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華凛の力は悪魔のパワー ~最強の大悪魔に目覚めました~  作者: けろよん
第二章 悪魔研究会、活動中

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第9話 悪魔の力を見せる時

 華凛達の悪魔研究会の活動が始まった。


「では、悪魔の力を見せてください」


 陽菜からそう言われ、雅からは何も見逃すまいといった迫力のある視線を向けられる。

 何をすればいいだろうかと華凛は考える。

 悪魔はいろいろな事が出来る。少し考えて華凛は簡単に出来て分かりやすい物がいいだろうと決めた。

 学校全体に力が掛かる物だと学校にいるみんなが驚くだろうし、陽菜と雅の為にも外からは目立ちにくい物がいいだろう。

 この部屋で見られる物を意識する。


「じゃあ、炎を出すね」

「おう」

「ふふーん」


 期待のきらきらとした眼差しを向けられるとやりにくいのだが。世の中のマジシャンは勇気があると華凛は思う。

 気を落ち着けてから手を前に出し、手の平を上に向けてからそっと力を入れる。やり過ぎないように優しく。


 ボウッ


 そこに黒い悪魔の炎を出した。華凛にとっては大きくならないように気を付けないといけないほどの弱い力だったが、ごく普通の人間である少女二人は驚いた顔を見せた。


「これが悪魔の力ですのね」

「本当の悪魔の炎。黒い」

「うん、黒いよ」


 残念ながら華凛は悪魔の力は使えるが芸を磨こうと意識したことは無かったので、見栄えを良くするとかカラーのバリエーションに富んだ炎を出そうとかしたことはなかった。悪魔の炎は黒いものだ。

 何の飾りも混ざり気もない純粋な悪魔の炎だが二人にはそれが良かったようだ。

 その黒い炎を見ただけで陽菜と雅は満足したようで興奮していた。


「熱はあまり感じませんのね」

「弱くしているから」

「触って大丈夫?」

「駄目だよ。弱くても炎だから」


 いつまでも出しっぱなしにしていると二人が触って怪我をしてしまいそうだ。華凛はそこそこ見せたところで切り上げることにして拳を握って炎を消した。

 今度はこちらから言うことにする。二人が喜んでくれたことでちょっと乗り気になれた。


「じゃあ、次は何を見せようか」

「翼。翼が見たいよ」


 雅がすぐに答えてきた。その隣で陽菜が頷く。


「わたくしも飛ぶのが見たいですわね」

「じゃあ、それで」


 華凛は気分よく背に悪魔の翼を広げた。これぐらいは悪魔にとっては容易いことだ。

 悪魔の力をきちんと制御できているので、広げた翼で服を破るようなヘマはしない。服を通過して悪魔の翼を広げるなど華凛にとっては容易いことだ。

 陽菜と雅は再び感嘆に目を見開いた。


「それって動かせる?」

「飛べますの?」

「うん、どっちも出来るよ」


 華凛は快く二人の求めに応じてやる。

 リクエストに応えて足を床から離して浮かび上がった。

 部屋には天井があるので気を使って低い位置で体を水平にして浮かんで見せる。


「それって手品じゃありませんわよね」

「うん、違うよ」

「確認させて」

「うん、どうぞ」


 華凛は浮かんだ姿勢のまま、二人の手の届く位置まで下降した。そのまま床の少し上の位置で浮かんだまま静止する。

 陽菜と雅は何かトリックが無いかと上や下に手を走らせるが、もちろん悪魔の力で浮いているのでそんな物があるはずが無かった。


「本当に悪魔の力で浮いてますのね」

「うん」

「えいっ」

「わっ」


 雅がいきなり飛びついてきて華凛の背中に乗ってきた。まるで始めて馬に乗った子供のように瞳を煌めかせて興奮の声を上げた。


「本当に飛んでる。凄い凄い」

「喜んでもらえたなら良かったよ」

「重くはありませんの?」

「悪魔は力があるから。でも、驚くから言ってから乗ってくれると嬉しい」


 華凛は陽菜も乗るのかと思ったが、彼女は少し考えてから別の提案をしてきた。


「ここは狭いですからもっと広い場所に行きましょうか」

「広い場所?」


 華凛にはその心当たりが無いが陽菜はもう決めたようだ。強く頷いて言った。


「ええ、そこでもっと思う存分飛ぶことにしましょう」


 部長の決めたことに逆らう理由は特に無い。

 陽菜の提案で華凛と雅はこの部屋を出て移動することにした。

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