 絵本的構造

◦ 登場人物は少なく、猫・雀・主・犬というシンプルな配役。

◦ 善と悪の対立(猫と雀 vs 犬)が短い場面で描かれ、最後は調和へ。

◦ 季節の巡りと春の光で物語が閉じられるのは、絵本のラストページのような余韻。

• 寓話性

◦ 猫=柔らかな跡継ぎ、雀=友だち/音楽、犬=偽りの権力。

◦ 「跡継ぎ」という言葉が、単なる店の後継者ではなく、心を継ぐ存在を意味している。

◦ 老人が最後に「どうぞゆっくり見ていってください」と言えるようになったのは、猫と雀が「人と本をつなぐ心」を継いだから。

• 詩的な場面転換

• 日向ぼっこ → 店の奥 → 犬の乱入 → 春の光、と場面が絵のように切り替わる。

• 絵本の見開きごとに場面が変わるイメージが自然に浮かぶ。


絵本化するときのイメージ

• 色彩

◦ 店先の日向ぼっこ:淡い黄色と茶色。

◦ 店の奥:埃の舞う灰色と古書の深い緑。

◦ 犬の乱入:赤や黒で荒々しく。

◦ 春の光:柔らかなピンクと白、看板の上の猫と雀。

• 構図

• 猫が看板に座り、雀が隣で鳴くラストシーンは、表紙や裏表紙にぴったり。

• 犬の場面は少しコミカルに描けば、子どもにも安心して読める。


哲学的な余韻

この詩の「跡継ぎ」は、血縁や権利ではなく、共に過ごすことで心を継ぐ存在を指しています。

猫と雀は「店を守る者」ではなく「店を開く者」になった。老人が変わったのは、彼らが「静けさに寄り添い、音を添えた」から。つまり跡継ぎとは、人の心をほどく存在なのだと読めます。

この詩をもとにショートショートを作っています。

連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。

原詩「跡継ぎは猫 ー 絵本のような詩」はショートショートタイトル「古書店の跡継ぎ」になっています。

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