被食【表現的に年齢制限引っ掛かるかもです】
こんな感じのは初挑戦です。
習作的なものですので、生暖かい目で見ていってください。
「ッッッ!?」
痛みで覚醒した。
指先を、なにかに噛まれたような不快感。
その手を見ようとして、周囲が闇一色であることに気づく。
目を擦ろうと腕を持ち上げ、ようとして、体が動かないことに気がついた。
一体、何が起きているのだろう。
かろうじて動く首を動かし、体の方に目を向ける。
闇の中、当然なにも見えない。
はずなのに、わかる。
なにかが、蠢いている。
小さななにか。
それも、百や二百ではない。千ですら足りないだろう。もっと多く。数えきれないほどのなにかが、モゾモゾと這い回っている。
……。虫、だろうか。
小さな、小さな存在。
それが、身体中を這い回っている。見えはしないが、恐らくは全身に。
考えた瞬間に、背筋が震えた。
ゾワリ、と悪寒が全身を駆け巡る。
不気味だから、だけではない。
不快だから、だけでもない。
自分の身に何が起きているのか、これからどうなるのか、それら不安による恐怖。
複合的な理由による身震いだろう。
いっそ、気がつかなければよかった、そうも思った。
意識のないまま、全てが進行し、終わってくれればと。
身震いは止まらない。
もはや全身の感覚すらもない。
恐怖で叫びたいのに、縮み上がった喉は、それを許さなかった。
……怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
フッと、力が抜けた。
緊張に体が耐えきれなくなったのか。
全身の震えが止まり、足の力すらも抜け落ちかける。
直後だった。
痛みが、文字通り全身に駆け巡った。
嚙まれた。
全身を、虫が食い破る。
皮膚を、肉を、かみちぎって上へ上へと這い上がってくる。
不思議と痛みはなかった。
処理が追い付いていないのか、それとも耐え切れない痛みを感じないための生存本能か。
おぞましいまでの不快感。
自分の肉を食い破られるという、異常なこと。
絶叫、すらもできない。
喉が恐怖で固まって、震えもしない。
「ぁ……」
ようやく、声が出る。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
喉を、嚙まれた。
食われた。
認識したときには口の中にザラリとした感覚。
口にまで、虫が這いあがってきたのだ。
いったいどこまで食い散らかされたのか。
指先の感覚などとうにない。
鼻の奥を這いあがられた。
不快感を感じることも、痛みを感じることもなかった。
直後に、意識が途絶した。
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