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チートな冒険者ギルドの受付嬢  作者: 秋華(秋山 華道)
チートな冒険者ギルドの受付嬢+愉快な仲間たち
32/35

水着回は突然に

アニメ作品の多くに存在する無くてはならないもの。

それは、だいたい七話前後にある水着回だ!

だったらこの話にも当然あって然るべきものだと思う訳だが、この話の舞台となるギルドの都合上難しい。

何故なら、ギルドは年中無休だから、全員が一緒に休みをとってプールになんぞ行けないからだ。

それだけではない。

この世界にプールは無いし、海に行くにしても遠い。

大陸の真ん中にある町なのだから当然だ。

どうして俺はこんな町に転生してしまったのだろうか。

しかしそれでもようやく、ここにきて上手くやる方法を見つけた。

さあ待ちに待った水着回の始まりだ。


俺たちは、初めてギルドメンバー揃っての休暇を楽しむ為、長門王国との国境にある河に遊びにきていた。

全員一緒に休みが取れたのは、ギルド協会から臨時職員を借りる事ができたからだ。

半年くらい働いて、ようやく俺たちはここまで来たんだ。

「海!じゃないくて河最高!」

俺は喜びを体いっぱいに表現してみた。

しかしだ。

よく考えて欲しい。

うちの女子に、水着が望まれるような魅力はあったのだろうかと。

ちっちゃい方から紹介すると、まずはミケだ。

この小さな子供の水着姿が見たいと思うだろうか。

いや、普通は思わないだろう。

仮に見たいという人がいたとしても、はい残念!

ミケは人型に変化したら、キャッツなんとかが着ているような衣装を標準で着ている。

上に何かを重ね着する事はできても、これを脱ぐ事はできないのだ。

これは体の一部であり、破れたりしたら怪我と一緒。

痛みを感じたりもする。

そんなわけで、まずミケに関しては、そもそも水着になれないので今回の話の意味はない。

続いて嬢ちゃんだが、見た目は十一歳くらいの女の子だ。

当然胸も何もない。

多少需要はあるかもしれないが、水着回でウホウホできる者は限られるだろう。

当然俺はまるで興味がないので、水着姿を褒めなければ殺される立場から言えばむしろ辛い。

続いて朝里ちゃんだが、一応成長の止まった年齢は十五歳辺りだろう。

しかしそもそも成長が遅く晩成型、身長も百五十センチくらいなお子様な訳で、なだらかな曲線がややうかがえる程度だ。

しかも俺にしてみれば、一緒に暮らし始めた頃、朝は毎日下着姿を見てきたわけで、今更水着姿を見た所で思う所はない。

この作品がアニメ化されたら見たいと思う人はいるかもしれないが、ここで良さを表現しようにも無理である。

そんなわけで此処まで全滅。

最後の砦は卑弥呼だが、逆に色気ムンムンの大人の女性過ぎてちょっとヒク。

なんというかな、裸よりも裸一歩手前くらいが良い、みたいな所もあると思う。

なんとか三世とか、ほにゃららスリーナインとかに出てくる美女を足して割ったような人は、高嶺過ぎて逆に何も感じなかったり。

身近な普通の子が結果的に一番良かったりするよね。

「俺の周りには普通の女の子はいないのかよ!」

「私‥‥普通だと‥‥思う‥‥」

嬢ちゃんは俺に水着姿を見せつけるように立っていた。

この幼子は、一体何をそんなに主張しようとしているのだろうか。

何もない。

君には何もないのだ。

普通の子は十八歳でそんなにちっこくないから。

でもここは褒めておかねばならない。

何故なら、死にたくはないから。

「嬢ちゃん、水着が似合ってるね。可愛い可愛い」

俺がそう言うと、嬢ちゃんはドヤ顔でご満悦の様子だった。

良かった。

これで俺の命は救われた。


さて俺たちは、河で泳いだり、ウォーター系魔法で作った水のボールで遊んだり、それなりに楽しんだ。

水着がどうとかいうよりも、単純に河で遊ぶのは楽しかった。

だって、まだまだ若い十八歳なんですもん、分かって(ハート)。

とか言ってるとちょっと自分自身気持ち悪いと思えたので、このノリはこれだけにしておこう。

後はバーベキューで再びピカ獣の肉を食ったりして楽しんだ。

三時頃、まだ日は高いが帰るのに三時間くらいはかかるので、俺たちは帰り支度を始めようとしていた。

その時、やけに熱い空気が風で流れてきた。

少し煙の臭いもする。

俺たちは揃って風上の方向へ振り向いた。

すると遠くの森から煙が上がり、少し炎も見えた。

「森林火災か」

「どこぞのバカが森でファイヤ系魔法でも使っておったのじゃろう」

まっ、そんな所だろうな。

正直遊び疲れたので無視して帰りたい所ではあるが、残念ながらこの辺りはセカラシカ領内。

ギルド職員としては見過ごせないだろう。

「消しにいきますか?広がってからだと大変ですから、行くなら早めに」

「そうだな。行こう!」

俺が走り出すと、朝里ちゃんもついてきた。

しかし他はその場で横になった。

「っておい!お前らも手伝ってくれよ!」

「私が‥‥やると‥‥一瞬で消せる‥‥けど‥‥」

うむ。

嬢ちゃんにやらせると、森にいる人が全員水で流されてしまいそうだ。

つか河の流れや地形まで変わってしまいそうで怖い。

「嬢ちゃんはこなくていいよ‥‥」

「私も無理なのさ!魔法はピリピリしか使えないのだ!」

ミケ、自慢できる事ではないがしゃーなしだな。

「ミケも仕方がないか」

「わしはギルドマスタ―なのじゃ。命令じゃ、さっさと消してきんさい!」

「さいですか」

俺はそう言って朝里ちゃんの手を引いて森へと向かった。

「あのぉ、南さん、わたくしは役に立つ事ができるのでしょうか?」

何故俺に聞く?

それは自分が一番分かるのではないだろうか。

でも、よく考えたら朝里ちゃんの魔法ってほとんど見た事がない。

『魔術も少々』って言っていたから、使える事は間違いないはずなのだが‥‥

「大丈夫だ。自分を信じろ!きっと朝里ちゃんならできるよ!」

「はい!南さんがそう云ってくれるのなら大丈夫な気がします」

気がするだけで終わらない事を俺は祈った。


遠くから見ていた森は、近くに来ると全く違った森に見えるくらいに燃えていた。

これはかなり消すのが大変そうだ。

「とりあえず魔法で消していくか」

「分かりました。私がやってみますね」

「おっ、おう!」

朝里ちゃんはやる気満々だった。

これなら大丈夫そうだ。

俺はそう思ったが、そう思えたのはその時だけだった。

朝里ちゃんは風系の魔法で辺り一帯に嵐を巻き起こした。

森を燃やす炎は一気に大きく広がって行った。

「朝里ちゃん!風は駄目!逆に炎が大きくなっちゃうよ!」

「ロウソクの火は吹き消せるので、これで大丈夫だと思ったのですが」

いやまああの程度なら問題ないけど、この火に酸素を供給するような風は逆にヤバいのです。

それに炎を広げちゃうのです。

「み、水!水系の魔法で行こう!雨を降らすとか河の水をこちらに飛ばすとか」

魔法というのは、エネルギーを生み出したり、異世界住人の力を借りる事はできても、無から何かを作り出す事はできない。

何かしらそこにあるモノを集めて現象を起こしている。

水系魔法は主に空気中の水蒸気を利用しているわけだ。

しかしこの火災を終息させるには、それでは足りない。

近くにある水を利用するのが良いと考えた。

「すみません南さん。わたくしウォーター系の魔法は苦手でして、ファイヤ系か風系でなんとかならないでしょうか」

「マジっすか?」

「はい。マジです」

俺が今、どういう表情をしているか、皆さんには想像できるでしょう。

それが想像できない人は、描写の無い小説なんて読めません。

「そうなのか。じゃあ仕方ない!朝里ちゃんはそこで応援していてくれ!」

「はい。分かりました」

朝里ちゃんはクスクスと笑っていた。

こいつ、最初から分かっててやってただろ?

朝里ちゃんは時々俺をからかって楽しんでいる所がある。

俺もそれは分かっているのだけれど、何故かいつもやられていた。

俺は必死にウォーター系の魔法で火を消そうと頑張った。

朝里ちゃんの風魔法で更に燃え広がった炎はヤバかった。

「しかし葉っぱはよく燃えるなぁ~」

結局消すのに一時間、ウォーター系の魔法を使い続けた。

流石に魔力全開で一時間は、チート気味な俺でも全力で疲れて動けなくなった。

帰りは朝里ちゃんに負ぶってもらって帰ったが、途中で『疲れました』とか言って俺を投げ捨てたので、後は嬢ちゃんが片手で持ち上げて連れて帰ってくれた。

朝里ちゃんも嬢ちゃんも、俺の扱いが酷くなってね?

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