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果樹園の指と釣具店の声  作者: 宇部 松清
before debut 2007/12/12~2008/4/7
26/318

♪26 fever heat

 12月30日、本年の業務を終えた章灯しょうとあきらへの手土産を持って家に帰ると、珍しく、リビングの電気が消えていた。

 ここ最近は毎日のように湖上こがみ長田おさだがリビングで章灯の帰りを待ちかまえており、夕飯もそこそこに酒の相手(長田はコーラだったが)をさせられていたのだが、さすがに今日は予定があるのだろう。独身の湖上はまだしも、長田に至っては家庭があるのだ。

「明日は大掃除だな……」

 そう呟きながらリビングの電気を点ける。


「――うわぁっ! アキぃっ!?」


 真っ暗だったリビングに灯りがともると、キッチンの方向へ頭を向けて仰向けに倒れている晶の姿が現れた。

「アキ! おい! しっかりしろって!」

 一瞬、午前中に読み上げた若者の突然死のニュース内容を思い出してしまい、足が震えた。今日のニュースは若年性の脳梗塞だったが、この時期になると急性アルコール中毒という線も充分に考えられる。晶がこの時間からたった一人で酒を飲むとは到底考えられなかったが、それでもその『万が一』は文字通り0ではないのだ。その上晶は恐らく自分の限界ってやつを知らない。まだそこまでの場数を踏んではいないはずである。

 慌てて駆け寄ってみると、晶ははぁはぁと荒い呼吸をして、真っ赤な顔をしていた。額に触れるまでもなく、発熱しているようだった。とりあえずは呼吸をしていることに安堵する。

「アキ! アキ! おい!」

 何度も呼びかけると、うっすらと目が開く。熱のせいだろう、瞳が潤んでいる。

「章灯さん……。お疲れさまでした……。夕飯は……調理台の上に……」

 いつもよりも数倍小さな弱弱しい声で、絞り出すようにしゃべる。

「良い、良い。そんなん後で食うから。とりあえず、夜間救急行くぞ。立てるか?」

 章灯は右手を晶の首の下に入れ、力を入れてゆっくりと身体を起こした。触れた部分が熱い。

「病院……。嫌です……」


 ……だろうな。

 病院が好きなやつなんてそうそういないけれども、アキなら絶対こう言うと思ったわ。


「嫌でも何でも仕方ねぇだろ。インフルだったらどうすんだよ。俺にまで迷惑かける気か?」

「インフル……だとしても……まだ……わからないはずです……」

「だとしてもだ! ウチには薬なんてねぇし、ぶーっとい注射されて来いや!」

 身体が起き上がったところで、晶の左腕を自分の首にかけ、立ち上がらせた。

「お前……軽すぎんだろ。ちゃんと食ってんのか?」

「同じもの……食べてます」

「じゃ、もう体質だな……。とりあえず、このまま車行くぞ。保険証どこだ?」

「部屋に……」

「お前の部屋か……。片付いてる……わけないよな?」

 それでも、もしかして、とほんの少し期待を込めて問うと、晶の返事はやはり「すみません」だった。

「俺が探しに行ってもすぐ見つかるか?」

「……たぶん無理です」

 部屋の主がそう言うのだ。おそらくそうなのだろう。

「仕方ない。後から申請すりゃ戻ってくんだろ。行くぞ」

 そう言いながら、財布の中にいくら入っていただろうかと考える。


 さっきコンビニに寄った時に見たんだよなぁ……。たしか万札は数枚入ってたはずだ。年末は何かと入り用だからな。


 晶を助手席に座らせると、一度家に戻ってリビングの床に置きっぱなしになっていたコンビニの袋を冷蔵庫に入れる。その足で調理台の上の夕飯を見ると、今日はから揚げだったらしい。

「アイツ、何であんな状態で揚げ物なんかしてんだよ……。あっぶねぇなぁ……」

 ラップを少し剥がしてから揚げを1つつまむ。こんな状態でも変わらずに美味い。そこはさすがとしか言いようがない。

 戸締りをして車に乗り込む。助手席の晶は荒い呼吸をしてぐったりとしている。

「まったく……」


 局内でも風邪は流行ってるからな。念のためマスクをしてて良かった。



 年末の夜間救急は章灯の予想以上に混みあっていた。

 そこかしこで幼児の泣き声が聞こえる。しかし、泣いているのはまだ可愛い方で、母親の膝の上でぐったりとしている子もおり、見ているこっちまで心配になってくる。

 ベンチだけではなく、折り畳みの椅子までも空きはなく、立っているしかないのだが、晶は1人で立つこともままならない状態だ。何とか問診票を書かせたあと、仕方なくその場にしゃがませてみたが、ぐらぐらとしてどうにも危ない。


 この状態で何時間待つことになるのだろうか……。


 自分の足にもたれさせてしばらく凌いでいると、子供連れの母親が、その子を膝の上に乗せ、章灯の方を見ながら手招きをしている。

「アキ、ちょっと頑張れ。あそこのお母さんが席空けてくれたぞ」

 そう言って晶を抱えてベンチまで移動する。ありがとうございます、と礼を言って晶を座らせた。運良くベンチの端だったので、隣に立ち壁の役割をする。章灯がもたれて良いぞ、と言う前に晶は崩れるように倒れて来た。


 おいおい、結構重症じゃねぇのかよ。


「――おい、アキ。名前呼ばれたぞ。立てるか?」

 目を瞑ってぐったりとしている晶の肩を叩く。

 これは無理かな、そう思って左腕を首にかけようとすると、「……大丈夫です。行けます、1人で……」と声が聞こえた。

「……ちょっとだけ肩借ります」

 晶は章灯の右肩をつかむとそれを支えにして立ち上がった。少しふらついてはいるが、歩けるらしい。

「本当に大丈夫か?」

「……これでも大人ですから……」


 さっきまでその辺の子供とおんなじ状態だったけどな。


 そう思いながら、よたよたと診察室へ向かう背中を見送った。


 どうやらインフルエンザの検査結果は陰性だったらしい。ただ、発熱してからさほど時間が経っていないので、ここから陽性に転じるかもしれないとのことで、翌日以降に改めて検査をするように、と言われたらしい。


 翌日って、大みそかじゃねぇか……。どっちにしろ病院が開いているわけがない。


 とりあえず1日分の薬をもらい、家に戻る。

「明日から休みだからさ、朝イチでドラッグストア行って来るわ」

 玄関で靴を脱がせながらそう言うと、晶は弱弱しい声で「すみません」と言った。

「すみませんばっかりだな、今日は一段と」そう言って笑ってみるが、晶は無反応である。

 肩を組んで、晶の部屋へ入る。電気を点けると、まぁ想定内の散らかりぶりだ。

「まぁ、ベッド周りは綺麗なんだよな。それだけは感心するよ。――よいしょっと」

 腰をかがめて掛け布団と毛布をまくり、晶をベッドに下ろす。

「さて、その恰好じゃ寝らんねぇだろ。着替えんの手伝ってやるよ」

「……良いです」

「良いですじゃねぇよ。病人なんだから、甘えりゃ良いだろ。男同士なんだし、恥ずかしがんなって」

「……本当に、大丈夫ですから」

「そうはいかねぇって。ほら、脱げって」

「……自分で出来ます! それくらい!」

「――うぉっ!?」

 服に手をかけた章灯を突き飛ばし、晶は布団をばさりと頭から被った。

「アキ……? ……おーい」

 こんもりとした布団を突いてみるが、反応はない。

 どうしたものかとその場でしゃがんでいると、布団の中からにょきっと手が出てきた。

「――ん?」

「……その辺に部屋着がありませんか」

「部屋着? その辺?」くるりと辺りを見回すと、積みあがった音楽雑誌の上にスウェットの上下が掛けられている。掛けられている、というか、完全に脱ぎ捨てられているという状態である。

「えーっと、これか……? ほい、とりあえず、上な」

 布団から飛び出ている手に握らせると、それを中に取り込み、もそもそと動く。おそらく中で着替えているのだろう。


 器用だなー、こいつ。


 そう思いながら見守っていると、また手が出てくる。そして「下を」とだけ言って催促でもするかのように手を振った。

「ほい、下」

 呆れながら渡すと、またそれを中に取り込みもそもそと動く。動きが一度止まったと思ったら今度は足元からさっきまで着ていた物が排出された。それと共に、晶が顔を出す。

「ほら……、自分で出来たでしょう……?」

「いや、出来たみたいだけどさぁ……」

 真っ赤な顔で得意気にしている晶を見て、章灯は苦笑するしかない。

「お前、何か見られてまずいような身体なのか? もしかして全身刺青?」

 茶化すようにそう言うと、晶は少し笑った。

「……もし、そうだとしたらどうしますか」

「どうもしねぇよ。どんなんだってアキはアキだしな。まぁ――……、ちょっとビビるけど。……って、マジ?」

「……どうでしょうね」また少し笑う。少しでも笑う元気が出て来たことにホッとした。

「まぁ、コガさん達に聞きゃあわかんだろ。つうか、何でこんな時に限っていないんだ、あの2人は!」

 帰りにコンビニで買ったジェル状の冷却シートを貼りながら、珍しく不在の2人に文句を言う。

「……温泉ですよ」

 シートが冷たいのだろう、晶は目をぎゅっと瞑っている。

「温泉? 2人でか? オッさん、家族は?」

「オッさんの家族と、コガさんとで行ってるんです。鬼怒川みたいです」

 固く瞑っていた瞼をゆっくりと開くと、眠そうにとろんとしている目がやけに色っぽく見えてしまい、背中に嫌な汗をかいた。そんな風に思われているとも知らず、晶は呆けたような顔のまま、額のシートをさすっている。

「さすがにコガさん、邪魔なんじゃ……?」

「咲さんも勇人はやと君もコガさんと仲が良いんですよ。毎年の恒例行事です」

「何だそれ。でも良いなぁ、温泉かぁ……」

 晶の脱いだ衣服を回収して立ち上がる。「なぁ、今度4人で行こうぜ。鬼怒川も良いけど、箱根も良いよなぁ~」

「温泉ですか……」

「そ、温泉。裸の付き合いってのも良いもんだぜぇ~。あー、でも、アキは全身刺青なんだっけか。だはは。――んじゃ、コレ、洗濯するからな。飲み物そこに置いとくから、どんどん飲んで、汗かけよ。そんで、俺は飯食ったら寝るけど、何かあったら遠慮しないで電話しろ」

 そう言って電気のスイッチに手を伸ばす。

「何か……すみません」

 晶は申し訳なさそうに、本日何度目かわからない「すみません」を言う。

「いや、タイミング的にはばっちりだ」

「……ばっちり? 何のタイミングですか?」

「俺が明日から休みっつータイミングだよ。がっつり看病してやるって。任せろ」

 ただ、飯は期待すんなよ、そう付け加えて電気を消した。


 コンロの上の味噌汁を火にかけ、キッチンの調理台に置いてあるおかずをレンジに入れ、温める。ビールを出そうと冷蔵庫を開けるとコンビニの小さな袋が目についた。中にはシュークリームとエクレアが入っている。あれで晶は意外と甘党だ。

「明日で良いだろ」そう呟いて、ビールを取り出した。


 食事を終え、後片付けをしながら朝食のことを考える。さすがにいまの晶に作らせるわけにはいかない。自分の分はコンビニで良いとしても、病人はやはりおかゆだろうか。炊飯器の中にはまだ白米が残っている。


 鍋に飯と水入れて煮りゃ良いんだろ? ……良いんだよな? 


「ネットで作り方チェックしとかないとな」

 洗い物を片付け、最後の仕上げに布巾で水回りを丁寧に拭く。調理台の上に置いたビールを呷ると、晶の様子が気になった。

「汗かいてるだろうな」

 洗面器に熱めの湯を入れ、タオルを入れる。大きめのバスタオルを持って晶の部屋へと向かった。

 部屋の前まで行き、ノックをしようか迷ったが、この際関係ないかと思いそぅっとドアを開ける。

 呼吸はまだ苦しそうだったが、晶はぐっすりと眠っているようだ。ひんやりとした空気の中、そこだけ熱気を発しているかのようだった。

 携帯のバックライトを頼りに、ベッド脇のデスク上にあるライトを点ける。

 デスクの上には大量の譜面が置いてある。章灯には何が書かれているのかさっぱりわからない。

 場所を確保して洗面器を置き、しゃがむ。

 髪の生え際がじっとりと濡れており、額の冷却シートはもうすっかりぬるくなっている。タオルを固く絞り、シートを剥がして額の汗を拭き取ると、新しいシートを貼った。その冷たさに驚いたのだろう、晶はぴくりと身体を震わせ、うっすらと目を開けた。

「悪い、起こしちまったか?」小声で話しかけるが、晶は熱で朦朧としているようだ。

「暑い……」そう言いながら肘をついて身体を起こそうとしている。ベッドと背中の隙間に手を差し込み、それを助けた。やはり背中も汗でびっしょりと濡れている。

「汗かいて気持ち悪いだろ? 身体拭いて着替えろ」

 服を脱がせようかと思ったが、さっきあれだけ嫌がられたのだ。同じ失敗をするわけにはいかないと、再度湯に浸して固く絞ったタオルを手渡した。

 しかし晶は差し出されたタオルを受け取らず、スウェットに手をかけた。

「おい、俺の前だぞ? 良いのか? いま出てくから……」慌てて章灯が腰を浮かせたところで、ばさり、と上着が飛んでくる。完全に不意をつかれた形だったが、運良く彼の頭に引っ掛かり、洗面器へのダイブは免れた。

「ちょ、アキ……! ――って、ええ?」

 晶は虚ろな目で章灯からタオルを受け取ると、無言で首筋の汗を拭き取っている。

 章灯は晶の上半身から目が離せない。

「な、なぁ……、アキ……、その巻いてるものは……何だ……?」

 晶の胸には白い布がきつく巻かれていた。


 もしかして、これは……一般的に……さらし、というものではないのか。

 何でこんなもの巻いてるんだ……?

 もしかして、怪我? ……とか?


「ああ、外した方が良いですよね……」そう言いながら晶がさらしに手をかけた。


 そりゃ、初めてアキに会った時、もしかしてなんて疑ったことはある。でも、今日日、こういう中性的なやつなんてゴロゴロいるし、って思って……。


「ちょ、ちょっと待てって! もしかして、それ、外しちゃダメなやつなんじゃねぇのか……!?」章灯は、巻き終わりを探している晶の手をつかんで止めた。


「何言ってるんですか。コガさんは私の裸なんて小さい時から見てるじゃないですか」


 ――は?

 いまお前何つった?


 こいつ、俺をコガさんと勘違いしてるのか……。

 ていうか、いま『私』って言ったよな……?

 じゃ、アキってもしかして……?

 いやいや、それもだけど、何? アキってコガさんには裸を見せているのか……?


 一度にいろんな情報が飛び込んできて、頭の中が混乱する。

 呆然としている章灯の目の前で、晶はようやく巻き終わりを探し出したらしく、慣れた手つきでさらしをするすると外した。晶の体型にしては妥当な大きさの乳房が現れる。

 きついさらしから解放された晶は、ふぅ、と息をつき、丁寧に胸の汗を拭っている。そのまま背中を拭こうとして、上手くいかないことに気付いたのだろう、章灯にタオルを手渡し「コガさん、背中をお願いします」と言った。

 もうこうなったら、この場は湖上として振る舞うしかない。そう腹を括って、章灯はタオルを受け取った。

 黙々と背中を拭き、汗で濡れたシーツの上にバスタオルを敷く。

「……着替え、どこにあるんだ?」

 念のため、少し声を低くして湖上の真似をする。

「タンス……。いちばん上の引き出しが下着で……。その下に部屋着が……」

 床に散らばっているものを踏まないように一歩ずつ慎重に移動し、タンスの引き出しを開ける。やっぱりというか、若干期待外れというか、レースが付いたような可愛らしいものは1枚もなく、男物にしか見えないボクサーパンツが詰まっていた。適当に1枚取り出し、ブラジャーは必要ないのだろうか、と後ろを振り向くと、スウェットのズボンを脱ぎ、下着に手をかけているところだった。さすがに見てはいけないと思い、視線を逸らして新しいものを放り投げた。

「ぶ、ブラジャーはどうするんだ」

 再度タンスの方を向き、下の段から新しい部屋着を取り出しながら言うと、背後から「また、さらし巻きますから……」という声が聞こえる。

 もしかして、この白いのがそうだろうか、と出して広げてみると、どうやらそうらしい。ちらりと振り向くと新しい下着に履き替えたところである。晶から視線を逸らしながら近付き、さらしと部屋着を渡した。晶はゆっくりとズボンを履くと、さらしを手に取り、やはり慣れた手つきで胸に巻きつけていく。

「そんなん巻いてたら……、胸、でっかくなんねぇぞ……」

 コガさんならこういうこと言いそうだな、などと思いながら呟いてみる。

「良いんです。もう男として生きていくんです、私は……」いつもよりも弱く、震えた声で言う。

「……好きなやつが出来たらどうすんだよ」

「出来ません」

「……お前を好きになったやつがいたらどうするんだ」

「こんな男女を好きになる物好きなんて、いま……せんよ……」

 声が震えているのは、熱のせいだろうか。顔を覗き込んでみると、頬に雫が伝っている。薄暗いせいでその雫の出所が特定出来ない。汗かもしれないが、たぶん、違うだろう。

「泣くな、アキ。熱が上がるぞ」優しく頭を撫でてみる。晶は黙ってそうされていた。

 さらしを巻き終えた晶に上着を着せると、枕元に置いてあったスポーツドリンクを飲ませ、ゆっくりと横たわらせた。

「……何かあったら電話しろよ」

 そう言って、デスクのライトを消し、洗面器と脱いだ衣服を持って部屋を出る。



「はぁぁぁ~」

 晶の部屋を出てドアを閉めると、章灯はその場にへたり込んだ。手に持っていたものを床に置き、頭を抱える。


 アキが女だったなんて……。

 いや、確かにおかしいと思うところはいろいろあったよ。

 男にしちゃ細すぎるとは思ったし、力もねぇし、初めて会った時だって、親指の指輪にしては小さすぎると思ったし。

 だいたい、アイツが『俺』とか『僕』って言ったの聞いたこともない。

 そりゃ『彼女』がいるはずないんだよ。アイツ、自分はノーマルだって言ってたしな。そして『童貞』であるわけでもないんだ。

 そういうことだったのかよ……。

 明日から、どう接すればいいんだ……。

 

 尻ポケットから携帯を取り出し、電話帳から『湖上勇助』を探し出す。現在1時半。いつもなら起きてる時間だ。そう思って、発信のボタンを押す。



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