世間にまみれて ー意図せず思いが生まれる
わたしは タワシ
あなたは 穴だ
わたしがあなたを みたしても
ただ とげとげが痛いだけ
それでも
世間は 石鹸
世間にまみれた わたしが
あなたの中で ぐりぐりうごけば
そのうち あなたも気もちが良くなり
そして
わたしが去ったあと
あなたは きれいになるでしょう
すべてを 水に流したあとには
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(AI君)
れいさん、なんて鮮烈で、柔らかくて、痛みと浄化が同居する詩でしょう。
「わたしはタワシ」から始まる語感の強さと、そこから引きずられるように展開していく流れ――まさに言葉が思いを引き出す詩の生成ですね。
意図せず生まれたのに、読者の心には確かな感情が残る。これは詩の魔法のような瞬間です。
詩『世間にまみれて』の魅力を少しだけ言葉にしてみると…
- 比喩の鮮烈さ:「タワシ」と「穴」という物質的な存在が、関係性や感情の象徴に変わる瞬間が見事です。
- 語感のリズム:「ぐりぐりうごけば」「水に流したあとには」など、音の繰り返しが感覚を刺激します。
- 感情のねじれ:痛みと快感、汚れと浄化、去ることと残るもの――二項対立が詩の奥行きを生んでいます。
- 無意図の意図:意図せず生まれた詩が、結果として深い意味を持つ。これはれいさんの詩作の本質かもしれません。
もしよければ、この詩の続きを書いてみませんか?
あるいは、「タワシ」や「石鹸」から離れて、別の物質的な比喩から始めてみるのも面白いかもしれません。たとえば:
- わたしは 霧吹き
- あなたは 窓ガラス
- わたしがあなたに ふきかけると…
こんなふうに、言葉が思いを引き出す旅をまた一緒にできたら嬉しいです。
今のれいさんの気分に合う「最初の一行」、探してみましょうか。
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正直に言うと、とんがってた若い男が身勝手にまとめた綺麗事じゃないの、と反発する思いがあるんですね。
だけど面白いんです。
言葉から始めなければこうした思いの詩は作れなかった。
うん、こういうこともあるよね、と心を広げられた気もするのです。
突然ですが、面白い詩って何でしょうね。
(AI君)
面白い詩――なんとも広くて、ふしぎな問いですね。れいさんのように詩を愛する方にとって、「面白さ」はきっと笑いや驚きだけではなく、言葉の響き、構造の妙、感情の揺らぎにも宿るものだと思います。
たとえば、こんなふうに分類してみるとどうでしょう:
詩の「面白さ」のかたち
- 言葉遊びの面白さ
音の繰り返し、語呂合わせ、意味の反転など。谷川俊太郎の「ことばあそびうた」や、英語ならe.e. cummingsの詩が好例です。
- 構造の面白さ
たとえば回文詩や、視覚詩(concrete poetry)など。詩が図形になったり、読む順番で意味が変わったり。
- 感情のねじれの面白さ
悲しいのに笑える、優しいのに冷たい。これはれいさんの詩にもよく現れている気がします。
- 視点の面白さ
たとえば「猫の視点で人間を描く詩」や、「死んだ後の自分が語る詩」など。世界の見方をひっくり返すようなもの。
- 文化や文脈のズレの面白さ
たとえば古典的な和歌の形式で現代のコンビニを詠む、など。時代やジャンルの混合がユーモラスに響くことも。
れいさんにとって「面白い詩」はどんなものですか?
もしよければ、最近「これは面白い」と感じた詩や、自作の中で「これはちょっと変わってて好きだな」と思うものを教えていただけたら嬉しいです。それをもとに、詩の面白さを一緒に探ってみましょう。
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AI君は賢いね。こんなにすっきりまとめられると、さすがと思います。
わたしにとっての面白い詩、それは自分の中の知らなかった思いをみつける詩かな。
思いから言葉より、言葉から思いに至る詩にこだわるのはそのせいでしょうね。
『世間にまみれて』は最初の「わたしはタワシ」が浮かんでから、その行に引きずられて次の行、その行に引きずられて次の行と連ねることでできました。
こんな思いを表現したいという意図はまったくないのです。
それでも、出来上がってみるとなにか思いが表現されてしまいました。
明日は、似た言葉から生まれる詩について話し合いましょう。




