表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

酒に溺れる奴は死ぬ

 引っ越しから数か月。ようやく生活も落ち着いたと思っていた。


 そろそろ日付も変わるというタイミングで母から電話が来た。うたた寝をしていた私は、ぼんやりとぼやきながらその電話をとった。

「お父さん、倒れた!」

「ええ?」

 また、酒の飲み過ぎで足でももつれさしたのか。

 私は全然心配していなかった。父は飲んだくれだ。アルコール依存症だ。だから、いつものことと受け止めた。

「お父さん、危篤状態!」

「ええ?」

 危篤と言う単語に、それがどういうことか、さっぱり頭に浮かばなかった。


「あの、今、救急車来た、乗るから!」

「あ、はい」

 危篤……? と首をひねる。救急車が来るほどの事態。でも、救急車が来たから大丈夫なのか?

 これは、明日会社に行けない感じだろうか。

 見舞いに行って、父に苦言を言わねば、などと考えていた。私は、まだのんきだった。


 慌てて風呂に入って、洗濯機を回す。風呂から出ると、不在着信があった。母からだ。

「あの……早く来て」

「え、うん、わかった」

「すぐ来て」

「いや、すぐには行けないから」

「うん」

 なんだろう。そんなにひっ迫した状況なのか。夜が明けるのを待たず、実家に行くことになった。


 髪を乾かして、洗濯物を干して、家を出た。



 交差点で車を止めているときに、妹から着信があった。車を安全な場所へ移して停車。電話を受ける。

「あの……お父さん、亡くなった」

「ええ……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ