女の顔…?
俺は一本しかないシャーペンを仕方なく真白に渡して数学の教科書を広げる。
スペアを用意しとくべきだったな~書き物がないと計算がむずかしいなぁ~
俺はそう思いつつ真白の横で頬杖をつく。
「お兄ちゃん…しゃーぺん、返すよ」
「…真白…中途半端じゃないか、最後までやっといた方がいいぞ」
「いや…お兄ちゃんしゃーぺんがないとべんきょうできないでしょ?困ってた顔をしてたし…それにお兄ちゃんはべんきょうが必要なんでしょ?」
「…わかった、ありがとう」
俺はそこまで頑固なつもりはないからな、
◇ ◇ ◇
そして20分後…
「俺はそろそろ風呂に…そういえば真白は昨日風呂入ったか?」
「あ…そういえば…おふろ…久しぶりだなぁ…そうだ!いっ…」
「俺が先に入ろう…」
さすがに一緒にお風呂はまだ早すぎる…俺の心にも…
◇ ◇ ◇
俺が…かわいい…?
俺は久しぶりに鏡を見つめる…
…反応に困る…でも…かわいいと言われると…そうかもしれない…
そんなことは今はいい。
俺は服を脱ぎ風呂のドアを開く。
そして風呂のフタを開き全身に湯をかける。
温かい…
お湯の温度を全身に感じながら湯船に全身を包み込む…
ふぅ…やはり…こうやって一人で呆然とするのも…幸せなものだな…
…一人で…そういえば真白は…俺に会うまでずっと一人だったのか…?いや…最低限の知識があるから両親がいたはず…なら…
うッ…このことをこれ以上考えると頭痛が…
俺はこのことを考えるのをやめた…
◇ ◇ ◇
俺は風呂を上がり寝巻に着替えた後、つい再び鏡を見てしまう…
なぜか洗面所にブラシと輪ゴムが…
◇ ◇ ◇
や…やってしまった…
後ろに髪を結んだら普通に女なっちまった!
俺が自分の状態に困惑状態となってしまう…
カチャ…
…ウソだろオイ…
「お兄ちゃん…その…」
「…」
俺は何も反応できない…
「…やっぱり…!お兄ちゃんからするとは思わなかったけどほんとうに女の子になってる!」
「っ…」
学校で「俺は女の子になるつもりなんてない!」なんて言いながら今はこれだ…何も言い返せない…
「そんなことよりいいことを思いついたの!」
「…なんだ?」
「あの…わたし…透明だからその…下着を買うことができないから…この姿で…代わりに…」
ウソダロォォォォ!
…だが冷静に考えればノーの選択肢は無い…下着がないのはどっち性別だろうと致命的なことだ…やるしかない…!