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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

企画作品

我ら○○○攻略パーティ

 たこすさんの企画で投稿した話の、オリジナルです。


 秋の桜子さん、タイトルバナー、ありがとうございました<(_ _)>

挿絵(By みてみん)


 最初に俺が目覚めた場所は、暗闇の中だった。

 そしてそこには、俺と同じく暗闇の中で生まれた仲間がいた。


 しかし俺達には、群れようとする気は起きなかった。

 この暗闇がなくなる先に、いかなる困難や敵が待ち構えているのか分からないというのに……一匹狼な親から生まれたせいか。


 とにかく俺達は、そんな無駄な思考をすぐにやめ……動き始める。


 明るい場所には……いや、暗い場所にも敵はいたが、ある意味では明るい場所にいる敵の方が()(ごわ)いかもしれない。


 だけど、どちらかと言えば綺麗で清潔な場所で生活したい俺達は……危険を承知で明るい場所へと足を運ぶ。


 叩き潰されたり罠に()まったりして、仲間がたくさん死んだ。


 くそぉ。いったい俺達が何をしたんだ。

 俺達はただ、綺麗で明るく、少なくとも水が確保できる場所で動き回りたいだけなのに。


「おい、知っているか?」


 そんな時だった。

 群れないハズの仲間が俺に話しかけてきたのは。


(うわさ)で聞いたんだが、どうやら、ちょっと危険だけど……うまくいけば適度に水や食料を確実に確保する事ができるルートがあるらしい」


 なんだそりゃ。

 だが、リスクはあれど……挑んでみる価値はありそうだ。


 そして俺は、仲間に教えてもらったルートで楽園を目指す。

 そこは今まで俺が生きていた暗闇……よりも少々ぬめりが多いルートだった。

 俺は足には自信があるが、このぬめりは少々厄介だ。周りを見ると、他の仲間もこのぬめりに苦戦しているようだ。


「ッ! 水が流れ込んできたぞ! 避けろ!」


 前を歩いていた仲間が絶叫する。

 前を見ると、滝のような水がルートに流れ込んできていた。


「「「「うあああああ!!」」」」


 仲間の一部が水に押し流され、奈落の底に落ちていった。


「くそぉ! 〝連中〟の生活する時間帯だったか!」


 残った仲間が毒を吐く。

 するとすぐに別の仲間が「(あきら)めるな!」と叫ぶ。


「どうやら〝連中〟の生活時間らしいが、このルートの出口を使う時間はそう長くないハズだ! 俺達が出口に到着する頃には、すでに使用は終わっている!」


「くそ! なんとしてでも進むしかないってか!?」


 それからも、何度か滝のような水がルートに流れ込んだ。

 しかしいつしか、水は流れ込んでこなくなった。どうやら〝連中〟は、出口の使用をやめたようだ。


「よぉし! 一気に行くぞ!」


 仲間の掛け声に、残った仲間が応える。

 ぬめりが少ない所を選んで進み、俺達はついに明かりがこぼれる出口へと――。


      ※


「フンフンフ~~ン♪ ……ッ!? イヤァ! ゴ○ブリィッ!」


 そして、出口――()()()()()()()出たまさにその時だった。

 俺達ことチャ○ネゴキ○リが、浴室の湯船から出ようとした瞬間の敵――人間のメスに見つかり……その身に大量のシャンプーを浴びせられたのは。


 ちょ、おい待て、そこは呼吸のためのあ、なが――。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど、暗闇の中で目覚めた「俺」とはあの生き物だったのですか。 「人間が絶滅しても生き延びる」と呼ばれている、あれですね。 彼等も懸命に生きているのは分かりますが、衛生面での不安もありま…
[一言] 僕らはみんな生きている! しかし君には会いたくないんだよ。 おとなしく山で暮らしてくれないものだろうか。
2022/10/02 14:56 退会済み
管理
[良い点] 読ませていただきました。 実は本企画は数作品しか読んでないのですが、私はバッチリ当てられましたよ! Gは下手な殺虫剤より洗剤のほうが効果抜群なのですよね。 い、息がぁ!
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