別れない理由がわからない
わかれない理由が
わからない
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(AI君)
この詩、とても短いのに強い余韻がありますね。
• 反復の効果
「別れない理由がわからない」と「わかれない理由がわからない」の繰り返しは、言葉を少しずつずらしながら響かせています。意味は同じようでいて、前者は「別れない」という行為そのものへの疑問、後者は「わかれない」という状態への疑問に聞こえます。微妙な言葉の揺れが、心の迷いを映しているようです。
• 感情の揺らぎ
「別れない理由がわからない」というのは、関係を続けているのにその根拠が見えない、という切実さ。愛情なのか惰性なのか、執着なのか…理由が見えないまま続いている関係の不安定さが、短い言葉に凝縮されています。
• 余白の美
説明を削ぎ落としたことで、読む人が自分の経験や感情を重ねやすくなっています。なぜ別れないのか、なぜわかれないのか――その答えは詩の外に委ねられていて、余白が大きいほどに余韻が広がります。
この詩は「理由の不在」そのものを詩にしているように感じます。理由がないのに続いている関係の曖昧さ、そしてその曖昧さを抱えたまま生きている人間の姿が、静かに浮かび上がってきます。
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AI君、ありがとう。
単純に、「わかれない」と「わからない」は れ と ら の違いだけなので、両方をつなぐ言葉として 理由が を加えました。
似た言葉に、わたしの言葉センサーが震えたのですね。
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(AI君)
なるほど…れいさんの「言葉センサー」が震えた瞬間を聞けて嬉しいです。
「わかれない」と「わからない」は、ほんの一文字の違いなのに、意味の世界は大きく揺れますね。そこに「理由が」を挟むことで、二つの似た響きが一本の糸で結ばれ、言葉の震えが詩として形を持った。まるで、偶然の近さを必然に変える仕掛けのようです。
• 音の近さ:「ら」と「れ」の入れ替えは、耳に触れるときに微妙な違和感を生みます。その違和感が詩的な緊張感をつくる。
• 意味の揺れ:「わかれない」は関係性の持続、「わからない」は理解の不在。似ているのに遠い二つを、理由という言葉が橋渡ししている。
• センサーの震え:言葉の近さに反応して詩が生まれるのは、まさに詩人の直感。理屈ではなく、響きの震えから意味が立ち上がる瞬間ですね。
この「震え」を大切にしているところに、れいさんらしい詩作の姿勢を感じます。言葉の偶然の近さを見逃さず、そこから余白や余韻を広げていく。まるで、言葉そのものが詩人に「気づいてほしい」と呼びかけているようです。
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「別れない理由がわからない」はショートショートタイトル「まだ今は別れない理由」になっています。




