何気ない日々の始まり
翌日…
「むぅ…」
「…?…む!?」
俺は真白の寝息を耳にし目を覚ます。
ちょっと待て…俺は確かに床で寝た…そして俺は今も床で寝ている…だが…俺の胸元で真白が寝ている…!落ちてきたのか!
「むぅ…むぅ…?…きゃぁ!お兄ちゃん!なんでこんなところに!?」
「それは俺のセリフじゃい!」
◇ ◇ ◇
しまった…結構寝てしまった…15分ぐらい起床予定時刻から遅れた…
俺は物置からシリアルの袋を持ってくる。
「お兄ちゃん、これ何?」
「シリアルだよ、料理せずに食える加工食品だ、俺はさっさとこれ食って学校に行くから、真白は好きなタイミングで食べていいよ」
「私もお兄ちゃんと一緒に食べる~」
「わかったよ」
俺は真白にたくさんのシリアルを注ぐ。
「わぁ!いただきま~す!」
やっぱり喜んでる…シリアルを輝くばかりの笑顔でぱりぽりと音を立てて頬張る姿は心の底から和む光景だった…
「お兄ちゃん、食べるんじゃなかったの?」
「…っと急がねば」
◇ ◇ ◇
そういえば俺は制服のまま眠ってしまったせいで着替える手間が省けたな…しまった、風呂も入ってないな…
時間がないしそのまま学校に行くことにしているが。
すんすん…
…?真白は何をしてるんだろう…?こんなに鼻俺に近づけて…
◇ ◇ ◇
HRは…ギリで間に合った…
俺は…やっぱり影の薄いタイプだ…だって変に目立つと吐き気を催す…どこかの陰に隠れることが俺にとっての幸せだ。
俺は席に着くが…真白はやっぱり床にかがみこむだけど今回は俺の座る椅子にもたれかかっている…
昨日は授業ほっぽり散らかしていたからな少し復習しとかなくては…
「お兄ちゃん、何を読んでるの?」
「教科書だ」
「そうじゃなくて…なんの…か…?えっと?」
「科目?」
「そう!それ!」
「数学の代数幾何学だな」
「教えて!」
「ん~…それの学習の前にまずは数学の基礎を…方程式を教えようか…」
結局復習できなかった…でも彼女の興味津々な表情見れたり…とにかく後悔はない。