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「こいつを見てくれ」
そういってウィドが取り出したのは我が狩ってきたデッドリーコッコだ。
「大ニワトリ?いや、デッドリーコッコか」
「あぁ、こいつは町の近くでディスターが狩ってきたものなんだ」
「はぐれならともかくこの数のデッドリーコッコが?」
「俺も自分の目で見た訳じゃないけどな。だけどディスターが嘘つく必要も無いだろう?」
「そうだな、ウィド、お前のことだからまた大ニワトリの依頼でも出したんだろう?」
「今回はギルド経由じゃなくて直接依頼したんだけどな」
ウィドとフレイがどんどん話を進めていくが我にはどう言うことなのかさっぱりわからん。
「それで、結局どういうことだ?」
「ディスター悪い。そういえば説明してなかった。簡単に言えばデッドリーコッコは本来この辺りに居るような生物じゃないんだ。そしてこいつが大量に現れる例外が1つある。それがクイーンコッコだ」
クイーンコッコはデッドリーコッコの数倍の大きさのニワトリで毎日数十個の卵を生むらしい。そして2日前後で卵が孵り、3日程でデッドリーコッコになるそうだ。
「だから放っておくと厄介なことになりかねない」
フレイが最後にそうまとめると、ウィドとフレイの二人は対策を話始めた。しかしでかいニワトリか・・・
「もしかしたらクイーンコッコとやらはもう居ないかも知れん」
「「は?」」
どういう事かと詰め寄る二人。
「ウム、このデッドリーコッコを持ってくるときに一際大きなニワトリが居たのだが、流石に同時に持ってくるのは難しくてな。置いてきた」
我がそう説明するとウィドは椅子に座り込んでしまった。
「はは、兄さんは規格外だとは思ってたけど予想以上だわ」
そういって力なく笑っている。一方フレイは
「ウィド、まだ確認が済んだわけではないのだから気を抜くには早いぞ。とりあえずその倒したニワトリを確認しなければ」
そういって町の外に出る準備をするように促そうとしたのだが・・・
「会議中失礼致します!ただいまギルド、ハイドラがクイーンコッコを討伐したと発表がありました!」
その前に討伐の報告が入ってきたのだった。