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月読の奏  作者: 南爪縮也
第一章 第五幕 寒乱(さみだれ)の修羅
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作者あとがき

「長かった。本当に長かった――」

 本作である第一章を書き上げた感想は、まさにこの言葉しかありません。まさかこんなにも長くなるなんて、作者自身も驚きを通り越して呆れています。

 振り返ればこの物語を書き始めたのは2011年の2月。出張で東京から名古屋に向かう新幹線に乗車していた時でした。大雪の影響で新幹線が途中でストップしてしまい、運転再開の見通しも立たず、今みたいにスマホも無かったので暇つぶしも出来ない。でも猛烈に暇だったので、持参していたノートに第一話の『更待月の夜戦場』部分の概要を執筆し始めた。これがこの物語を書いたキッカケでした。

 これより少し前、ソマリアの紛争を描いた映画『ブラックホーク・ダウン』を鑑賞し影響を受けていた事から、ドタバタのアクションシーンだけを思い描いて書いたのが正直なところです。ただ出張に同行していた同僚に読ませたところ「もっと続きが余みたい」「もっと深く掘り下げたストーリーにするべきだ」と意見されたので、ちょっとだけ妄想を膨らませていました。でも日々は忙しく過ぎて行くばかりで、本腰を入れて執筆しようとまでは考えませんでした。しかしそれから一か月後、大事件が発生するのです。

 それは東日本大震災でした。私の暮す町自体はそれほど深刻な影響はなかったのですが(いや、それでも結構揺れたし、近くで潰れてしまった家もあった)、地震以上に私に直接降り掛かった大事件。それは電力確保の為の『輪番停電』なる不可思議なシステムの開始でした。

 それにより平日が休日になったり、逆に土日が仕事になったりと、生活状況が激変。まぁ困っている人が大勢いるわけだし、協力し合うのが人ってモンだよな。なんて当時は考えていましたが、果たして効果はあったのだろうかと、今になって疑問に感じています。

 ちょっと話がそれましたが、輪番停電の影響で平日に休みが取れるようになり、自由な時間が増えたので何をしようかと考えたところ、最もお金を使わずに時間を潰せる最良な方法として思いついたのが『月読の奏』の執筆でした。

 思い返せば恐ろしいくらい自分の時間がありましたね。もうあんなに暇な時間が過ごせるのは、仕事を定年するまで来ないのかも知れません。でもそのお蔭でかなり濃厚なストーリーが考えられました。

 全部で五章。大長編ものです。我ながら凄いお話を考えたものだと唸りました。でもね、それを小説として執筆してみたら、第一章だけでこんなにも長くなってしまったんです。アホですよね。

 当初の予定では、遥か昔に第五章まで完結しているはずだったんです。それなのにこの有り様。情けない。完全な作者のスキル不足です。

 テンポが悪い。伏線が回収できていない。ダラダラと長いだけ。そんなのは分かっていますよ。だけど仕方ないじゃないですか。妄想ばかりが先走ってしまうんですから。それをどうやって活字にすればいいか。私にはもう分かりませんし、考えるのを止めました。読者の方には申し訳ありませんが、私の気持ちが満たされればそれでいい。そう自分自身に折り合いをつけて書いた結果が第一章です。自分本位でごめんなさい。


 突然話が変わって第二章の予告を少しだけしましょう。第二章の主人公はジュールから変更され、ガルヴァーニと行動する【ボルタ】になります。

 ボルタの視点からガルヴァーニが追うライプニッツの死の真相に迫るのですが、それはゼノン双子彗星の矛盾を解き明かすものでもあり、意外にも最終的にはガウスの裏切りの真相にも関係してきます。そして最も重要なポイント。それは第一章では曖昧なままだった【月読の奏】がどういった現象なのか、それが判明します。

 ただ問題が一つだけ。それは作者の執筆に割ける工数が足りない事です。なのでいつ第二章を掲載できるか、それは作者自身にもまったく分からんのですよ。申し訳ない。(というか、ちょっと怖いんですよね。第二章もまた長くなってしまうんじゃないかって考えると……)


 最後になりますが、本作品を読んで頂いた方々へお礼を申し上げたいです。本当にありがとうございました。駄作だったと思いますが、それでも精一杯心を込めて書いた作品ですので、楽しんでいただけたなら感無量です。

 本当に、本当に、ありがとうございました。

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