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月読の奏  作者: 南爪縮也
第一章 第四幕 灯巌(ひがん)の修羅
82/109

#81 朝比奈の宗旨(後)

「そ、そんな……。私が、嘘でしょ」

 アメリアは自身が置かれた状況に苦しんでいる。と言うよりも、信じられないと言った方が正しいのだろう。しかし彼女は戸惑いながらも気付き始めていた。

 かつて父ハーシェルからもらった桃の花を(かたど)ったブローチ。グラム博士から形見分けの様に渡されたレトロな赤いカチューシャ。そしてジュールがプレゼントしてくれた三角形の形をしたチェック柄のショール。それらを手にした時、彼女は不思議な感覚を感じていたのだ。温かく包み込まれる様な優しい力を。

 ハーシェルらの愛情に満ちた想いみたいなものが込められている。彼女はそう思っていた。不思議な力を感じたからって、そこに本当の力が宿っているなんて考えるはずもないのだ。それに不思議な力は手渡された瞬間こそ強く感じたが、すぐにそれは鳴りを潜めてしまった。だから彼女が気のせいだと思ったのは、至って自然な成り行きだったと言えるだろう。

 しかし神父の話しを聞いた今なら確信が持てる。やっぱり自分が感じた不思議な力は実在したんだと。そして彼女は直感として思った。あの力は私に何かを与えようとしていたんじゃないのか。それもすごく大切な何かを……。

 アメリアはふと頭につけているカチューシャに手を添える。まるで唯一身に付けている女神の神器に引き寄せられたかの様に。すると彼女の手がカチューシャに触れた瞬間、微かにカチューシャが温もりを発した。そしてその(かす)かな温かさを感じたアメリアは、何かに駆り立てられる様にして神父に向い言ったのだった。

「神父のおじさん。私、ここから抜け出したい!」

「大きな声を出すなと言っただろ。こんなところを誰かに見られたら、私は只では済まされないんだ。軽率な行動は慎まなければならない」

「で、でも――」

「もうだいぶ日も高い時間だ。建物の中はおろか、光世院鳴鳳堂こうせいいんめいほうどうの周囲一帯はルーゼニア教の関係者で溢れ返っている。こんな状態で他人の目を避けつつ、ここから抜け出すのは不可能に近い」

「それでも私は」

「だからこれを着ろ」

 神父はアメリアの言葉を無理やり(さえぎ)る様にして、彼女の前に一着の白い衣服を差し出す。それはルーゼニア教の修道女が身に付ける修道服であった。

「それを着ていれば自然な形で周囲に溶け込める。それに総会で全国からかなりの数の神父が集まっているけど、君の存在を知っているのはその中でも限られた者だけのはずだ。だからもし君が顔を見られたとしても、大抵は気付かれやしないだろう。それでも油断は禁物だけどね」

 そう告げた神父は少しだけ微笑んで見せた。アメリアを落ち着かせるのが目的なのだろう。そしてその笑顔にアメリアも笑顔で応える。神父の気遣いが嬉しかったのだ。

「ありがとう、神父のおじさん。でもおじさんはどうして私を助けてくれるの? だってさっきおじさんは自分で言ったじゃないですか。これが見つかれば只じゃ済まないって。それなのにどうして?」

 アメリアは神父の顔を下から覗き込む様にして聞き尋ねる。決まりが悪そうに(うつむ)いた神父に対し、少し強引にも訳を聞こうとしたのだ。だがその時、激しい落雷の轟音が唸りを上げた。

「ビギャーン、ゴロゴロゴロ」

「キャッ」

 アメリアは反射的に耳を塞ぐ。ただそんな(すく)み上がる彼女の肩に神父は優しく手を添えると、柔和な眼差しを浮かべて言ったのだった。

「確かに君をここから連れ出せば、私は教会を裏切った事になる。でもね、それを差し引いたとしても、有り余る借りが私には有るんだよ。君の父親であるハーシェルにね」

「お、お父さんに?」

「あぁ、ハーシェルには本当に世話になったんだよ。感謝しきれないほどにね。でも今は時間が無いから、その話はまた後でする事にしよう」

「ならもう一つだけ。本当にそれが私を助ける理由なんですか?」

 アメリアは真剣な眼差しで神父を見つめる。それに対して神父は気まずそうに頭を掻きむしりながら告げたのだった。

「気恥ずかしいけどね、ハーシェルに受けた恩が君を助ける理由であるのは間違いないよ。ただそれだけじゃないってのも私の中にはあるんだ。北の教会は一般の教会とは違うからね。教会の上層部に前々から不信感があったんだよ。だからアメリアが責任を感じる事はないよ。今は私を信じて付いて来てくれ」

 そう告げた神父は再度優しくアメリアに微笑み掛けた。


 神父が部屋の外の状況を確かめる(かたわ)ら、アメリアは急いで白い修道服に着替えた。

 少しゆとりがあるだけの白いワンピースに見えもするが、しかしそれは正式なルーゼニア教の修道女が身に付ける服である。シンプルなデザインの中にも女神を思わせる神聖さが感じられた。恐らくそれは目立たなくも繊細に施された刺繍(ししゅう)のせいなのだろう。そしてそんな修道服に身を包んだアメリアを見て、神父は(まぶ)しそうに目を細めたのだった。

「なかなか似合うモンだな。ぜひ妻にもその姿を見せたいよ。ただ君がルーゼニア教の信者でないのが少し残念だけどね」

 そう言われたアメリアは顔を赤く染める。照れているのだろう。だがそんな彼女に神父は真剣な表情で向き直った。

「じゃぁ行こうか。ウィンプルで顔もそれなりに隠せてるし、上層部の者に見つかりさえしなければ気付かれないだろう。あとは女神に祈るだけだ」

 その言葉を合図に二人は部屋を出る。通路には数人の神父やその世話役の修道女が行き来していたが、幸運にも部屋を出たアメリア達を気にしはしていない。単にこの客室に滞在する神父が連れの修道女と一緒に出て来たとしか思っていないのだろう。

 平素を装いながら神父とアメリアは進む。ヘタによそよそしくする方が怪しまれるのは明らかだ。そして神父は冷静に歩むアメリアの姿にホッと胸を撫で下ろしていた。

 やはりこういった場合には女性の方が肝が据わっているのだろう。彼はそう思い、またアメリアの堂々とした姿に頼もしさを感じたのだった。

「その調子だ。普通にしていれば何の問題もない」

「でも本当にここから逃げられるの? 思ってたよりも人が多いし、正直怖くて堪んないよ」

「大丈夫、心配するな。ここが総本山である五重塔なら厄介だったけど、でもここは光世院鳴鳳堂こうせいいんめいほうどうだ。今は仮で使わせてもらっている場所なんだよ。みんな内部に不慣れでよく分かっていない。むしろ神父達は自分が迷子にならないか気に掛けているくらいだ。君が思っている以上に危険は少ないはずだよ」

 神父はそう言いながら先導する。その背中はとても頼り甲斐のあるものだ。そしてアメリアは思い出す。そう言えば以前に父から聞いた事がある。北の教会の神父は昔、腕利きの軍人だったのだと。

 ガッチリと引き締まった体つきをみれば、それが冗談などではないと察する事が出来る。でもどうしてこの人は軍人を辞めて神父になったんだろうか。それも北の教会なんていう人里離れた教会の――。

 残念にもアメリアはその理由までは聞いていなかった。ただ借りがあると告げた神父の言葉から想像するに、軍人を辞めたのは父に関係があるのではないか。彼女はそう考えていた。

 二人は順調に光世院鳴鳳堂こうせいいんめいほうどうの出入り口を目指す。建物の内部は複雑に入り組んでいたが、神父はここの構造をよく理解しているのだろう。そして二人は大きな扉の出入り口がある。即席の礼拝堂にたどり着いた。

 もともとあった広いホールを仕立て直したものなのだろう。そこはかなり広い空間であり、見た目にも立派な祭壇までもが用意されている。その姿は完璧な礼拝堂と呼べるものだ。

 ただそこはそれまでの通路と比べてかなりの人数が出入りしている。総会に出席する神父の他にも、一般のルーゼニア教信者が参拝に訪れているのだ。そして大きな扉の出入り口は、それらが引っ切り無しに行き交いし混雑している。でもこの状況ならば、その混み合いに紛れて問題なく抜け出せるんじゃないのか。

 そう感じたアメリアの気持ちから緊張感が少しづつ緩和されていく。もう少しでここから抜け出せる。そう感じた事で彼女は安心感を覚えたのだ。ただ出入り口を目前にして、ふいに神父は声を掛けられた。

「おや、北の教会の神父殿ではないか。久しぶりですな」

 人が良さそうな年配の神父が声を掛けながら近寄って来る。それに対してアメリアはギョッと気持ちを張り詰めさせた。

 当然の事ながら北の教会の神父も警戒感を高めただろう。ただ彼はそれを表情にはまったく出さず、いつも通りの仕草で近寄って来た神父に言葉を返した。


「これはこれは【バロー】の教会の神父殿。お久ぶりですね。相変わらずお元気な様子で。でも遥々バローからルヴェリエまで来るのは大変でしたでしょう」

「ふふふ。なぁに、バローからは乗り換え無しで来れるからのう。北の教会から比べれば、大した事ないわい」

 特段変わりのない世間話が交わされる。恐らくこの年老いた神父は偶然顔見知りの神父を見つけ、話し掛けて来ただけなのだろう。そう感じたアメリアはほっと息をつく。ただそんな彼女に向かい、年老いた神父が話しを振った。

「おや、そちらさんはあんたの娘さんかえ? 初めは奥方殿かと思ったんじゃが、大層若い娘さんなんで驚いたぞ」

「いえいえ、私に娘はいませんよ。友人の娘を借りて来ているんです。今回は妻の体調が優れなかったもので」

 神父は咄嗟の判断でこの場を切り抜けようと試みる。すると年配の神父はそれを信じた様子で、疑う事なく神父の話しを受け入れたのだった。

「そうかえ。奥方殿もあんたも、もう若くはないからのう。体には気をつけなされよ。北の教会は寒いんだから、油断は禁物だで」

「そうですね。ご忠告、肝に命じて置きます。では私はこれで、小用あるものですから失礼させて頂きます。話は今度ゆっくりと致しましょう」

 神父は軽く会釈して歩み出す。そしてそれに続いてアメリアも小さく頭を下げてその場を後にしようとした。ただその時だった。

 参拝に訪れていた一般の信者達からどよめきが起きる。まるで奇跡を目の当たりにしているかの様に、それらは感嘆の声を漏らしたのだ。ただその中から聞こえて来た声に、アメリアと北の教会の神父はゾッと身を強張らせた。

「北の教会の神父よ。いくらここが仮の場所とはいえ、ルーゼニア教の総本山であるのに変わりはないのだ。そんな神聖なる場所で嘘をつくのは許される話しではないぞ」

 顔色を真っ青に変えた神父が振り向く。するとそこには不敵に微笑んだ【ラザフォード総主教】の姿があった。

(しまった。あと少しだったのに。変な場所で時間をくわれてしまった)

 北の教会の神父が悔しさを滲ませる。そしてその額からは冷たい汗が一滴流れ落ちた。ただそんな彼の(ひる)んだ姿に目もくれず、ラザフォードが進み寄ったのはアメリアの方であった。

「お疲れは取れましたかな、お嬢さん。それにしても美しい姿ですね。ルーゼニアの修道服が良くお似合いですよ」

 ラザフォード総主教はにっこりと微笑みながら告げる。でもその目の奥からは、相変わらず突き刺さる様な嫌悪感が放たれていた。するとそれを感じたアメリアは神父の背後に隠れる様、ぎゅっとその袖を掴み取る。

「まぁまぁ、そんなに身構えないで下さい。私はあなたの味方なのですよ。それに陽が昇ったらお茶を飲む約束だったでしょう。さぁ、こちらへどうぞ【女神の巫裔(かんえい)】よ」

「お待ちくださいラザフォード総主教。何かの間違いではないのですか。この娘は私の友人の娘でして、決して女神の巫裔(かんえい)なるものではありません」

「北の教会の神父よ。そちはまだ気付かないのか? ルーゼニア教において、特異な教会である北の教会。その神父であるそちがその者を(かば)う事こそ、まさにその者が真の巫裔(かんえい)である証しなのだ。さぁ、そちは邪魔だから退()いておれ」

 ラザフォードがきつく神父を睨み付ける。するとその畏怖に当てられたのか、神父の体から力が萎えた。だがそこでアメリアが再度神父の腕を強く掴む。只ならぬ脅威を感じた彼女が懸命に神父に(すが)ったのだ。

「!?」

 神父は驚きを露わにする。萎えたはずの体に突然力が湧き上がったのだ。それも心強く背中を押される様に。そしてその感覚に気持ちを(ゆだ)ねた神父は、ラザフォードに対して真っ向から胸を張ったのだった。

「総主教、確かにあなたが(おっしゃ)る様に、この娘が女神の巫裔(かんえい)である可能性は高い。しかし今はまだ【その時】ではないはず。だったら現時点において、私がこの娘を預かっても問題はないでしょう。だからお願いです。私にこの娘が真の巫裔(かんえい)であるかどうか確かめさせて下さい。お願いします」

戯言(たわごと)はそのくらいにしておけ。北の教会の神父よ、そちは今重大な罪を犯しているのだぞ」

「そこをどうか。女神のご慈悲を!」

「たわけた事を抜かすでない。さぁ、こっちに来るのだ!」

 珍しくラザフォードが声を荒げる。するとそれを合図にしてラザフォードに付き従っていた者二人がアメリアの両脇を強引に抱え上げた。また同時に別の従者三人が北の教会の神父の体を取り押える。

「おじさん、助けて!」

「どうか、ご慈悲を! 私はどうなってもいい。だから彼女を解放してくれ!」

「残念じゃよ、北の神父。そちには目を掛けておったのに、まさかこんな結末を迎えるとは悲しいばかりじゃ。――いや、これも定められた運命なのかも知れぬな、フフッ」

 ラザフォードは含み笑いを漏らしながら歩み出す。そして両脇を抱えられたアメリアは、無理やりその後に従わされた。

 神父は忸怩たる思いで奥歯を噛みしめる。そしてアメリアは必死に抵抗するも、それはまったく意味をなさなかった。絶望感に心が支配されていく。諦めるしかないのか。だがアメリアと神父がそう覚悟した時、彼らに向かって緊迫感を打ち消す声が掛けられた。


「どうかされましたか?」

 透き通った声が礼拝堂に伝わる。すると再び一般の信者達からどよめきが起き上がった。

 どうして彼女がここに? いや、そもそも本物なのだろうか。ううん、こんなにも美しい人が別にいるはずもない。この人は正真正銘の【リーゼ姫】だ。

 皆は一瞬でそう受け入れた。そして一般の参拝客はおろか、周囲にいた他の神父達までもが膝をつき姿勢を低くした。

「皆さま、どうか私になどお気になさらず参拝を続けて下さい。私もまた、皆さまと同じく祈りを捧げに来ただけですから」

 リーゼ姫はそう言って皆に向かい微笑んで見せた。その姿はまるで女神がそこにいるかの様に美しい。そんな姫の端麗な姿に皆は息を飲む。それこそ一瞬時間が止まったかの様に。でもそれは僅かな時間であり、礼拝堂はざわついた騒がしさで溢れていった。

 ラザフォード総主教に続きリーゼ姫までもが姿を現したのである。両名共に人前には滅多に姿を見せない人物だが、世界屈指の有名人であるのは事実なのだ。そんな二人が今、目の前にいる。そんな状況に興奮しない一般市民はいないだろう。またそれはその場にいる神父達とて同じであり、常に平素を装うはずの彼らとて、現状に気持ちの高ぶりを感じずにはいられなかった。

 礼拝堂は異様な雰囲気で沸き立っていく。ただそんな中でリーゼ姫は、両脇を抱えられたままのアメリアに近づき声を掛けたのだった。

「アメリアさん。まさか女神に祈りを捧げる場所であなたと会えるなんて、まるで奇跡ね。なんだか胸が高鳴って仕方ありません」

 リーゼ姫はアメリアに向かってにっこりと微笑んだ。その笑顔はなんと美しいことか。周囲に居た者達は一斉に息を飲む。そしてアメリアの両脇を抱えていた従者達も、それらと同様に息を飲み込んだ。

 (わず)かな隙が生まれる。アメリアは力が抜けた従者達を腕を振りほどくと、そのままリーゼ姫に駆け寄った。

「ひ、姫様お願い。私をたす」

「大丈夫、安心してアメリア。ここは女神様にお祈りする場所よ。それにあなたの事は私が守ってあげる」

 リーゼ姫はアメリアの耳元で小さく(ささや)く。そして改めてアメリアに向き直ると、親しみを込めて彼女にこう告げたのだった。

「そうだアメリア。久しぶりに会ったんだし、これから私とお食事に参りませんか?」

「え! あ、いや、はい。私なんかでよろしければ」

「なら決まりね。楽しくなりそうで嬉しいわ」

 リーゼ姫は心から喜ぶ様にしてアメリアの手を握りしめる。いや、姫はアメリアとの再会を本当に嬉しく思っているのだ。ただそんな姫に向かい、鋭い言葉が投げ掛けられた。

「お待ち下され、リーゼ姫。その方は私と昼食を共にする約束をしているのです。いかに姫様とて、ちと無礼過ぎは致しませんか?」

 ラザフォードが歩み寄る。表面上は落ち着いた(よそお)いをしているが、その胸の内は怒りに震え上がっているのは間違いない。そしてそう感じたアメリアは身を強張らせた。ラザフォードの威圧感に気圧され、心が(ひる)み上がってしまったのだ。ただそんな彼女の手をリーゼ姫はギュッと握りしめると、ラザフォードに向かい笑顔を浮かべて言ったのだった。

「そうでしたか、ラザフォード総主教。ご配慮が足りず申し訳ございません。ですが今回だけはそこを曲げて頂けませんか? こちらのアメリアと私は親友なんです。立場上なかなか会えず、この機会を逃したら次にいつあえるか分からないの。だからどうか、今日は私に譲って頂けないでしょうか」

「いや、しかしですね。姫様のお気持ちは十分お察ししますが、私にとってもその方とお話しするのは大切な事なのです。姫様がいかに望まれようとも、今回ばかりはご遠慮頂かなくてはなりますまい」

「そこをどうか。どうかお願いしますラザフォード総主教。だって今日は私の【誕生日】なのですから。一生に一度でいいから、アメリアと一緒に誕生日を過ごしたいの――」

 リーゼ姫は涙を浮かべながら切実に願った。するとそんな姿を見ていた周りの者達が再び息を飲む。笑顔も美し過ぎる事この上なかったが、溢れ出そうになる涙を懸命に堪える表情もまた、格別に美しいものだったのだ。そしてそんな者達の視線が次に向けられたのはラザフォードであった。

 この状況ではさすがのラザフォードとて我を通せはしない。むしろルーゼニア教の最高指導者として、寛大な心を示さねば恰好がつかない状況なのだ。そして予想に違わず、ラザフォード総主教はリーゼ姫に向かってこう告げたのだった。

「仕方ありませんな。そこまで姫が申されるのであれば、今回は私の方が退きましょう。ですが姫様、ご用がお済みになられましたら、そちらのお方を再びここへお連れ願いたい」

「はい。承知いたしました。今回はご無理をお願いして申し訳ありません。ラザフォード様には本当に感謝いたします。では、私はこれで失礼させて頂きます。さぁ行きましょう、アメリア」

「は、はい」

 アメリアは背中に感じる嫌悪感を振り切る様にしてリーゼ姫に続く。もしラザフォードの目を直視してしまったならば、その場に立ち(すく)んでしまいそうだ。そう思ったからこそ、彼女は振り返る事なく歩み始めたのだった。

 そこに集まっている一般の信者や神父達が道を開ける。リーゼ姫の美しくも堂々とした姿に、皆は自然と道を開けたのだ。ただそこで一人、体格の良い神父だけが姫の前に残っていた。するとそんな神父に対し、すれ違い様に姫は言う。

「あなたもぜひご一緒に」

「私の事は心配に及びません。ですが姫様、どうかアメリアをお願いします」

「おじさん」

「大丈夫、気にするな。それよりも元気でな、アメリア」

 そこにどんな理由があるのかは分からない。しかし北の教会の神父は残る事を決意していた。そしてそんな彼を哀しく見つめるだけで、アメリアは何も出来なかった。

「ビギャーン、ゴロゴロゴロ」

 落雷の轟音が響く。そしてその稲光に照らされたラザフォード総主教の額には、血管が太く浮き上がっていた。アメリアを連れ去るリーゼ姫の行為に怒りを感じているのだ。ただそこでラザフォードはある事に気付く。リーゼ姫の護衛の中に【テスラ】の姿があったのだと。

 ラザフォードは考え込む様にしてアゴを摩る。そして考えがまとまると、従者の一人を呼び寄せこう告げたのだった。

「リーゼ姫の行き先はアダムズ城だ。すぐに【門番】と連絡を取り、監視を怠るなと指示せよ。やっと見つけた女神の巫裔(かんえい)なのだ。絶対に逃がしてはならない」

 ラザフォードは小さくも鋭く(とが)った声で吐き捨てる。そして彼は礼拝堂の奥へと消えて行った。ただそんなラザフォードの姿を少し離れた物陰から総主教代行のボイルが見つめる。しかしどうしてなのか、その視線はどこか冷ややかなものであった。




 小型の高速輸送機EPRキャッツ号の乗員室でリュザックが叫ぶ。首都ルヴェリエ圏内上空に入った途端、急変した天候に彼は気を揉んだのだ。

「おいおいおい! どうなっちゅうんじゃ、この天気は? さっきまでまっこと晴れちゅうき。なしてこがい天気が荒れちゅうがよ」

「デカい声出すなリュザック! 操縦に集中出来ねぇじゃねぇか」

 操縦桿を握るブロイが苦言を呈す。彼は必死でEPRキャッツ号を飛ばしているのだ。この荒れ狂った嵐の中で。

 落雷が包囲する空域に止む無く突入してしまったEPRキャッツ号。常識的に考えて、こんな状況の中を飛行するなんて有り得ない事態だ。しかしあまりにも予想外な天候の激変に回避行動が遅れてしまった。こうなったらもう、強引に嵐の中を突っ切るしかない。

 リュザック達乗員はシートベルトをきつく締め、懸命に座席にしがみ付いて堪えている。ただその中でエイダが窓の外を見て声を上げた。

「向かって右側、3時の方向に何か見えました! ブロイさん、注意して下さい」

「はぁ? 3時の方向って、アホみたいにデカい積乱雲のド真ん中だぞ。そんな所に何がいるって――!」

「ブォォォ!」

 キャッツ号の右側面を何かが(かす)める。いや、でも気のせいか。激しい気流の乱れでそう感じただけなのかも。

 誰しもがそう信じたかっただろう。だがしかし、皆は目を凝らして嵐の中心を見定めた。

「何だろう。何かが見えた気がしたのに…………、危ない! ブロイさん舵を切って!」

 エイダが悲鳴に近い叫びを上げる。するとその異常さにブロイは咄嗟に舵を左に切った。だが次の瞬間、渦巻く雲の壁を突き破る凄まじい衝撃が船体を襲った。

「ズドガーン!」

 キャッツ号が激しく揺れる。船体を空中で維持するだけで手一杯だ。ブロイは全身汗まみれになりながら操縦桿を握り続ける。それにしても何が起きているのか? だが凄まじい衝撃が雲を弾き飛ばした事で、一瞬太陽の光が嵐の中に差し込んだ。そしてその光の中に、副操縦席に座るアニェージは信じ難い物体を見つけたのだった。

 再び暗雲が渦を巻いて広がっていく。まるでそれを見たアニェージの心を黒く塗り潰しているかの様に。しかしこのままでは撃墜も有り得る。そう考えたアニェージはブロイに向かって強く命令したのだった。

「マスいぞ。すぐそこの嵐の中で【獣神同士】が戦っている。たぶんこの嵐自体、獣神が発生させた現象なんだ。このままじゃ、化け物同士の争いに巻き込まれるぞ。急いでこの空域を離脱するんだ!」

「チッ、そんなの言われなくったって分かってるよ! でも今は墜落しないよう姿勢を保つので精一杯なんだ!」

 コックピットにある複数のパネルから赤い点滅が発せられる。計器の異常を知らせるものなのだろう。ただそれらの異常は瞬く間に緑色の発光に変わっていく。ブロイは操縦桿を握ると同時に、制御機器に繋げたケーブルから異常の修復を行っているのだ。まさに神業である。恐らく彼の熟練した腕でなければ、とうの昔に機体は墜落しているはずだ。だがそう言ってる矢先に赤い点滅が発信される。これではきりが無い。そしてさらに状況を悪化させるよう、巨大な爆発音が一帯に波及した。

「ドッガガーン!」

 凄まじい爆音だ。咄嗟に耳を塞いだというのに、耳鳴りで視界がひどく歪む。だがそこでアニェージが大声で叫んだ。なんと【黒き獅子】がキャッツ号に向かい突っ込んで来たのだ。

「回避しろブロイ!」

「ダメだ、間に合わないっ」

 全員が目をつぶる。だがその瞬間、黒き獅子が方向を変え激しく吹き飛んだ。

「ドガンッ!」

 黒き獅子の巨体が急降下していく。上空より凄まじいスピードで飛んで来た【銀の鷲】が黒き獅子に全力で体当たりを加えたのだ。そしてその隙にキャッツ号は大きく左に旋回する。雨と風を切り裂きながら、キャッツ号は獣神達から距離を取ろうと出力全開で飛んだ。


「フザケんなよ、あんなのがいる空を飛ぶなんて聞いてないぞ!」

「苦情は後でいくらでも聞いてやる。でも今はどうにかしてあいつらから距離を取るんだ!」

 アニェージがブロイを嗜める。しかしそれを嘲笑う様に、目の前の状況は劣悪化を極めていった。

 再び上空へと猛スピードで上昇する黒き獅子。するとそんな獅子を迎え討つ為に、銀の鷲は巨大な炎を槍を突き出した。

 強烈な威力の炎の槍が黒き獅子に激突する。しかし黒き獅子は自身の周囲に張り巡らせた透明なバリアと、暗雲から呼び出した巨大な雷撃によって、その槍を吹き飛ばした。

「キューン、バギャーン!」

 弾き飛ばされた炎の槍が、遠く離れた地上に落下する。そしてその槍は周囲一帯を炎の海と変えた。

 地上にどれだけの被害が発生しただろうか。相当数の犠牲者が出たのは間違いないだろう。アニェージ達一同は顔色を蒼白に変える。ただそんな彼女達を更に青ざめさせるよう、銀の鷲はガトリング砲を連発するかの様に、無数の炎の矢を黒き獅子に向けて発射した。

「ビギャギャギャギャーン!」

 黒き獅子は全身から雷撃を発射させて炎の矢を撃ち落とす。そして全身を強力な電撃で包み込んだまま、黒き獅子は銀の鷲目指して突っ込んだ。

「チクショウめ。化け物どもの大喧嘩に飛び込んじまったがかよ。どうにかならんがか!」

 リュザックが今にも泣きそうな声で叫ぶ。ただその声を打ち消す様に、アニェージは黒雲の中に見え隠れする銀の鷲の背中を注視して言った。

「ジュールはあの銀の鷲の背中に乗って行ったんだ。まさか、まだあそこに居るなんて事はないよな?」

 アニェージは(ひど)く動揺しながら告げる。するとそんな彼女に向かい、声を(うわ)ずらせながらもヘルムホルツが意見した。

「あ、あれだけ激しく動いていたら確認のしようがない。でもたぶんジュールはもうあいつに乗ってないだろう。もしジュールがまだあそこにいたなら、銀の鷲はあんな無茶な戦いをしないはずだ!」

 ヘルムホルツは直感で感じたままを告げる。そしてその言葉にアニェージは(うなず)いてみせた。いくらジュールの体が普通の人間に比べて強靭だと言えても、さすがにあの尋常でない戦いの中では一溜りもないはずだ。だからジュールは絶対にあそこにはいない。彼女はそう信じたのだ。それよりこのままでは自分達の方がいつ巻き込まれるか分からない。

「チッ。リュザックじゃないけど、どうにかならないのか」

 アニェージが背筋を粟立たせながら(つぶや)く。ただそんな彼女の目に飛び込んで来たのは、揉み合いながら地上に落ちて行く二体の獣神の姿だった。

 絡み合った銀の鷲と黒き獅子が猛スピードで地上に墜落していく。そしてあっという間に二体の獣神は、凄まじい衝撃音を放って地上に激突した。

「ボガァァーン!」

 獣神が落ちた場所を中心にして、まるで水面に伝わる波紋(はもん)の様に、炎と雷撃が地上に広がっていく。もう地上の被害の大きさは途方もない規模にまで達しているだろう。ただそんな(むご)たらしい光景を目にしながらも、マイヤーはある事に気が付いた。

「獣神達が落ちた場所は確か、豚顔のヤツと戦った廃工場跡地があったあたりだ。もしかして銀の鷲は被害を最小限に抑えようと、あえてあそこに落ちたのか」

 マイヤーはシートベルトを外し、身を乗り出して地上を確認しようとする。だがその時、機体後方に只ならぬ衝撃が伝わった。

「ガガン! バァーン!」

 それまで機体を襲っていた衝撃とは明らかに違う振動が伝わる。機械的に何かが破壊された。そんな衝撃だ。すると案の定、コックピットに緊急事態を知らせるブザーが鳴り響いた。


「ビー、ビー、ビー、ビー」

 全てのパネルが赤いライトを(とも)し、機体に異常が発生した事を伝える。それもかなり危機迫った緊急事態だ。

「おい、どうしたブロイ。何があったんだ!」

「クソったれが、尾翼が壊れた。機体がコントロール出来ねぇ!」

 キャッツ号の高度がみるみると下がっていく。

「ちょ、ちょっと、飛行機の後ろ側が燃えてるよ!」

 ティニが悲鳴のように叫ぶ。彼女は視界に入った燃え盛る炎でパニックになっているのだ。それにコクピットに鳴り響くブザーで焦りはどんどん高まっていく。

「ビー、ビー、ビー、ビー」

「うるさいきね! この音は止められないがかっ!」

「それより後ろ! 火がどんどん近づいて来るよ!」

 リュザックとティニが(おのの)きながら叫ぶ。だがそこでブロイが更に大きな声で怒鳴った。

「うるさい黙れっ! いい加減にしろ。後ろから化けモンに銃撃されてるんだ! 早くあいつをどうにかしろっ!」

 ブロイはそう叫びながら、機体後方を映したカメラ映像をパネルに表示させた。真っ黒い黒煙が画面の大部分を覆い尽くしている。破壊された尾翼部分から煙が流れ出ているのだ。でもその中で動く何かが確かに存在した。

「何なんだがよ今度はっ」

「ヤツだ! ヤツが飛んでるんだ! あ、あんな奴もいるのか!」

 アニェージが驚愕した表情で叫ぶ。だがそれもそのはず。パネルに映ったヤツとは【腐った隼】の顔をした化け物であり、両腕に代る巨大な翼を羽ばたかせて飛行していたのだ。そしてさらにその両足には、巨大なガトリング砲が鷲掴(わしづか)まれている。間違いなくキャッツ号はその砲撃を受けたのだ。

「今度は空飛ぶヤツが来たっちゅうがか。いい加減冗談はよすがよな!」

 リュザックは頭を抱えながら悲痛な声を漏らす。しかしそんな彼らを更なる窮地に追い込むべく、隼顔のヤツはガトリング砲を発射した。

「ガガガガガガッ」

 弾丸の雨が降り注ぐ。だがブロイはそれを懸命に回避した。思い通りに機体を操れない中で、それでも彼は天才的な技術を発揮したのだ。そしてその目を見張る航空術にヘルムホルツは歓声を上げた。

「ブロイさん、あんたスゲーな! この状態であれを()けるなんて、大したモンだ」

「バ、バカ言え。今のは運が良かっただけだ! 次は避けられる自信ねぇし、それにこのままじゃ確実に落ちるぞ!」

 ブロイは持てる力をありったけ絞り出して舵を引く。とその時、前方に薄っすらとプルターク・タワーが見えた。ルヴェリエの中心部上空に来ているのだ。

 嵐の中に立つ巨大な塔を中心にしてキャッツ号は旋回する。ただそこでマイヤーが現状に不釣り合いな冷静な声で言ったのだった。

「タワーの近くに不時着出来ないか? 【天体観測所】はすぐ近くだ。トーマス王子とソーニャはそこにいる」

 マイヤーは手に持ったナビゲーション端末を見ていた。そこには彼がGPS弾で狙撃したヘリの位置が発信されていたのだ。だがそんな彼にブロイが反発する。

「無茶言うなよ、真っ直ぐ飛ぶだけだってしんどい状態なんだ! それに鳥野郎だっているんだぜ!」

「泣き言いうな、あんたなら出来るさ」

 マイヤーは少し微笑みながらそう言うと、ナビゲーション端末をヘルムホルツに手渡す。そして彼は姿勢の定まらない中で立ち上がり、フルフェイス型の酸素マスクを素早く装着した。


「みんなも酸素マスクを装着してくれ。ヤツを狙撃する」

 マイヤーは愛用のライフルを抱えながらコックピットの天井部にあるハッチに手を掛ける。そして彼は腰のベルトをハッチの手すりに固定した。

「おいおい、お前本気か? 少しスピードが落ちてるからって、今何百キロ出てると思ってんだよ! それに外は嵐なんだぞ。こんな風圧受けた状態で銃なんか当てられるわけないだろ。それにハッチなんか開けたら機体がバラバラになっちまうかも知れねぇぞ!」

 ブロイは悪態つきながらも急いで酸素マスクを装着する。残念ながらマイヤーは本気なのだ。そして全員が酸素マスクを着けたのと同時にマイヤーはハッチを開けた。

「ガクン」

 キャッツ号が急激に高度を落とす。ハッチが解放された事で機内の気圧が大きく変化し、機体にひどい乱れが生じたのだ。

 言わんこっちゃない。ブロイは苦々しく思いながらも懸命にキャッツ号を飛ばす。だが次の瞬間、彼の目に信じられない光景が映った。

「バーン!」

 マイヤーのライフルから銃弾の発射音が鳴る。と同時に、後部映像に映る隼顔のヤツが血しぶきを上げて吹き飛んだ。

「あいつ、やりやがった。なんて奴だ!」

 ブロイが歓喜の声を上げる。そして彼が見にするパネルには、さらに血しぶきを舞い上げるヤツの姿が映し出された。

 マイヤーは連続して3発の弾丸を隼顔のヤツに命中させた。いかにタフな肉体を持つヤツとて、さすがにこれには耐えられない。ヤツは足で掴んでいた大型のガトリング砲を放してしまった。これでヤツはキャッツ号に攻撃を加えられない。

「今だ! この隙に着陸してくれっ」

「分かったよ、やってやるさ!」

 ブロイは操縦桿を一気に下げる。もう不時着は避けられない。でも機体への衝撃を少しでも和らげられる場所に着陸しなくては。

 ブロイの目にプルターク・モールの屋上が映る。そしてその先にある緑色の一帯に向けて彼はキャッツ号を飛ばした。

「ビー、ビー、ビー、ビー」

 相変わらず警報ブザーが鳴り響いている。だがそれを無視してブロイは目一杯に操縦桿を引き絞った。

「ガビューン! ゴゴー!」

 キャッツ号がエンジンを逆噴射させる。機体の速度をありったけのパワーで殺すつもりなのだ。そして緑色の一体である森林公園に機体は吸い込まれるよう突き進んでいく。ブロイは森林公園の森にキャッツ号を不時着させるつもりなのだ。そこが都市の中央にある唯一の開かれた場所であったから。

「全員しっかり掴まってろっ、衝撃が来るぞ!」

 額から滝の様な汗を流したブロイが叫ぶ。無事に不時着出来るかどうか、彼の腕を持ってしても、後は運に任せるしかない。だがしかし、その状況を更に絶望に変える衝撃が機体に伝わった。

「ガンッ!」

 キャッツ号のコックピットにいた全員が戦慄に震える。なんとマイヤーによって狙撃され大ダメージを受けたはずの隼顔のヤツが、コックピットの窓ガラスに飛びついて来たのだ。そして隼顔のヤツは有無を言わさず鋭い爪をコックピットの窓ガラスに突き立てる。

「ガッシャーン!」

 キャッツ号の窓ガラスは粉々に砕け散り、その破片は凄まじい風圧とともにコックピットに流れ込んだ。

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