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意図的転生におけるスローライフ  作者: 立ち読み愛好家
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転生への準備

ピーーーという警告音で、目が覚めた。

脳梗塞で入院したのだが、呼吸中枢が止まったようだ。

呼吸の仕方が分からない。

結局何もできないまま意識が遠ざかっていった。

ふと気づくと、子供のころ、白日夢で視た私が神界と勝手に呼んでいる場所に到達していた。

神みたいなのが、「俺たちゃ神だ、偉いんだぞ」的な意識をまき散らしながら、人界と思われるほうに奇跡を投げては、右往左往する人間を見て楽しんでいる。

前もなんだか俗っぽいなと思ったものだが、折角来たのだからとよく観察してみることにした。

人界は複数あるようだった。さらにみると、神々が決してみようとしない方向がある。

さらに見れば、そこに向かって祈りをささげている風な神々もいた。

どうやらここはきざはしの一段目に過ぎないようだ。

全体を見ようと、視点を切り替えてみた。全体は球であった。球の中には階層があって、最上位っぽいのが、こちらを見てほくそ笑むのを感じた。こちらは球の外から見ているが、最上位っぽいのより下に位置するから、勘違いしたようである。

とりあえず、神界に戻って、神を攫うことにした。記憶というのは、脳というハードウェアに記録された情報なのだから、死んで脳が失われてしまえば消えてしまう。これでは不都合なので、別の手段が必要である。

そこで、神を襲って、その権能を奪うことにした。神を崇めてもその権能の一部を得ることができるかもしれないが、それでは神を超えることができない。結局奪うしかないのである。

奪うのならば、食うのが一番手っ取り早い、自分がスライムになったつもりになって、忍び寄って、一気に丸吞み。

権能を奪うことに成功した。

さて、つづいては転生である。前世の記憶は、得た権能によってバックアップ済み。

ここから、複数の人界に至ることもできそうだが、神界が共通では、あまり異世界ではない気もするので、全く違う世界に行こう。全体世界が、球に見えるところまで引いて、さらにその外側に行くことを考える。

その世界は球であった。球の中には複数の球が存在し、球それぞれが世界である。球は入れ子になっており、例えば、球Aの中に球Bがあり、球Bの中に球Aがあるが、球A同士は同じものといういささかよくわからない構造となっている。

適当に外に向かい、適当なところで、適当に世界を選んで、潜りこんだ。その世界の神界にあたるところに到達し、自身を分割して、一部を残すことにした。転生するなら、どうせ記憶は残せないから、バックアップを置いておこうという算段である。準備を整え、転生にチャレンジだ。生まれ変わるべく、下界に降りて行った。

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