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異世界に、助けを呼んだら、竜が来た。  作者: 倭刀
プロローグ、女神は語る、「助けて」と
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「さぁ!これこそが我らハイドラが仕留めしクイーンコッコだ!」


 4人でサルバジオンの表へ出ると門のすぐ近くに人だかりが出来ていた。(ザルドは一緒に出てきたが建物の前に立っている銅像の前で手を組んでいる)


 ザルドを除いた3人でその人だかりの方へ向かうと、デッドリーコッコの数倍の大きさのニワトリが横たえられ、その隣には灰色の髪の眼帯男と赤い髪の男が・・・あいつは!


「そしてこいつが今回クイーンコッコを仕留めた英雄だ!」


 そういって眼帯男が赤髪の男を前に立たせる。赤髪は本意ではないのか仕方なく立っているような感じだが、町民にとっては些細なことだったようで赤髪が前に出た瞬間に歓声が上がった。


 町民のテンションとは逆に暗い雰囲気なのがこちらの2人だ。


「ハイドラもクイーンコッコを狩った・・・?」


「同時期に2体出たと言うことか・・・?」


 なるほど、どうやらこの2人は勘違いしているようだ。


「あやつらが狩ったと言っているクイーンコッコ、あれは我が仕留めたものだろう」


 我の言葉に驚く2人。


「あのクイーンコッコを見てみろ。首が無いだろう?あれは我がクイーンコッコの首を刈り取ったからだ」


「だけどよ兄さん、もしかしたらあれは兄さんが狩ったやつじゃなくて、本当にあの赤い髪の男が狩ったのかも知れないだろ?」


「あぁ、ウィドの言うとおりだ。ディスター殿が嘘を言っていると言うわけではないが、あの男が狩った可能性はある。あの男もジュネの首飾りをつけているようだしな」


 なぜ急に実力者が増えたのか、そういって首をひねるフレイ。


「あの男の得物は槍だからな。クイーンコッコの大きさ的にも喉は切れても首を刈り取るまでは難しいだろう」


 我を殺しに来たときも心臓の一点狙いだったからな。


「あの男を知ってるのか?」


「知り合いと言うわけでは無いのだがな、少し戦ったことがあるだけだ」


 賑やかしの観客と少し離れていたこと、観客が少し落ち着いてきていたこと、この二つが重なって運悪く目立ってしまったようだ。


「見つけたぞ!竜!」


 赤髪の叫び声と共に門を飛び越えて銀色の飛竜がやって来た。突然の襲来に逃げ惑う人々。


「なんだあの化け物は!?空飛ぶトカゲとか聞いたことも見たこともないぞ!」


「落ち着けウィド!町の皆さんも落ち着いて!我らサルバジオンが誘導いたします!」


 突然の出来事にも冷静なフレイ。ギルドを纏めるというのはそれだけ大変なのだろう。ふとハイドラの眼帯男を見ると男は片手で頭を抑え軽く振っていた。


「折角功績を立ててやったのにすぐさま不意にしやがった・・・」


 そんなことを呟いていたようだが我ものんびりはしていられなかった。


「こんどこそお前を狩ってやるぜ!」


 赤髪の男がこちらに襲いかかってきたのだ。


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