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おめでとうございます!あなたは主人公に選ばれました!

黒猫を書いていたらこっちが出来上がった

な、何を言ってるのかわからねーと思うが、私も何ができたのかわからない


つまり超絶一発ネタ


人物表

アリス・イン・ワンダーランド

ただの変態


お嬢様

所謂空気


駄メイド

暴力の化身


幽霊さん

某作品とは別人です 別人ですとも

 今日も今日とて部屋に一人篭って魔道書の解読をしていると、窓を叩く音がした。ドアじゃなく窓とかどんな非常識な人間だろう。

 そう思いつつ窓の方を眺めれば、触手がトントンと窓ガラスを叩いていた。なるほど…人間ですらない。ならば常識も何もあったもんじゃないね。でも私にどうしろというんだ、これは。

 まぁ相手が悪魔だろうが触手だろうが、人の部屋をノックする程度の常識を持っているならばさほど害はないでしょう。という事で全開。開けた瞬間に北風の何号かさんが部屋の中へと素早く潜入し、私の心に後悔という寒風を巻き起こす。

 寒さに震える我が身を知ってか否か、触手さんはのんびりとした動きで部屋の中へと侵入。封筒を私に渡すとにゅるにゅると帰って行った。あまりのキモさ…早業にお礼を言う暇すらなかったけれど、果たして奴らに言葉は通じるんだろうか。

 ちょうど先代達の残した意味不明な怪文の解読にも飽きてきた頃合い。気分転換に異文化交流と洒落込むのも悪くない。問題があるとしたら、私に読めるのかな?

 早速封筒を開けると、中から出てきた白い紙を眺める。幸いにも私に読める字で書いてあって、その上やたらと達筆なのが無性に腹立つ。


『前略

 中略

 という事でおめでとうございます!

 あなたは本物語の主人公に選ばれました!

 では、主人公らしく死屍累々となりながらも生き延びてくたばりやがってください。


 …気分転換に異文化交流しようとしたら、意味不明の怪文を見せられた。やっぱり私は怪文解読という宿命から逃げることはできないのかもしれない。

 しょうがないから分析してみよう。どうせ暇だし。

 主人公とはそのままの意味でいいのだろうか。しかし『前略』と『中略』って何なのだろう。略しすぎて脈略が全く分からないぞ!一体私に何を求めているんだ、これは。

 助けを求めるべく、未だ北風さんが元気よく走り込んでくる窓の外を眺めれば、青髪の娘が私に背を向けて歩いているのが見えた。彼女が歩くたび、ポニーテールに結ばれた髪がひょこひょこと動く。

 やがて私が見ていることに気づいたのか、彼の娘っ子は振り向くと笑顔でサムズアップを決めて再び歩き始める。


「…アレか」


 早速手紙を材料に紙飛行機を作成すると、目標(しょうじょ)目掛けて飛ばす。ついでに私も追いかけるべく宙へと躍り出る。

 即興で作られた紙飛行機は北風達に弄ばれながら空中を滑走。彼の娘っ子目指して一直線に進んでいくその勇士を、着地に失敗して地面に寝転んだまま眺めた。かっこつけるもんじゃないね。


「うひゃっ!?」


 狙い通り後頭部に刺さった様で彼女の悲鳴が聞こえる。ならば私もいつまでも地面と一体化している訳に行かないので、起き上がってノロノロと倒れた少女目指して歩き始めた。しかし、何がどうなったら紙飛行機でこけるんだろうか。


「もしもーし、生きてる?」


 倒れた後頭部に紙飛行機が刺さったまま身じろぎ一つしない彼女に声を掛けると、バネの如く起き上がった。幸いにも元気らしい。


「突然何するんですか!」

「いきなり送られた怪文書が人にどれだけの恐怖を与えるか知ってる?」

「送られたことないんで知らないです。知りたくもないです。ついでに気安く近づくのも気持ち悪いんでやめてくれませんか?」

「そう…」


 笑顔で彼女の頭を掴むとぐりぐりと力を入れる。中々つかみやすい形をしているね。


「ちょ、ちょっと待ってください!話!話をしましょう!平和的解決を望みます!」

「よかろう!」


 交渉を求めてきたので手を放すと、反転して駆けだそうとした。咄嗟にポニーテールを掴んで止める。グキっと嫌な音がして急停止する何某さん。


「おい待て逃げるな」

「髪!髪は止めて!抜けたら禿げるしかなくなっちゃうんです!」

「お話したい?」

「し、したいしたい!アイムスピーキング!すっごくシタイナー?」

「よかろう!」


 逃げるのは諦めたのか、振り向くとジト目で私を睨んでくる。目の前にいるのに、何処となくふわふわとした存在感ね。

 残念なことに女性と呼ぶには幼いけれど、少女と呼ぶにはちと大きい。私の食指も動かない。もうちっと小さかったらストライクゾーンに入りそうなのに。


「それで私に何か御用ですか?あと視線が気持ち悪いんでこっち見ないでください」

「…いきなりそんな手紙を押し付けてきて説明なし?」

「手紙?」


 コクリと首をかしげる。まさか…人違い?

 もしも人違いだったら、私は勘違いで見知らぬ少女に暴行を働いたという罪状で追われる身になるのかもしれない。もしそうなったら目撃者と肉体言語(おはなし)する方向で対処するしかないかもしれないね。仕方ないね。

 私が戦々恐々としていると、彼女は「ああ…」と何かに気づいた様子で頷くと哀れむような視線をよこしてきた。私の言わんとした事に気づいてくれたのは結構だけど、後頭部へと刺さった紙飛行機にはいつ気づくんだろ。


「もしかして文字が読めない人でしたか…それはそれは配慮が足りず…」

「…うりうりー」

「い、痛いです!痛いですから!わ、割れちゃう!スイカみたいに割れちゃう!」


 変な方向に勘違いした彼の者の頭へと力を入れて強引に話を断ち切る。


「…それで?手紙の内容のどの部分が解らないんですか?」


 涙目で頭を抱えた少女が話を仕切りなおしてくる。これは…ちょっとイケるかもしれない。


「どの部分どころか全部わかんないんだけど、まず主人公って何?」

「察しが悪いですねー…あ、いえなんでもないです。誠心誠意説明させていただきますとも」


 先ほどとは一転、笑顔で身振り手振りを加えながらされる説明を要約するとこうなる。


『あなたは主人公に選ばれました』


 どうにも今の世界は一つの物語であり、その主人公として私が選ばれたらしい。なるほど、わからん。


「私の人生なんだから主人公も何もないんじゃないの?」

「簡単に言うと、あなたの人生はレールに敷かれていて、あることないこと観察されてる状態ですね」

「…何それ怖い」

「いやー、大抵の人は気づかないんですから問題はないんじゃないでしょうか?」

「ソレ逆を言うと気づいたら問題があるってことだよね?」

「ご愁傷様です…」


 なむなむーとふざけたことを抜かしながら合掌されたので、私の手も三度彼女の頭にセットされた。


「ま、待ってください!主人公は何も悪いことばかりじゃないですよ!」

「へぇ…?全部見られてるのに?」


 ぎりぎりと少しずつ力を入れると、少女の顔が焦りに歪む。


「まず何があってもお話が続く限りは死にません!」

「へー…」

「つ、ついでに秘められた力が覚醒するかもしれないですよ!ロマンあふれますよね!ね!?」

「興味ないなぁ…」

「あ、あとあと!かわいい子といちゃいちゃできます!」

「ほぅ?」


 気になる単語が聞こえてきたので、彼女の頭から力を抜く。力を抜いただけで、いつでも粉砕する準備は出来ている。聞いてからでも遅くはないだろうというだけだ。

 彼女は「あんまし言いたくないんですけどねー」と前置きして語った。

 そこから始まるいちゃいちゃの物語!それは倫理的にアウトじゃないのかと思うけれど、もしやソレが主人公補正というものなのか!普通なら社会的に抹殺されるのに!一言で言うなら桃源郷はそこにあったのか!

 そしていちゃいちゃと言えばヒロイン。ヒロインと言えば主人公の憩いの人であり、つまりはお嬢の事である。なるほど私が主人公という事はお嬢といちゃつけるのか。


「…大丈夫ですか?」

「ん、ええ、大丈夫!問題ない」

「そうですか…」


 思いっきり引かれている気がするけれど、細かいことを気にしたらいけない。私の勘が告げている。この先この子と会うことはないと!


「ところであなた誰?」

「いきなり元に戻るんですねー。まぁ、私が誰でもよかろうなのだ」

「ほぅ、よかろうなのかー」

「よかろうなのだー」


 そのまま暫くの間二人で「よかろうなのかー」と「よかろうなのだー」を言い続ける。


「で、あなた誰?」

「え、そこに戻るんですか」

「いきなり見知らぬ人物に人生の無意味さを語られた哀しみがあなたにわかる?」

「知らないです。知りたくもないです。それと気持ち悪いんでさりげなく近づいてこないでください」

「そうなのかー」


 答えてくれないのなら仕方がない。実力行使のためにも彼女の頭に両手を伸ばすも、今度は少女の手が私の手首を掴んで一進一退の攻防を始まった。


「へ、平和的な解決をしましょう…ね?」

「そ、そうよね?」


 笑顔のまま力を込めれば、彼女も力を込めてきて手首が悲鳴を訴えてくる。さりげなくローキックで私の脛を蹴って来るので、涙目になりながらも軸になっている足を踏みつける。


「…一つ提案があるんだけど」

「…なんですか?」

「…こ、このままだといずれは私の手首か、あなたの頭が見るも無残な姿になるのは目に見えてると思うんだ」

「…そ、そうですねー」

「だから…っ!12の3でっ!同時にっ!手をっ!離さないっ!?」

「いいですっ!よっ!」


 そろそろ互いに涙目で、笑顔を保つのが辛くなってきた。


「それじゃっ!カウントっ!」

「ひとっつーっ!」

「にぃーっ!」

「「さんっ!」」


 カウントが終わると同時に全力で力を込める。彼女も力を抜く気はないのか、これまで以上に力を入れて私の手首を締め上げてきた。そして再び始まる足同士の戦い。


「ちょっとっ!話がっ!違うんだけど!」

「それがっ!あなたのっ!いうっ!事ですかっ!」


 全く…聞き分けの悪い奴だ。私が力を抜いたら腕が飛ぶかもしれないじゃない。


「あなたがっ!何者なのかっ!答えればっ!いいんだけどっ!」

「絶対にっ!嫌ですっ!」


 こうなるともう意地の張り合いである。だが私は社会人。こんなところでいつまでも戯れていると、サボりと見られて無職となってしまう危険性がある。さすがに待てど海路の日和なしになるのは嫌だ。

 私の方から折れてこそ、大人としての尊厳を見せる事が出来るのですよ。


「よしっ!今度こそっ!離すからねっ!」

「いいっ!ですよっ!」


 彼女の声が聞こえた瞬間に片手だけ力を抜く。それに釣られたのか少女は両腕の力を離した。かかったな!

 瞬間的に遠心力で吹っ飛びかける私の左手を力付くで制御しながら、自由になった右手を振りぬいたけれど、そこに標的(しょうじょ)の姿はない。

 虚空を殴りつけた後、私の足元に屈んだ少女が薄く笑っているのが見えた。

 やばいと直感的に悟った瞬間に掌底が顎に叩き込まれる。激しく脳が揺す振られて朦朧とする意識の中、反射的に足元の彼女を蹴り飛ばして地面に倒れ込む。

 見上げた空は青く、屋敷ではお嬢が呆れた様な目で私を見下ろしている。


「いきなり何するんですか!」


 後出しで上手く力を籠めれなかったからか、私より早く復帰した少女が立ち上がる気配がした。


「それが人の顎を殴り飛ばした奴の言う事!?」


 ふらふらとしながらなんとか立ち上がるも、さすがにこのままだとキツイ。ぼやける視界の中、少女もふらつきながら私を見つめているのが見える。

 彼女が足を引きずりながら一歩を踏み出せば、私もたたらを踏みながら近づく。互いに笑顔を保ちながら必殺の距離まで近づくと、同時に動いた。

 私の拳が彼女の腹部を殴れば、彼女の拳が私の顔を打ち抜いた。

 まるで示し合せたかのようにして二人バラバラの方向に倒れる。


「ひ、引き分けで…て、手を打たない…?」

「げほっ…そ、そう…はっ…えほっ…ですっ…ね…」


 どくどくと流れる鼻血を抑えながら一つ提案をすると、咳き込みながら答えてくれた。

 今度は私の方が早く立ち上がれたので、未だ咳き込んでいる彼女に手を貸す。


『ふっふっふ…私を倒しても第二第三の私が…っ!』


 彼女が私の手を取った瞬間、背中から声がして悪寒が走る。咄嗟に振り向いても、屋敷では駄メイドが繰り広げる破壊の悲鳴が聞こえるだけで誰も居ない。


「ではでは、どうせ何をしても無駄ですが…主人公らしく頑張ってくたばってくださいね」


 呆けていると少女を握っていた手に感覚が無く。見渡しても辺りには私一人しかいなかった。代わりに触手が一本『お詫び』と書かれた紙とハンカチを差し出している。


「あ、これはどうもご丁寧に…どう?私の部屋来る?」


 聞いてみるとコクコクと頷くので腕に巻きつけておく。ぷにぷに冷え冷えの触感が恍惚を呼んで癖になりそう。

 触手から受け取ったハンカチを鼻に当てると、黄昏時の緋色の光が私の姿を赤く照らし始める。


「まぁ、そんなことよりも」


 未だ止まる気配無くドクドクと流れる鼻血を抑えながらひとり呟く。自然と顔には笑みが広がり、限界を告げている身体の痛みなど気にしてはいけない。

 颯爽と屋敷を振り返れば、屋敷へと駆けこむ。時は金成、善は急げ!いい事を聞いたのだから試さずにはいられまい。


「おっ嬢ぅぅぅぅぅ!ちゅっちゅしよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


 魂の声を上げながら屋敷に突入した私は、偶然玄関周りの掃除(はかい)をしていた駄メイドの回し蹴りで壁に叩きつけられた。

 鼻血がメイド服を染めた結果。見た目だけは重症そうに見えるのに、奴の蹴りには手加減する気配が一切なかった。脳内に慈愛という文字が欠けているのかもしれない。


「おのれ駄メイド!私を殴ったり蹴ったりしていいのはちみっこい奴だと何故わからん!」

「駄メイドじゃありません。そして気持ち悪い事を叫びながらお屋敷の中に侵入するのは止めてください。同じ気持ち悪さでも、まだゴキブリのが言葉を発さないだけマシです」

「私をゴキブリと一緒にするんじゃねぇ!数千年前から変わらない貴重な生物なんだぞ!もっと敬意を持て!」


 怒りの言葉を放つと、同意するようにして触手も蠢く。出会ってまだ数分だけれども、一心同体ね。でもそうも激しく蠢かれると、色々と危ない気分になるから大人しくしててね。

 けれど駄メイドはそんな私たちの姿を蔑む様にして見下ろしてくる。全くもって話にならない。


「あなた…ついに知的生命体としての尊厳すら捨てましたか」

「知性があるから敬意を持つんでしょ。あ、破壊しかできない駄メイドにはわからないかったね。それはごめんねー」

「…ならゴキブリと同じ様に叩き潰してあげましょう」

「はっ!やれるものならやってみたら?」


 ふらつきながらも駄メイドと向き合う。人間必ず勝てないとわかっていても立ち向かわなければならない時がある。それが今だ!

 やがて訪れるであろう桃源郷に鼻血の量を加速させながら、地面を強く踏みしめて前へと駆ける。

 私…こいつに勝てたらお嬢とちゅっちゅするんだ。

実はこれはある話の一部の予定だったんだよ!!


気が付いたら長くなってもう書けないとのたまって分離したいつものパターン


よくわからない間に殴りあうという

私が何も考えずに書くと大体こんな話になりますね


幽霊さんはお友達に見せたら

「こんなの別人だろ!」

と言われたので別人になりました

今後出番はあるのか…!


次は…いつかなー?

一応話は考えてありますが…ありますがっ!


ではでは少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです

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