楽園の果て。
安否を疑われるくらいに廃墟に溶け込め。
成長の跡に残る不良品。
力量不足の楽園の成れの果て。
脱ぎかけの脱皮のままでも思い残すことはなにもない。
お似合いの服に悩むなら、不釣り合いな夢に夢中になって。
海が割れる奇跡のような、嘲笑の群れが作り出す凱旋門。
そこを歩くしか、他のことは知りもしない。
贅沢に選択肢に迷う暇はない。
整えられたハンカチの角に、拭い去りたかった憔悴の証が取り残されている。
答えを告げる声を聞きたいのに、予想を裏切る答えを聞きたいだけなのに。
まとわりつくのは惰眠の脱け殻。
お似合いの格好みたいで、拍手喝采が鳴り止まない。
諦めた笑顔で見上げたなら、誰かが答えを告げてくれる。
人影を寄せ付けない廃墟を目指せ。
昨日までの歳月を差し出せば、お似合いの脱け殻が被してくれる。
選択肢を無くした欠陥品でも、ここでは完成品の価値がある。